2011 北アルプス 上高地〜岳沢経由〜前穂〜奥穂〜涸沢〜徳澤〜徳本峠〜霞沢岳〜上高地(1泊2日で穂高を満喫)

2011の快速登山第二弾は、初日、上高地から岳沢まで駆け上がり前穂〜奥穂〜北穂の岩稜を楽しみ徳澤へ下山。翌日、霞沢岳に登頂し前日踏破した穂高を眺めるという穂高満喫プランだ!

 2009年より舞台を南アルプスに移して行ってきた快速登山。塩見岳を残しホボ終了となった。このお盆の山行では本当は塩見にマズは向かわねばなかったが、ど〜にも久ぶりに北アルプスに行きたくなってしまったのである。

よ〜し!久しぶりに穂高に行こう!そして霞沢岳にも一気に登ってしまおう!

 夜行バスで早朝上高地に入り岳沢から重太郎新道を駆け上がり前穂へ。そして吊り尾根をランし奥穂。涸沢岳からのナイフリッジを楽しみ北穂へ到達。南陵を駆け下り一気に徳澤まで下山。

 翌日、長年狙っていた穂高の展望台:霞沢岳に初登頂を果たし、山頂から穂高の絶景を堪能する。わずか1泊2日で穂高連峰を堪能するまさに「穂高満喫プラン」といえる。

そうかっ、快速登山ではまだ涸沢に行ってなかった・・・

なんということ。若いころさんざん通った涸沢にまだ行ってなかったか・・・。 懐かしな〜・・・。非常なワクワク感が膨らんできたのでありました。天候を確認し、もっとも安定しそうな11日〜12日を選び、10日夜の夜行バスに乗り込んだのでありました。

8月11日
上高地(河童橋)〜岳沢ヒュッテ〜前穂高岳〜奥穂高岳〜涸沢〜徳澤


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■記録

(1)上高地(河童橋)【1日目スタート】
1:15:52
(2)岳沢ヒュッテ1:15:52 (休憩4:51) 岳沢ヒュッテ1:20:43
1:47:08
(3)紀美子平3:07:51 (休憩2:30) 紀美子平3:10:21
33:25
(4)前穂高岳3:43:46 (休憩4:00) 前穂高岳3:47:46
19:44
(5)紀美子平4:07:30 (休憩11:12) 紀美子平4:18:42
1:13:27
(6)奥穂高岳5:32:09 (休憩7:07) 奥穂高岳5:39:16
27:28
(7)穂高岳山荘6:06:44 (休憩23:41) 穂高岳山荘6:30:25
1:19:02
(8)涸沢7:49:27 (休憩21:34) 涸沢8:11:01
45:40
(9)本谷橋8:56:41
33:39
(10)横尾9:30:20 (休憩8:40) 横尾9:39:00
24:33
(11)徳澤10:03:33【1日目ゴール】

昭文社:山と高原地図 標準コースタイム:13:10:00標準タイムの76%

午前5時20分、上高地バスターミナルに到着。毎日アルペン号を利用したが、今年は直接上高地へは入れず、平湯でシャトルバスに乗り換えての上高地入りであった。

3年ぶり、河童橋へ向かう。やっと戻ってきたぞ・・・。

河童橋に到着。この時間人影はホトンドなし。

確実に天気は晴れと思っていたが、穂高連峰は雲で覆われている。

マズ登頂する前穂高岳の山頂付近はかすかに見える。(望遠撮影)

明神岳の上空には青空。低圧部が山にかかり雲をまとっているだけ、時間がたてば晴れあがってくるように思える・・・。

準備を整え、5時45分に河童橋をスタートした。

約7分で岳沢登山道入り口。3年前は岳沢小屋はなかったが、今は見事に再建され道標にもその名を記載されていた。

前半はうっそうとした樹林帯の中をガンガン登ってゆく。

道標もしっかりしている。ここはNO.9。岳沢までの10分の1進んたことを意味する。

おおっ、予想通り青空が広がってきた・・・。

振り返れば六百山(2450m)に朝日が当たっている。イイゾ〜!

