2011 北アルプス 中房温泉〜合戦尾根〜燕岳〜東沢岳〜剣吊(ケンズリ)〜餓鬼岳〜白沢三股(夜行日帰で北アの秘境をゆく)

 2011の快速登山第三弾は、北アルプスの秘境、餓鬼岳を目指す。マズは中房温泉から合戦尾根を駆け上り燕岳に登頂。表銀座の賑わいを離れ、餓鬼岳に向け北アで最も登山者が入らない静寂な山域を満喫する。

 いや〜、お盆以来もう一本快速登山を実行しようと虎視眈々と狙ってきたのであるが、天候がナカナカ嵌らず9月に突入。とにかく天気予報がコロコロと変わり出発するタンミングを逃してバカリ。9月中旬をスギ、実行をあきらめかけていた時、最後の3連休は台風一過で確実な「秋晴れ」になることが予想された。

 よ〜し!これは餓鬼岳に行こう!燕岳から縦走し、岩峰:剣吊(ケンズリ)を観賞しながら北アルプスの秘境を一気に通過してしまおう!

 今回は、9月、しかも後半の快速登山。7,8月以外は実施しないという大原則を破っての活動である。この時期標高2200m以上では紅葉が始まっている。装備はまったく夏山と同じなので非常に危険。本当は3000m峰を狙っていたのだが、2700〜2600m級で選定せざるを得なかったのである。

 しかし、このコースは以前から狙っていたルート。餓鬼岳はまだ未登頂であるし、この北アルプス屈指の静寂な山域はまだ踏み込んだことがない。さらに剣吊(ケンズリ)を代表とする厳しい岩の縦走路とも聞いている。楽しみだ。

 ということで、9月23日(金)午前12時15分。夜中の闇をついて約270k先の 安曇野:穂高駅を目指し、愛車Bクラスくんを走らせたのでありました。3連休ということで、直前の申し込みでは安曇野に泊まれる宿は一軒もなし、ようやく松本になんとか見つけた。下山後は松本まで行かねばならない。

9月23日(秋分の日)
中房温泉〜合戦尾根〜燕山荘〜燕岳〜東沢乗越〜東沢岳〜剣吊(ケンズリ)〜餓鬼岳〜
大凧山〜白沢三股

■記録

(1)中房温泉スタート
15:57
   (2)第1ベンチ15:57
14:37
   (3)第2ベンチ30:34
18:06
(4)第3ベンチ48:40
18:12
(5)富士見ベンチ1:06:52
10:19
(6)合戦小屋1:27:11 (休憩5:15) 合戦小屋1:32:26
39:24
(7)燕山荘2:11:50 (休憩20:19) 燕山荘2:32:09
18:03
   (8)燕岳2:50:12 (休憩9:43) 燕岳2:59:55
1:23:33
(9)東沢乗越4:23:28 (休憩4:09) 東沢乗越4:27:37
32:42
(10)東沢岳5:00:19
2:42:01(休憩12:56含む)
(11)餓鬼岳7:42:20 (休憩28:33) 餓鬼岳8:10:53
1:10:52
(12)大凧山9:21:45 (休憩5:49) 大凧山9:27:34
52:55
(13)最終水場 10:20:29
1:03:28
(14)白沢三股 11:23:57
 (駅に向かい約3k走ったところでタクシーに拾われ終了)

昭文社:山と高原地図 標準コースタイム:14:50:00  標準タイムの77%
※東沢岳までは64%と快調だったが、それ以降ゴールまではナント91%と大幅ダウン

穂高駅駐車場4:43分発のバスは5:35には中房温泉に到着した。3連休ということで満員。付近の駐車場も満車状態である。

登山口に向かう。前方に中房温泉の湯けむりが立ち上る・・・。

うひょ〜っ!
凄い登山客!さすが北アルプスでも屈指の人気のルートだけある。

しかし、寒い。じっとしているとたまらん。半袖ではたまらんのでビクトリノックスのライトフリースを着ずにはいられなかった。(苦笑)

半袖、ショートタイツというこの時期としては奇怪ないでたちで登山者の皆さんの視線を感じながらトレイルIN!第1ベンチまではイキナリの急坂だ。

第1ベンチを約16分で通過。大勢の登山者がスデに取り付いており、抜いてゆくのがしんどかった。第2ベンチまでもこのような急な階段や坂の連続である。

合戦小屋への荷揚げ用ケーブルの下を通過するとまもなく第2ベンチ。合戦沢の頭の上空に青空。下では曇っていたがどうやら上は大快晴のようだ!

