2014 北アルプス
 上高地〜岳沢経由〜前穂〜奥穂〜涸沢〜徳澤(1泊2日で穂高連峰の紅葉を満喫)

2014の快速登山第二弾は、快速登山の掟を破り、なんと秋の深まる9月下旬に敢行。上高地から岳沢まで駆け上がり岳沢、涸沢の紅葉を楽しみ徳澤へ下山した。

二週間前、甲府から川越までの143.7kの変態レース「秩父往還」を完走。しばらく休養と思っていた矢先。9/27〜28の土日は最高の秋晴れという情報が入ってきた。

よ〜し、これはチャンス!紅葉を見に穂高に、そして涸沢に行こう!

夜行バスで早朝上高地に入り岳沢から重太郎新道を駆け上がり前穂へ。そして吊り尾根をランし奥穂。ザイテンを下降し久しぶりの涸沢へ。涸沢の紅葉はいまだ見たことがない・・・。

重い足も気合で軽くなり、ワクワクしながら夜行バスの乗ったのでありました。

■9月27日 上高地(河童橋)〜岳沢ヒュッテ〜前穂高岳〜奥穂高岳〜涸沢〜徳澤

記録 (  )内のタイムは昭文社:山と高原地図 標準コースタイム

上高地
 ▼ 1:17:50 (2:30:00)
岳沢
1:17:50(休憩3:59)1:21:49
 ▼ 1:50:12 (3:000:00)
紀美子平 3:12:01
 ▼ 28:24(30:00)
前穂高岳
3:40:25 (休憩25:37) 4:06:02
 ▼ 26:00(20:00)
紀美子平 4:32:02
 ▼ 1:18:46 (1:40:00)
奥穂高岳
5:50:49 (休憩19:15) 6:10:04
 ▼ 26:25 (30:00)
穂高岳山荘
6:36:29 (休憩18:30) 6:54:59
 ▼ 1:28:27(1:30:00)
涸沢
8:23:26 (休憩16:18) 8:39:44
 ▼ 1:40:49(2:00:00)
横尾
10:20:33 (休憩5:12) 10:25:45
 ▼ 36:23(1:10:00)
徳澤
11:02:08

  昭文社:山と高原地図 標準コースタイム:13:10:00 (標準タイムの83.8%)

5時48分、定刻より約10分早く毎日アルペン号は上高地バスターミナルに滑り込んだ。

紅葉の季節、上高地の賑わいが感じ取れる。まだ朝早く、人影はまばらだが、日中にかけて大いににぎわうことであろう。

天候もよさそう、というか、確実に良いからここに来たのである。2週間前に甲府〜川越間143.7Kの秩父往還を完走したばかり。まだ深くダメージが残るが、最高の秋快晴の穂高連峰を信じての上高地インである。

まだ誰もいない河童橋・・・

実に静かだ・・・

今回初使用のクレゴリーのザック。頼りにしてまっせ(笑)

六百山方面からは薄日が差し込んで来た。

出発前の記念撮影

午前6時、河童橋をスタート!岳沢登山口へ向け走り込む。

紅葉が始まっている・・・

上高地の美しい風景を見ながら進む・・・

木道の脇の木々も紅葉

岳沢登山道入口。突入!

快調に飛ばし、上高地から白く輝いて見えるガレ場に到着。先行する登山者を追い越してゆく。

岳沢を覆うがガスが朝日を浴びて動き始める。

天狗のコルに朝日が当たる。

お〜、一気に晴れ上がりそう!最高の天気になりそうだ!

西穂に朝日が当たる・・・

岳沢を目指し、日のあたる場所から森に入り急登に入る。

階段状に整備された石の登山道を飛ばす。

標高が上がるにつれ、赤い紅葉が出てくる。

ここは綺麗なキイロ(喜)

標高2000mに建つ紅葉に囲まれた岳沢小屋が見えてきた!

ナナカマドが真っ赤だ!

1時間17分で上高地から岳沢に到達。全盛期は軽く1時間切りだったが今はこんなもん。

2006年に雪崩で倒壊した小屋は2010年夏に新たにオープン。昔よりこじんまりした感じだが、強固になった気がする。まずはマズマズの入り!

道標が綺麗になってるな。しかも詳しい(笑)

約4分の休憩の間に、追い抜いてきた登山者が到着する。

さあっ、前穂目指して重太郎新道に突入だ!

重太郎新道取り付きに向けてGO!