明神岳側のつづら折りの道を登り、しばらくゆくと岳沢名物の天然クーラーの横に出る。いや〜、相変わらず岩の間から冷気が吹き出しひんやりして気持ちいい。

スタートから約35分で岳沢のガレ場に到達。上高地から見ると白く雪渓のように見えるところだ。

上高地を振り返る。

六百山も綺麗に見える。

六百山(2450m)の奥に、明日登頂する予定の霞沢岳(2646m)秀峰が見える。

西穂高岳に朝日が当たる。

ガレ場を過ぎると、登山道は明神岳側の山裾に伸び、延々と急登りが続く。

ガレ場の遙か下に上高地、河童橋付近。かなり登ってきた・・・。

正面の穂高の岩稜が近づいてくると岳沢は近い。

来た〜っ、岳沢! 再建なった岳沢ヒュッテが見える。

岳沢ヒュッテに約1時間16分で到着。走力が落ちたワリにはマズマズの入りか・・・。

立派に再建なった岳沢ヒュッテ。

ヒュッテの石の土台の向こうに穂高の岩稜。

約5分休憩し出発。ガレ場を横切り重太郎新道へと向かう。正面に扇沢の急峻な岩稜、その上の吊り尾根が綺麗に見える。重太郎新道は右手の草付の斜面を前穂高の向け直登してゆく。

マズは草付の急坂をグイグイ登る。何度登っても印象的なところだ。

つづら折りの急登をこなしながらゆく。正面には豪快なコブ尾根が伸びているのが見えるのであるが残念ながらガスに覆われている。

あっという間に岳沢が下になる。

草付の斜面が終わるとカモシカの立場まではこのような急登に変わる。

名物の長いハシゴ。

むふふふ〜、このあたりからの高度感がたまらない。重太郎新道は下りはしんどいけど、登りにはお勧めデス!

カモシカの立場到着。ここは尾根上のテラスである。上高地方面のみ視界あり。

立場から先を望む。この先の岩場を右に巻き、直登すると標高2500m地点を超える。

来た!ハシゴ2本連発の直登。ここも印象的なところ。急登りの連続なのであるが、アクセントとなる個所が多々あり飽きない登りである。

標高2500m地点を越えると開放感と高度感溢れるトレイルとなる。これが重太郎新道の真骨頂!雲間に見えるコブ沢、畳岩尾根方面の岩壁がいかつい。

岳沢パノラマに到達。ここからは岩稜をゆく。この上部に雷鳥広場がある。

おおっ、急にガスが切れて明神岳が現れた。

トレイル上部の様子。なかなか晴れあがりそうであがらない・・。

急峻な、石の乱立する岩礫地にトレイルが伸びてゆく。

ポールが非常に邪魔になり、ここでたたんでリュックに取り付ける。ポールは大変便利だが、岩場では邪魔になるのみである。

このあたりにはイワギキョウ咲いている。

ラクダの背のような急峻な岩礫地が続く。

ハイマツ帯の中のトレイル。明神岳の山肌が荒々しい・・・。

この上が雷鳥広場、その上部に紀美子平がある。

雷鳥広場に到着。

全然ガスが上らない。時たま明神岳の方面にガスの切れ間が現れるくらいである。晴れあがってほしいものだが・・・。

この印象深いスラブ状の一枚岩が出てくると紀美子平である。この岩を抜けるとスグである。

紀美子平到着。3時間を切ることができず走力の落ちを痛感する。

空身になり前穂高岳を目指す。ガスでルートを間違えて2つ右の尾根筋を強引に登ってしまい、上部岩場で必死に左にトラバースしてルートに戻る。

前穂高岳山頂。な〜んも見えず。おまけに涸沢から風が吹き上げていて寒い。ここからの奥穂高、北穂高の雄姿を拝みたかったので誠に残念。気流を見ているとガスが上るどころか下がりだしているので晴れる兆しが皆無。