第2ベンチを過ぎると、しばらく平坦な痩せ尾根をゆく・・・。

樹林帯の中に太陽光が差し込んでくる。

第3ベンチ。約49分で到達。今の体力だと、ちと飛ばし過ぎかな・・・。

第3ベンチからはふたたび急なハシゴ、坂の連打。ん〜っ!後ろから驚異的なペースで登ってくる若者がいる。あっという間に抜かされた。唖然・・・。ついて行こうとしたがとても無理。相手は「特急登山」だ。

富士見ベンチに1時間7分で到達。東天井岳方面が綺麗に見えた。いい天気だ!いいぞ〜!

今回から使用開始のカリマーの18リットルのトレラン専用ザック。10/22開催のハセツネ(日本山岳耐久レース)用に購入し、慣らし使用である。

富士見ベンチよりは花崗岩やその砂礫が露出した登りとなる。相変わらず急坂の連続。しだいに樹林帯が低くなってくる・・・。

うほほ〜、初展望!大天井岳から常念岳への稜線であろうか・・・。

続いて大天井(おてんしょう)岳:2922mがその巨体を現した。

有明山の向こうには大きく雲海が広がっている。下界は曇っているのだ。

約1時間27分で合戦小屋到着。ナイスタイムというか突っ込みスギかも。
ここが標高2380mなので早くも高度約920mを稼いだ。

と、先ほど風のようにユキチを追い抜いていった青年がいた!ナント、燕山荘へのボッカのお兄さんだった。ここで荷を積んでまさに出発するところ。ここまで1時間チョイで来たとか。こりゃ〜追い抜かれて当然だ。ユキチの登りを「ガツガツ」と表現すれば、彼の登りは無駄なく「スイスイ」という感じ。見事な「登りっプリ」に感動!で、写真を撮らせてもらった(笑)。お元気で・・・。

荷揚げ用リフトより有明山方面。上空は快晴だ!

さあっ、出発!・・・と、燕山荘への登山道入り口に見事な「赤」が!

ナナカナドの実が見事に真っ赤に染まっていた。

登ってゆくと、ナナカマドの葉が薄く赤に染まりつつある個所がたくさん出てくる。やはり標高2400mを越えると寒いんだな〜・・・。

おおっ!森林限界近くなり視界がいきなり開けた。有明山(2268m)の向こうは雲海が広がっている・・・。

出た〜っ!稜線に飛び出した!大快晴だ〜っ!
燕山荘から燕岳への稜線の上空は紺碧の空。

ここまで中房から4.2k。燕山荘まであと1.3kである。

深い谷を挟んで大天井岳へと続く表銀座縦走路。その奥に見事な槍がみえる。

そして本日のターゲット餓鬼岳(2647m)と、その手前に奇峰、剣吊(2644m)も綺麗に見える。

あまりの好天気にしてやってり!思わず笑顔。

ここから先は花崗岩が露出した砂礫のトレイルが数多く出現する。

燕山荘の直下にはいった・・・。

午前7時55分、標高2710mにある燕山荘に到達!2時間12分でクリアーし、マズマズの入り。ボッカのお兄さんには抜かれたが、おそらくこの日、下(中房)からは最初の到着者。マダ周りは誰もいないので静かだ。

燕山荘前の広場にある名物の石像クン。久しぶりコンニチワ!

こちらも花崗岩のイルカ岩くん。燕山荘脇にある有名なイルカです。

ここで朝食。大快晴、大展望の中、至福の時間でした。以下、燕山荘からの大展望をお楽しみください!

燕山荘から続く北アルプス表銀座縦走路。2008年快速登山(表銀座〜笠)ではこの縦走路を一気に槍まで行きました。

槍ヶ岳(3180m)−望遠撮影

槍への表銀座縦走路のど真ん中に鎮座する大天井(おてんしょう)岳(2922m)。

そして北アルプスの女王と言われる燕(つばくろ)岳(2763m)。左奥には立山(3015m)の台形の頂上部が見える。

パノラマシリーズ。 安曇野方面。有明山(2268m)と大雲海。明日、有明山に登頂する予定だった。

槍・穂高方面。表銀座縦走路の彼方に槍、穂高連峰揃い踏み。

槍から西鎌尾根〜鷲羽岳方面。笠、双六、三俣蓮華、鷲羽。奥にはチラッと黒部五郎も見える。

西鎌尾根の向こうに笠が岳(2898m)―望遠撮影

裏銀座の山々。水晶、野口五郎が綺麗に見える。

燕岳方面

約20分景色を楽しみいよいよ燕岳へ向けGO!