奥穂高岳の扇沢の絶壁。紅葉が彩を添え美しく、険しい・・・

取り付くと、いきなり草付きの急登。

西穂高の稜線が朝日で輝く。

コブ沢の急峻な谷の彼方にジャンダルムや天狗の頭へと続く大岩壁が輝く。

(望遠撮影)

高度を増すほどに紅葉が鮮やかさを増してゆく。

カモシカの立場へと続く長いハシゴ。

岳沢紅葉が遥か下に広がり、高度感すら忘れてしまいそうな美しさ。

トレイルの周りは美しい紅葉だらけ(喜)

雲間からの霞沢岳(2646m)

カモシカの立場に立つ!

西穂から奥穂へのアルペン的な稜線。深い谷へ向かって紅葉が伸びてゆく。これは素晴らしい景観だ!

さらに上の岳沢パノラマを目指し、再び紅葉の急登へ挑んでゆく。

重太郎新道は確かに思い切り急登なのだが、変化に富んでいて飽きない。ここも展望と高度感抜群なハシゴ登り。

明神岳から朝日が降り注ぐ・・・

岩尾根の急登

雷鳥広場に到着!もう紀美子平はもうすぐだ。

雲の上に焼岳(2456m)の山頂が見える。

さあっ、最後の岩の急登を紀美子平に向けひたすら登ってゆく。

アルペンムード満載の素晴らしい岩尾根。これぞ岩の殿堂、穂高岳の醍醐味である(喜)

もうほとんど明神岳と同じくらいの高さに登ってきたゾ!

おっくうがって、ポールを持って登ってきたが、さすがに邪魔。このあたりでザックに括り付けた。

お〜っ、懐かしい!この一枚岩をよじ登ると紀美子平だ!

来た〜っ!紀美子平。標高3000mにちょっと足りないくらいのテラスである。

うあ〜、絶景だ!奥穂高への吊り尾根、涸沢槍、北穂高岳、そして槍ヶ岳まで鮮明に見える!最高の天候だ!

紀美子平は通過し、前穂高岳への急峻な岩稜を登る。

約30分登って前穂高岳(3090m)の山頂到着。穂高の中では一番広い山頂だが、岩だらけ。

祝登頂!河童橋から3時間40分での到達であった。

大快晴!360度の素晴らしい展望が広がっている!前穂高岳からの360度の展望をご紹介しましょう!

北穂高岳(3106m)と槍ヶ岳(3180m)。涸沢から北穂山頂へ延びる南陵のトレイルがよく見える。

奥穂高岳(3190m)。穂高の盟主、まさに岩の殿堂だ。これから突入する吊り尾根のトレイルが南陵の頭に向かって伸びている。

涸沢岳(3110m)と涸沢槍。奥穂高山荘も良く見える。

明神岳(2931m)の向こうには霞沢岳(2646m)。

湧きたつ雲の向こうには常念岳(2857m)

常念岳は北アルプスで最もピラミダルな山だと思う。(望遠撮影)

西穂高岳(2909m)方面。雲が湧いているが山頂はしっかり見える。

そして上高地・・・。焼岳(2455m)があんなに下に見える。

最後に雲海に浮かぶ南アルプス連峰と富士山。物凄い快晴(喜)

大展望を楽しんだ後、紀美子平まで下降してきた。

これからいよいよ奥穂高岳を目指し、吊り尾根に突入だ!気合が入ります!
では吊り尾根のトレイルを紹介してゆきましょう!

突入です!奥穂に向かい伸びてゆくトレイルがはっきりと見えます。もう何度も通過した道ですが、今回が一番視界が効き、最高の吊り尾根踏破が楽しめそうです!

まずは急峻な岩場を越えてゆく・・・

抜けるといよいよ核心部へ

吊り尾根の中はこんな感じ・・・

下を覗くとこんな感じ。すっぱり切れ落ちているワケではなく、怖くはない。

奥穂高岳南陵が、ドーンと頭上に覆いかぶさるように迫ってきた!

吊り尾根を抜けて稜線にでた。涸沢側が初めて見える。

お〜っ、涸沢カールは見事なまでの紅葉だ!

雷鳥発見!こんな天気の良い時に初めて見た。

二匹いる。夫婦なのであろうか、仲睦まじく行動している。もうすぐ冬、雪とともに雷鳥も真っ白になる季節が近い。

さあ、南陵に向かい急登りの開始だ。

振り向けば前穂高岳の山頂が雲間に見えた・・・

シャープな稜線の岩場を進み・・・

奥穂高の南陵の頭が見えてきた!山頂への最後の難関である。

なかなか高度感のある岩場の登攀。穂高の真骨頂である。

やった!南陵の頭に到達。

奥の二つの尖がったようなところが山頂。もうあとは軽く登ってゆくだけ。

山頂接近!