唯一、明神岳1峰(2931m)、2峰が見える。上空には青空が見えるのだが・・・。

早々に登頂写真を撮り、退散した。

紀美子平への豪快な岩稜の下降。

明神へ続く鋭い尾根がガスの合間に見え隠れする。

紀美子平に帰還した。

雲間に現れる明神岳が圧巻である。

紀美子平で小休止。菓子パンをほおばりエネルギー補給である。約11分休憩していよいよ吊り尾根を奥穂高方面に向かう。

一瞬、ガスが切れて岳沢側に切られた吊り尾根が伸びているのが確認できた。

穏やかな登りのトラバースが続く。天気が良ければ非常に快適なトラバースなのだが・・・。

稜線手前が最低鞍部。ここに稜線をゆく道とそのままトラバースしてゆく道の分岐がある。

奥穂高に近づくほどガスが濃くなってくる。

濃いガスの中、頑張って進んでおります。

奥穂高の南陵が近づいてくると岩ががぜん大きくなってくる。

左サイド(岳沢側)が鋭く切れ落ちている個所が多発してくる。いよいよだ。

来た!南陵の頭へ続く長いスラブ状に岩の直登である。

晴れていれば高度感のある素晴らしい岩の登攀なのだが、今日は修行でしかない。クサリを使い上へ上へとガンガン登ってゆく。

急に目の前に平らなところが。ここが奥穂高岳の南陵の頭、いわゆる奥穂の南峰である。あとはなだらかなトレイルを歩いてゆくだけ。

ガスの中に祠が見えてきた。山頂だ!

いや〜、2004年に快速登山を始めた時以来、実に7年ブリの奥穂高。あのときは3時間56分で到達したが、今日は5時間32分もかかってしまった。

祝、登頂!

風が強く、とてもとどまっておられない。速攻で穂高岳山荘に向かい下降開始。

まさに修行になってしまった。飛騨側から吹き上げる風が強烈である。ポリエステルの薄いシャツとタンパンに極薄のゴアテックス・パックライトのジャケットのみではとても寒く気力で進むしかない。筋肉が硬直してゆくのがわかる。

このルート下部の危険地帯へ突入。マズはクサリ場を使い狭い岩棚を右に回り込んでゆく。もちろん下はスッパリ切れ落ちており、その先にハシゴがある。

一つ目のハシゴ。結構長くてやや斜めにかかっている。ハシゴに取り付くところのテラスが小さく、かつハシゴの頭がかなりせり出しているので体の向きを変えるのに苦労する。何かが引っかかったら非常に危険だ。この下にもう一つある。

ハシゴを通過したところから降りてくる登山者を見る。ユキチにとっては問題はないが、一般登山者にとっては非常に危険な箇所と思う。しかも一方通行ではなく、登りも下りもコレを使う。ここはたくさんの人は入るのだろうから大渋滞にもなるのではなかろうか・・・。

穂高岳山荘が見えてきた。風力発電機が勢いよく回っている。

穂高岳山荘に到着。いや〜、寒かった。ここは3000mあるが風がないので助かる。とりあえず大休止。

小屋の前、涸沢側には今だ雪渓が残っている。

さ〜て、12時も近いし昼食にしよう!

昼食後、今後の予定をどうするか決めようと岐阜(新穂高)側の雲の状況を見るため、山荘の上に設置されているヘリポートへ登ってみる。ガスが切れ、先ほど降りてきた奥穂からのトレイルが見えた。

う〜む、これはダメだ。西の空にも雲がありとても今後晴れあがる可能性は薄い・・・。

涸沢岳(3103m)方面。計画ではここを登り、北穂までのスリリングが岩稜を楽しむ予定であったのだが・・
・。

や〜めちょ!こんな天候では意味がない。
ということで、急遽計画を変更しザイテングラードを涸沢に下ることにした。

約24分大休止したのち、ザイテングラードへ。ここは何年ぶりなんだろうか・・・。

久しぶりに涸沢カールに下降してゆく。

穂高岳山荘、さようなら・・。

ザイテングラード上部。岩場混じりの尾根上の道だ。8月に入りここで落石が起因の滑落で、孫とおじいちゃんの2名が死亡している。けっして侮ってはならないルートだ。ご冥福をお祈りいたします。