頂上稜線上でもナナカマドの紅葉の「赤」が風景にアクセントをつけてくれていた。奥は燕岳山頂。

花崗岩の王国、それが燕岳。花崗岩の「白」と大快晴の紺碧の「青」のコントラストは得も言えぬ素晴らしさであった・・・。

燕岳(2763m)山頂。9月下旬に、この標高で、この格好は、「疑問視?」でしょうナ(笑)。

山頂よりこれから踏み込む北燕岳方面。まさに花崗岩の王国。そしてここから先は「初めての山域」。気合が入りマス!

北燕岳の稜線上の彼方に三角錐の非常に大きな山が見える。地図上で確認すると針ノ木岳(2821m)に違いない・・・。

燕岳山頂よりの槍。燕山荘よりもさらに北鎌尾根を真正面から見ることができる。残念ながら今日突入する餓鬼岳方面は雲が湧いて視界利かす。このころから安曇野(信州側)から雲が大量に沸き立ち、大快晴なのに視界を閉ざし始めた。

天上沢から垂直に近い形で立ち上がる槍ヶ岳。

山頂で約10分間展望を楽しんだのち北燕岳へGO!

北燕岳山頂。標高もわからないし、道標もなにも何もなかった・・・。

右サイド(安曇野側)の切れた花崗岩の稜線をゆく。高度感があり気持ちいい。

基本的に安曇野側に切られたトレイルを進んでゆく。が、安曇野側からは雲が湧きあがり視界はまったく効かない。残念・・・。

東沢岳への下降点まではこのように信州側に切られたトラバースを細かいUP・DOUNをこなしながら進んでゆく。ガスの中だけどね・・・。

稜線上は左のような花崗岩の急峻な岩峰が連なる。したがって、信州側に切ったトレイルをトラバースしながら、時折このような稜線のコルまで登ったり下りたりしながら進んでゆく。

稜線上にトレイルがある場合は「快適」である。

稜線上からは、双六〜三俣蓮華岳の東斜面から派生し、画像左のピーク硫黄岳(2554m)と湯俣岳(2379m)に挟まれた湯俣谷が真正面から見える。

硫黄岳(左ピーク)から落ち込む尾根が突き当たるところが湯俣谷。西鎌尾根から見下ろすと常に「真っ赤」の見える谷である。その谷に末端に秘境「湯俣温泉」がある。そこに秘湯「晴嵐荘」あり!河原を掘れば露天風呂ができるという秘湯中の秘湯である。いつか必ず行ってそこから「竹村新道」を登ってみたい。

来た!東沢乗越へと下る入口。稜線から右に折れ、マズはハシゴを下る。この下降は北アルプスでは珍しく、高度約500mに及ぶ大下降である。

いや〜、長い。かなり下ってもナカナカつかない。ダケカンバの林を抜け、尾根上の道を一気に駆け下り、針葉樹林帯に突入して下りに下る。このころから左足の人差し指が靴に当たり痛み出した。苦しい下降となる。

おおっ、あれは剣吊(2644m)では?

あれは方角的に唐沢岳(2632m)かな?