奥穂高岳(3190m)登頂!

紅葉最盛期で天候も良いこともあり、山頂は多くの登山者でにぎわっている。

山頂にある方位版。では奥穂高からの展望をお楽しみください!

山頂より岳沢を俯瞰する。

雲湧くジャンダルム(3163m)

まさに岩の衛兵。山頂に二人いるな・・・(望遠撮影)

涸沢方面

北穂高方面。かなり雲が湧いてきている。

涸沢岳(望遠撮影)

常念岳方面

常念岳(望遠撮影)

と、その時、山頂の大勢の登山者たちから悲鳴があがった!その視線のほうを見ると・・・。うあ〜っ、こっ、これは!

強大な噴煙が雲海を突き抜けて上空にあがってゆく。方角的には乗鞍に向こう、御嶽山だ!御嶽が噴火したんだ!2014年9月27日、午前11時52分のことである。奥穂高にしてこの大勢の人、御嶽にも大勢の登山者が入っているに違いない。大惨事になっている可能性が高い。しばらく言葉を失った・・・

奥穂高山荘に向け下山開始。143.7kを走り切った秩父往還レースからわずか二週間。やはり足がボロボロでもう踏ん張りがきかなくなってきた。

涸沢カールの全貌が見えてきた。素晴らしい紅葉だ!

名物、穂高岳山荘からの危険なハシゴ。山荘はガスで見えない。

ハシゴを降り切ると山荘がやっと見えてきた。

標高2983mの白出のコルにある穂高岳山荘に到着!

もう足があきません(汗)。予定では涸沢岳から北穂高岳を経由して涸沢に下る予定であったがとても無理。足がボロボロ・・・

紅葉の涸沢カールを眺めながら約20分の休憩。

さあ、出発!予定はこっちだったが・・・

諦めてザイテングラードから真っすぐ下降だ。

ザイテングラード(ドイツ語で支稜のこと)上部。ザイテンは氷河の削り込みにも耐えた固い岩盤でできていて、岩稜に急な道がついている。

まさにカールに浮き出た固い岩尾根である。

上部よりザイテン取り付き付近を望遠撮影

ザイテンより前穂高岳

ザイテンより北穂高岳

ザイテンの取りつきが見えてきた。

取り付きに憩う登山者(望遠撮影)

ザイテン取り付き付近より、山裾の紅葉と常念山脈の横通岳。

屏風岩の深い谷も紅葉で満載!

サイテングラードを終了しトラバースに入る。

トラバースよりザイテングラード。ここからだとカールに浮かぶ島のようだ。

ここからはサイテン取り付きから涸沢小屋までの間の涸沢カールの素晴らしい紅葉シーンをお楽しみください。自分のこれほど見事な涸沢の紅葉は初体験!ラッキーでした!

涸沢小屋到着!

テラスには人人人・・・。

小屋からは壮大な涸沢カールが広がって見えます。

さーて、涸沢ヒョッテへ向かうか・・・

テントサイトの中を緩やかに下ってゆく。

さすがにこの時期にはカールにあまり雪は残っていない。

涸沢ヒュッテ到着!

うあ〜、スゲー綺麗になってる!

ヒュッテの周りも鮮やかな紅葉

こちらのテラスも満杯だ。やはり涸沢は抜群に雰囲気が良い。山の聖地だね。

約16分休憩して出発、紅葉の谷を下ってゆく。

逆光に輝く涸沢、さらばじゃ・・・

氷河に削られた深いU字谷

美しい色彩で染まった谷を下りてゆく・・・

本谷橋通過・・・

昔は丸太を渡しただけの橋だったが、立派な橋になってた。

横尾まで2.8k。

大岩壁、屏風岩が見えてきた!

真正面

本谷橋からは走れる。河原にでると、今日登ってきた前穂高が見える。

梓川にかかる吊り橋。

これを渡ると横尾、登山終了である。

横尾到着。

横尾から最後のガンバリ、軽く走って36分で今日の宿、徳澤園に到着。

夕暮れまじかの徳澤のキャンプサイト

苦節11時間2分の戦いが終わった。足はもうボロボロ。

ひと風呂浴びてビール!うめ〜っ!