右手には踏み越えてきた前穂高岳(3090m)。相変わらず山頂は雲の中。

常念岳(2857m)は雲間からその姿を現してくれていた。

北穂高岳方面は雲。

奥穂高方面は稜線が見える・・・。

サイテングラード下部に入ると、涸沢カールの大きさがより感じられるようになる。正面の屏風の頭(2565m)が印象的である。

下の岩の手前でザイテングラードは終了。左のトラバースに入る。

ザイテングラード取り付きより上部を振り返る。

大トラバースに入った。

トラバースの途中より。中央より上に伸びる尾根がザイテンである。

パノラマコースを選択し、雪渓の大トラバースへ。

見晴岩より。

いよいよ涸沢に降りてきた。

到着。快速登山でも初めての登場である。きっと25年以上来てない・・・。

伝統の東大涸沢診療所。綺麗になったけど雰囲気は昔のままだ。

ここまで約7時間50分。いや〜、もう結構バテバテであります。マズは涸沢に到達しひと安心。

涸沢ヒュッテ。綺麗になりより大きくなった感じ。

見事なテラス席が作られており、多くの登山者の皆さんが今や名物という生ビールとおでんを食されていた。

いや〜、いい雰囲気でありますな〜・・・。

最盛期でたくさんのテントが張られておりました。涸沢ならではの光景であります。

約21分間、涸沢を堪能させていただきました。ここでやっとゴアのジャケットを脱ぐことができた。天気は良いハズだったのに、やはり山は来てみないとワカランね〜。

さっ、下山だ! 計画ではパノラマコースで一気に徳澤に降りる予定であったが、これもノーマルルートの横尾経由に変更。

石を綺麗に敷き詰めた素晴らしい登山道が伸びている。

このあたりの横尾に続く谷の景観も懐かしい・・・。

涸沢の流れる憩いの広場・・・。

清冽な水が流れていた。思い切り顔を洗う。

駆け下ってきた途中、涸沢を振り返る。カールがあんなに遠くなった。

本谷橋だ!うほほ〜っ、すごく立派な橋になっている。昔は丸太橋だったのに。

様変わりした橋の上で。

本谷橋を後にする。いよいよ横尾だ。

屏風岩だ! 高度差600mの日本最大級の岩壁である。すべてが懐かしい。

っと、山ガールの一団が通り過ぎて行った。この娘たちは実にファッショナブルであった。思わず後ろ姿を撮ってしまった(笑)。やはりたくさんいました「山ガール」!

横尾への道は平坦で実にランしやすい道。涸沢から下部はホトンド走ることができて快適であった。

横尾手前の梓川を渡る橋に到達!

橋の上から梓川の流れと上高地方面を眺める。やはり山はいまだに雲をまとっていた。

横尾到達!涸沢から約79分。走ったワリに遅いかな???

ここのキャンプサイトにも多くのテントが・・・。

横尾山荘の上空、蝶・常念方面には青空が・・・。

最後の気力を振り絞り、梓川街道を徳澤までラン開始。

約24分で徳澤まで走り切った!時刻はスデに午後4時がちかい。

徳澤はお気に入りのところ。この牧歌的で開放感あふれる雰囲気がとても気に入っている。

今回も徳澤園さんにお世話になる。

井上清原作の舞台となった「氷壁の宿」、徳澤園。

山小屋ではなく、山のホテルである。

一風呂浴びて散策に・・・。

ここにはビールの販売機があるんですな〜。

乾杯!北穂高には行かずの短縮ルートとなってしまったが仕方がなかろう。うひ〜っ、うまい!ビールが体に染み渡る。

夕食は7時からということで、それまでキャンプサイトで飲んだくれることにした。なんとも気持ちがイイ。やっぱり徳澤は最高だ。

午後5時スギには雲もあがり、夕日に輝く山々が見え始めた。

明神岳から前穂高岳の稜線が夕日で輝く。明日はよい天気でありますように。

8月12日
徳澤〜徳本峠〜霞沢岳〜徳本峠〜明神〜上高地(河童橋)


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■記録

(12)徳澤【2日目スタート】
32:06
(13)白沢出合32:06
1:26:08
(14)徳本峠1:58:14 (休憩17:19) 2:15:33徳本峠
41:40
(15)ジャンクションピーク2:57:13
1:46:22
(16)K1ピーク4:43:35 (休憩2:52) K1ピーク4:46:27
29:07
(17)霞沢岳5:15:34 (休憩17:21) 霞沢岳5:32:55
29:26
(18)K1ピーク6:02:21 (休憩5:15) K1ピーク6:07:36
1:34:36
(19)ジャンクションピーク7:42:12 (休憩13:08) ジャンクションピーク7:55:20
26:53
(20)徳本峠8:22:13
56:23
(21)明神9:18:36 (休憩3:28) 明神9:24:13
22:17
(22)上高地9:46:30【2日目ゴール】

昭文社:山と高原地図 標準コースタイム:13:10:00  標準タイムの74%

午前3時30分起床。まだ周りの人は寝静まっているのでそ〜っと外に出て準備開始。4時に徳澤を出発した。まだ闇の中である。

テントサイト前を通過する。流石にテント組は起きて、朝食の準備等をおこなっている。

LEDライトで道を照らしながら、梓川街道を明神へ向け軽く走ってゆく。

横尾方面を望むと、常念岳のあたりの稜線から明るくなってきた。

明神岳の岩峰も日の出をまって鎮座している。しかし、雲は一つもかかっておらず、天気はいいようだ。

明神方面もやや明るくなってきた・・・。

32分で白沢出合の分岐に到着。まだ闇の中・・・。

さっ、梓川街道を左折し徳本峠のトレイルに
IN!