正面の視界が開け、東沢岳(2497m)と思われるピークが見える。もうスグ最低コルに着きそうだ。

東沢乗越に遂に到着。やはり高度500m近い下りは簡単には終わらなかった。

コルの道標は年季が入っていて、この山界の静寂さを物語る。燕岳の山頂からここまで、出あった登山者はワズカ1名・・・。

小休止後、東沢岳へ向け約高度250mの登りに突入である。登り初めは熊笹の藪漕ぎ状態。草に付いた露でびしょびしょだ。

その後急登へ。登りの時は靴擦れはなく問題ないので助かる。が、最後の餓鬼からの大下りではどうなることやら・・・。

このあたりも標高2300mくらいから紅葉している。

意外にあっけなく稜線に飛び出した。雲の中で視界はホトンド効かない。出だしのあの快晴はどこにいってしまったのであろうか。

ほどなく東沢岳直下に到達。剣吊(ケンズリ)から餓鬼岳方面は信州側に雲が取り付いて、見えるのは稜線のみ。

左手は視界が効き、船窪岳〜不動岳間の大ガレ場が見える。左下部にはチラっと高瀬湖も見えている。

天候が悪いので東沢岳へは登らず餓鬼岳を目指す。東沢乗越までの下りに苦戦したとはいえ、ここまで標準コースタイムの64%と良好な進行である。

餓鬼岳までの稜線は長い。特に剣吊の通過はどんなになっているか楽しみである。

花崗岩が露出した砂礫のトレイルをゆく。

花崗岩の大きな奇岩が乱立し、通過には思いのほか時間がかかる。

けっこう両サイドが切れ落ちている個所も多いので気が抜けない。切り立った岩場に紅葉した木々がしがみつくように生えている。

おおっ!凄い奇岩だ!

すると必ず花崗岩の岩登り。花崗岩の登攀は表面がザラついているので滑らないから楽である。

ひとつ越えるとまた奇岩帯。その都度UP・DOUNを繰り返しながら進んでゆく。非常に根気のいる稜線歩き。天気が良ければ爽快なんだろうが・・・。

2508mのピークに到達。踏み越えてきたルートを振り返る。時刻はAM11時半、ここで腹が減ったので昼食とした。

すると前方の雲が切れて、剣吊の怪峰の一部が現れた。

う〜む、ナカナカの迫力である。ここから剣吊との最低コルまでグ〜ンと下降しなければならない。

最低コルからは剣吊を避け、左の山裾に入ってゆく。大きく左の斜面を回り込んでゆくようだ。すると、先ほど2508mのピークで確認したガレ場に出た。

お〜、怖わ〜・・・。急斜面で上部から強烈にガレている。いつ落石が来るかワカランところだ。早々に通過する。

トレイルは山腹を大きく巻いて伸びてゆくが、このように巨岩が露出した箇所が多々でてくる。そして左サイドは結構切り立っている。

ここもそうだ・・・。

かなり長く下り気味に山腹を巻いてゆくとヤット登りに転じた。急登りをこなしてゆくと前方に岩塔が見えてきた。剣吊の山頂を巻いていよいよ稜線に復帰できそうである。

森林を抜け出して岩稜にでた。あの梯子を登れば稜線だ!

梯子を登っていると左手に野口五郎岳(2924m)から三ツ岳へ連なる裏銀座の稜線が綺麗に見えた。

出た〜!花崗岩の奇岩が続く稜線の向こうに目指す餓鬼岳(2647m)が現れた。

あれは烏帽子岳(2628m)だな・・・。

<<<画像の上にマウスポインターを乗せると画像が切り替わります。

そして餓鬼岳から派生する尾根の先端に唐沢岳(2632m)も雲間から山頂をのぞかせていた。

稜線はナイフリッジなので、ふたたび左サイドの斜面にトレイルが伸びてゆく。

梯子やクサリがしっかりとついているが、ナカナカの高度感。

左サイドがスッパリ切れ落ち、下に紅葉を見ながら天空のトレイルをゆくようである。

燕岳から二人目の登山者とすれ違う。まさにココは雲上のフィールドアスレティックコースである。

アスレティックコースを抜けるといよいよ餓鬼岳の頂上直下。山頂部が目じかに見える。
もう少し・・・。

<<<画像の上にマウスポインターを乗せると画像が切り替わります。

あとはなだらかなトレイルを進んでゆくだけ・・・。

振り返ると、いまだ剣吊本峰は雲の中である・・・。

餓鬼岳小屋到着。頂上直下に建つ山小屋。
いや〜、東沢岳から2時間40分強もかかってしまった。標準タイムとたいして変わらない。

しばし小屋の前で休息していると雲が一瞬取れて、剣吊(2508m)の岩峰が少しだけ見えた。(望遠撮影)

それでは餓鬼岳の登頂に向かいましょう!あの上、もうすぐそこです。

餓鬼岳(2647m)山頂。祝、初登頂!日本200名山のひとつである。

山頂からは、裏銀座方面の峰々が見渡せた。山頂は縦長に平たくて広い。

唐沢岳へと続く稜線。その彼方に烏帽子岳と南沢岳。

剣吊方面は信州側が雲で埋まり、さながら大きな煙突のように雲が湧きあがっていた。

驚いたことに大勢の登山者が登ってきた。餓鬼岳は人気のない山というのはウソかも。山頂で順番待ちの登頂写真撮影会が始まってしまった。(笑)ご覧のように信州側はまったく視界なし。

一気に騒々しくなったので下山開始。直下の餓鬼岳小屋へ下る。ホントスグ下。

小屋の脇に本日の下山ルートである白沢への下降口がある。
山頂から白沢三股の登山口までは高度1654mの大下降。さらにそこから約8k走って大糸線の信濃常盤の駅を目指すのである。GO!