名物のソフトクリームも食ってしまった(笑)

夕食会場へ

徳澤園の夕食はとても豪華なのです(喜)

レストランにおじゃましま〜す!

名物のステーキ

定番、岩魚の塩焼き

おいしくいただきました!

本日の寝床はNO.12。おやすみなさい〜・・・爆睡

第2日目、早起きして新村橋までいってみた。ここはパノラマコースの入口、ここで日の出を待つのだ・・・

おおっ!来た〜っ!

前穂から明神岳が赤く染まる!モルゲンロートだ!

赤の色彩はほどなく消えた・・・

順光を浴びる前穂高

新谷橋から上高地方面。柔らかな朝日が山を包み込む・・・。素晴らしい景観を拝めた朝だった。

徳澤の朝

さっ、出発!上高地まで6.4K

徳澤よ、さらば・・・

梓川沿いの道、通称梓川海道をゆっくりと進む。今日はもう走りません。

今日も良い天気!明神岳が素晴らしい!

明神岳東陵の岩峰は輝く・・・

明神に到着

明神館と明神岳東南陵

さらに進むと上高地が近づく・・・

小梨平に入ってきた。

小梨平のキャンプサイトより。ここは最高の穂高の展望サイトだ。

焼岳が見えてくると・・・

河童橋がもうすぐ

到着しました!本当に天候に恵まれた登山でした。涸沢の最高の紅葉も見れたしラッキーの一言。ただ不幸な出来事もあった。御嶽山の噴火でお亡くなりになった皆さんのご冥福をお祈りいたします。

河童橋の上で

(朝から)乾杯!

河童橋からの穂高連峰

そして焼岳、上高地よ、さようなら・・・

さて、松本に戻り、せっかくなので浅間温泉へ

いろいろ物色して・・・

こちら初見参

いい雰囲気デス!

内風呂を通過すると〜

半露天のお風呂が

柔らかそうな温泉が満ち満ちております。

源泉かけ流しか・・・

うひ〜、極楽、極楽。   おわり

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過去の快速登山

2015年 「常念山脈」「八ヶ岳主脈縦走」

2014年 「赤岳(2899m)ピストン」「紅葉の穂高連峰」

2013年 北アルプス
七倉〜ブナ立尾根〜烏帽子〜南沢岳〜不動岳〜船窪岳〜北葛岳〜蓮華岳〜針ノ木岳〜扇沢(1泊2日で北アのマイナールートをゆく)

2013年 南アルプス
塩見岳から南アルプス北部大縦走 鳥倉林道〜塩見〜間ノ岳〜北岳〜仙丈〜甲斐駒〜黒戸尾根〜駒ケ岳神社(2泊3日で完踏)

2013年 中央アルプス
伊那谷から中央アルプスの秀峰3座を越えて木曽谷へ 中央アルプス大縦断 駒ヶ根バスセンター〜空木岳〜南駒ケ岳〜越百山〜JR中央本線:須原駅(夜行日帰で完踏)

2012年 甲斐駒ケ岳・黒戸尾根ピストン
竹宇駒ケ岳神社〜黒戸尾根〜甲斐駒ケ岳〜黒戸尾根〜竹宇駒ケ岳神社

2012年 谷川岳ピストン
西黒尾根〜谷川岳〜天神尾根〜田尻尾根

2012年 奥多摩
深山橋(奥多摩湖畔)〜ヌカザス山〜三頭山〜御前山〜 大岳山〜御岳山(日帰で奥多摩三山をゆく)

2011年 北アルプス
中房温泉〜合戦尾根〜燕山荘〜燕岳〜東沢乗越〜東沢岳〜剣吊(ケンズリ)〜餓鬼岳〜大凧山〜白沢三股

2011年 北アルプス
上高地〜岳沢経由〜前穂〜奥穂〜涸沢〜徳澤〜徳本峠〜霞沢岳〜上高地(1泊2日で穂高を満喫)

2011年 南アルプス
光岳〜聖〜赤石〜悪沢:南アルプス南部全山縦走 赤石まで2泊3日

2010年 南アルプス
悪沢岳〜赤石岳〜聖岳〜光岳:南アルプス南部全山完登(途中敗退)2泊3日

2010年 南アルプス
広河原〜北岳〜間ノ岳〜農鳥岳〜奈良田 夜行日帰り

2010年 南アルプス
夜叉神〜鳳凰三山〜アサヨ峰〜仙丈ケ岳〜北沢峠 1泊2日

★その他は快速登山トップページをご覧ください。(完登リストもあります)