明神岳の岩峰がまさに黎明の時を迎えている・・・。

白沢を右手に見ながら奥地へと進んでゆく。

分岐から約20分強登ると午後5時近くなり、あたりは明るくなった。このような倒木帯を通過する。

木々の間から朝日に輝く明神岳が見える・・。

沢沿いのなだらかなトレイルを詰めてゆく。

沢筋を詰め切るとトレイルは左の山の斜面に伸び、ジクザクの急登と大きく変化する。

おおっ!振り返ると明神岳が神々しい。

西穂高岳から奥穂高岳へと続く秀峰の尾根にも朝日があたって輝いている。

徳本峠へのジグザクの急登は延々と続くが、非常に整備が良く登りやすい。

最後の水場に到着。峠まで約15分くらいのところだ。

霞沢岳を往復する間に水場はないので、ここでたっぷり飲み溜めし目いっぱい水を詰め込んだ。

峠付近の分岐に到達。マズは左折して峠へ向かう。

徳本峠到着。徳本峠小屋は前面を昔の小屋のまま残しているのでパっと見は昔通りの古いイメージだが、全面改装され素晴らしく快適な山小屋になったそうだ。宿泊者(談)

峠で朝食を取るため小休止とした。穂高をバックになんとも素晴らしいひとりでの朝食である。

徳本峠より穂高連峰を望む。何度見ても圧倒される景観である。

徳澤園さんでつくってもらった弁当。いただきま〜す!

峠から上高地側に少し下り、さきほどの分岐を左に入ると樹林帯の中のジグザグの急登が始まる。

約42分急登を継続するとジャンクションピーク(2428m)に到達。平らなピークで林の中にあるが、信州側は視界が開けている。

ピークから先は穏やかな長い下り、その後は軽いUP・DOUNを繰り返しながら樹林帯の中をゆく。展望はなく、長い・・・。

途中視界がきくところがあった。深い谷を隔てて、乗鞍(3026m)から御嶽(3067m)まで綺麗に見える。

あれが霞沢岳か!樹林の間からそれらしきピークが見える。

南斜面には大お花畑が広がっている。

延々と突き進み飽き飽きしてきた頃、なんとなくあたりが開けてきた・・・。

いきなり崩壊地が現れ、その左に霞沢岳のピークが見えた。いよいよ本峰への本格的な登りの始まりが予感される。

霞沢岳(2646m)。いよいよピークが近づいてきた。

始まった〜っ!急登につぐ急登。

お花畑の中の急登。まだ午前8時であるが南斜面は暑い。

おおっ!上部のお花畑を越えて見通しの効く小ピークに出るとK1ピーク(右)とK2ピーク(左)が眼前に出現した。

K1接近。かなりな急登だが登る意欲がフツフツと湧いてくる。あそこに立ったら素晴らしい展望があると思うとワクワクする!

K1への取り付きの痩せ尾根は樹林がなく、穂高連峰が初めて望めた。

K1取り付き。無風状態で暑い・・・。

凄い登りだ。ゼイゼイ・・・。

急勾配に加えてトレイルはルンゼ(岩溝)状になっており、ハイマツに覆われている。まるで深い岩溝のトンネルを攀じ登っている感じである。浮石が多いので落石に注意だが誰もいないので心配ご無用。ふと振り返ると穂高が見えた。だいぶ登ってきた・・・。

ルンゼを抜けるとハイマツ帯の中の急登。頂上直下だが、ハイマツでピークがわからん。

出た〜っ!K1ピークに到達!

K1からの絶景

蝶、常念が綺麗に見える。中央の下に光る河原の脇に本日スタートした徳澤が見える。4時間43分で到達した。ここはやはり深い山だ・・・。

上高地の深い谷を挟んだ笠ケ岳(2898m)の眺めも素晴らしい。

高度約1000m下の帝国ホテルの赤い屋根、梓川沿いに建つ上高地温泉ホテルや清水屋ホテルが眼下にハッキリ見える。河童橋は六百山へ続く尾根が邪魔をして見えない。

西穂山荘の向こうに双六岳(2860m)。

奥穂高岳(3190m)―望遠撮影。山頂部、ロバの耳、ジャンダルムがハッキリ見える。ジャンからの逆層スラブの下りの長さもよ〜くわかる。まさに岩の殿堂!