マズは標高2079mの大凪山(おおなぎやま)へ向け、紅葉の始まった尾根を下ってゆく。しかし参った。左足の人差し指がシューズの上部に当たり下りだと痛い。下れば下るほど擦れて痛みが増してくる・・・。

ダケカンバの森に突入!まだダケカンバの紅葉は始まっていない。

森全体がやや黄色くなり始めている。最盛期には一面まっ黄色に染まることだろう・・・。このあたりはダケガンバの森の中をジグザグに下降してゆく。「百曲り」といわれるトレイルである。

やっと大凪山に到達。標高約600m下ったが、1時間10分もかかる。靴擦れの痛みがキツク、駆け下れないのである。おまけに変な体制で木の根に乗ってスベリ大転倒。転倒時の受け身の際、右手の薬指を根の間に突っ込み思いっきり突き指した。折れずに良かった(汗)。痛みと辛さで戦意喪失状態・・・。

大凪山で足の指にポケットティッシューを巻きつける応急処置を行い出発。痛みは軽減したが、位置がずれるたびに立ち止まり靴を脱いで定位置に巻きつけるので時間がかかる。ヨロヨロと力なく下ると視界が開け信濃大町の街並みが見えた。あ〜・・・、まだあんなに下か・・・。

途中やばいガレ場があった。

上部のガレ沢からいつ落石してもおかしくないほど崩壊していて危険だ。浮石も多く、登山者がたくさん入ったら危ない。まったくスポードが出せず、ノロノロと恐る恐る下るありさま・・・。

最終水場に到着。もう標準タイムと変わらない進行。午後4時を回り夕刻が近づいてくる。本来ならこの時刻には下山完了の予定であった。なんとか暗くなる前に林道へ出たい・・・。

ところがここからが厳しかった。沢筋のスーパーアスレティックコースが始まったのである。橋やハシゴは多々あり、白沢は荒れ沢なので沢から高巻きする個所がガンガンある。

魚止めの滝。

白沢の豪快な流れに沿いながら高巻きしたり、橋、ハシゴ、固定ロープを使いながら下る。ゴルジェ帯(沢の流れの両岸に狭く垂直に近い岩壁が迫った地形で、特に狭いもの)も登場し、滑ったら谷底の水路に転落し「さようなら」。元気な時だったら楽しめるのであるが、今は最悪。必死に下った。なので、撮影する余裕なし。

ふい〜っ、午後5時をまわり遂に白沢三股の登山口に到達した。後半はホトンド標準コースタイムと変わらない進行。あ〜、しんどかった・・・。 駅まで8kの道を走り出したが、途中で携帯が通じるようになり思わずタクシーを呼んでしまった。約3k走ったところでタクシーが来て登山終了となりました。

松本に宿泊した翌日、本当は日本200名山で信濃富士とよばれる有明山(2268m)に登る予定であったが、靴擦が痛くてパス。早々に帰京することにした。が、「やはり温泉には行かないと」ということで以前から目をつけていた東御市の温泉へ。東部湯の丸インターを下りて約8k車を走らせると、アートビレッジ(芸術村)にある明神池が見えてきた。

ここが明神館さん。

エントランスもいい感じ・・・。ここには温泉とともに宿泊施設もある。

突入〜!内風呂はこんな感じ。露天はどこだ〜???

脇にこんなおしゃれな露天への通路が・・・。

おおっ!い〜いね〜っ!

泉温:56.2℃。加水、加熱なしの源泉かけ流し。い〜お湯です。

露天風呂からは浅間山の雄姿が望め、眼下には信州ののどかな農村風景が広がります。

浅間山の山頂部が雲間からチラッと見えた・・・。

いや〜、予想通りの素晴らしい温泉でした。極楽、極楽!
これにて報告おわります。最後までご覧くださいまして、ありがとうございました。

■この快速登山に対する感想をお聞かせください。
感動した 面白かった 普通 つまらない