西穂高岳(2908m)―望遠撮影。天狗のコル〜天狗の頭〜間ノ岳〜西穂のナイフリッジは見ていて飽きない。久しぶりにあそこに行きたくなった。

前穂高岳(3090m)―望遠撮影。昨日攀じ登った重太郎新道が山頂に向かって伸びてゆくのが見える。

K1ピークからK2ピーク、山頂を望む。K1の展望を十分楽しみ出発だ!

あっという間にK2ピーク直下・・・。

約10分でK2到達。K1ピークを振り返る。ピークにはヘリの荷揚げを待つ屈強そうな人々が待機している。登山道にハシゴを掛ける作業を行うらしい。徳澤から4時間43分で来たと言ったらぶっとんで驚いていた(笑)。

ここはK1よりも奥穂高を真正面に見ることができる。岳沢からせりあがる圧巻の奥穂をどうぞ!−望遠撮影。

岳沢を俯瞰する。標高2180mに建つ岳沢ヒュッテ。ここから見ると雪崩を受けにくい位置に建っていることがわかるが、あの位置でも雪崩にやられるのだから自然の力は恐ろしい・・・。

K2を出発。山頂に向かう。

山頂へはハイマツ帯の中をゆく。左サイドはガレてスッパリ。頂上直下に入った。

霞沢岳(2646m)山頂。日本200名山である。

徳澤より5時間15分、遂にやってきた。長年この山を想っていたがナカナカ実行できず。快晴の中登頂できて感無量!

山頂からの穂高連峰も素晴らしい。この山はまさに穂高の展望台。蝶が岳とはまた違う穂高の魅力を味あわせてくれる。

深い上高地の谷に大正池を望み、そこからせりあがる圧巻の焼岳(2455m)がズグ目の前に展開する。

笠の眺めもイイ!

山頂からのパノラマ 乗鞍、御嶽方面

中央アルプス、南アルプス方面 うっすら見えます。

松本方面 左から美ヶ原の山並み、中央部にうっすらと八ヶ岳連峰が見える。

展望を楽しみ山頂を後にした。花の咲く稜線の向こうに穂高を眺めながらK1方向へ向け下降を開始した。

これから下る尾根が見える。あそこを登ってきたワケだが、ほとんど樹林帯の中であることがわかる。

K1を超え、徳本方面を望む。強烈な下りに突入!ルンゼのトンネルを転がるように下った。

K1を下り切って鞍部にでたところにクルマユリが咲いていた。

ひたすら突き進み、ジャンクションピークを越えジグザグの急坂を下りきると徳本峠の分岐。いや〜、長かった・・・。

カッ飛んで下る。正面に明神岳。

急坂は終わり、平らになってきた。もう少しで梓川街道にでる。

最後はこのような林道をランする。

明神に降り立つ。このあたりはもう観光客でいっぱいだ。

河童橋まで約4k、梓川街道をひた走る。

22分で河童橋。時刻は午後2時近く、すごい人で賑わっている。

午後1時53分、河童橋到着。快速登山終了!

河童橋は観光客の皆さんでごったがえしておりました。

橋の上で記念撮影。相変わらず穂高連峰が綺麗に見えます。今回は「穂高に登り、穂高を眺める」という企画。天気は悪かったが穂高の岩稜の登攀は十分楽しめたし、今日の霞沢岳からの穂高の展望は予想以上に素晴らしかった!大満足!

河童橋上からの穂高連峰

昨日トラバースした吊り尾根に雲がたなびく・・・。

そして六百山の奥には霞沢岳への尾根が見えます。ついさっきまであの上にいたんだ・・・。

3年ブリの上高地、そして穂高。小学4年にここに連れてきてもらってそれ以来ファンになった。山を登るようになったキッカケでもある。さようなら上高地、また来るよ!

新島々の駅でやっとビールにありつく。乾杯〜!
その後
松本でスーパー銭湯に入り、スーパーあずさで帰京したのでありました。あずさの中で飲んだくれたのは言うまでもありません(笑)。

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