走る 魂の社労士 ユキチの 快 速 登 山 ウルトラ・スーパークロスカントリー

2010 南アルプス
      悪沢岳〜赤石岳〜聖岳〜光岳:南アルプス南部全山完登(途中敗退)

 2010の快速登山 第三弾は
   南アルプス南部全山(悪沢岳・赤石岳・聖岳・光岳)を2泊3日で完全踏破!

日本アルプスを快速で縦走するウルトラ・スーパークロスカントリー「快速登山」。一応第1クールとしては日本アルプス(北・中央・南アルプス)の100名山を完全踏破することを目標としてきたが、いよいよ最終地にたどり着いた。

それが南アルプス南部、いわゆる赤石山脈である。ここには深山中の深山(アプローチにまる1日かかる)であるばかりでなく、登頂するには高度2000m以上稼がねば到達できない巨大な3000m級の百名山が3つ存在するのである。

荒川三山の東岳:別名・悪沢岳(3141m)、赤石岳(3120m)、聖岳(3013m)。この3つの巨峰がそれである。

 悪沢・赤石・聖に加えて最南端の光岳(2591m)まで2泊3日でやってしまおう!

普通は考えられないプランが「快速登山」の真骨頂!今シーズンメインのお盆の山行はこれに決まった!実はこのプラン、昨年企画したのだが、出発しようとしたら静岡地方に大きな地震が発生し、交通が遮断され中止になってしまったプランなのでありました。

 今年こそは絶対にやってやる!

強烈に気合が入り、お盆休みに突入したのでありますが、ど〜にも天候がよろしくない。ジダンダを踏む思いで毎日天候の回復を待ちました。しかし、遂にいたたまれなくなり、8月10日(火)に台風が接近してくるにもかかわらず、早朝から車を畑薙第一ダムに向け走らせたのでありました。

果たしてどうなりましたことやら・・・。

 

■プロローグ(前日:8月10日)

 朝5時に埼玉所沢を出発し、環状8号、用賀より東名に乗り静岡で下りる。静岡市街から北に向かい県道27号を走る。さらに189号、60号の曲がりくねった山岳道路を約2時間飛ばしトンネルを抜けると・・・。
 井川ダムにようやく到着した・・・。なんとも奥深いところである。
 井川ダムは、中部電力が5年の歳月をかけて1957年に竣工した堤高103.6mの日本初の中空重力式コンクリートダムである。堤体内部が空洞となっており、内部が空洞である為当時高価だったコンクリートの量を抑える事が出来、かつ基礎地盤との接地面を広く取れる事から経済性と安定性に優れる型式で、このダムの完成以降中空重力ダムは全国的に施工が行われた。
 井川湖が広がっている。ここからさらに上流約20kほどのところに畑薙第一ダムがあり、その手前に東海フォレストのバス乗り場がある。
 13時46分、東海フォレストの椹島ゆきのバス停にようやく到着。駐車場にはすでに100台ほどの車があった。その時運悪く雷雨となり、土砂降りの雨を食らった。豪雨の中、14時30分発のバスに飛び乗ったのでありました。
 約1時間、マイクロバスに振られ、15時30分、遂に椹島ロッジに到着した。朝、家を出たのが6時なので、ベースに入るのにホント丸1日かかった。
 う〜む、思ったより開けており、カナリ大きな登山基地である。
 ナカナカよいところだ・・・。もちろん風呂もある。
 午後5時には夕食。がっちり食って、明日の天候を祈り7時には寝たのでありました。

 

■8月11日 椹島(サワラジマ)〜千枚小屋〜千枚岳〜東岳(悪沢岳)〜中岳〜荒川小屋

▼ 記録

椹島ロッジ
→2:53:47→
見晴台(休憩17:32)見晴台
2:53:47       3:11:19
→1:09:46→
千枚小屋(休憩11:27)千枚小屋
4:21:05         4:32:32
→28:16→
千枚岳
5:00:48
→1:00:42→
悪沢岳(休憩20:07)悪沢岳
6:01:30       6:21:37
→58:41→
中岳(休憩9:32)中岳
7:20:18      7:29:50
→41:17→
荒川小屋 (台風接近のよる風雨強く百間洞を諦める)
8:11:07

昭文社:山と高原地図 標準コースタイム:12:00:00  標準タイムの68%で完踏

 

 朝3時30分起床。小雨の降る中、4時ジャストに暗闇の中をひとりで出発した。椹島が標高1123mなので悪沢岳山頂までは高度2018m、距離約12kを踏破しなければならない。

 千枚小屋経由荒川岳への登山口を無事発見。まっ暗闇の中、獣と化して突き進む。
 深い森の中をひたすら登り進むのでいっこうに明るくならない。

 5時をスギてようやく明るくなりライトをしまった。
 とにかく単調な深い森の中をひたすら進むと前方が急に開けてきた・・・。
 大きな岩の間を抜けてゆく・・・。ここが小石下というところか?
 おおっ!前方の霧が一瞬取れ、朝日の当たる稜線が見えた!これは上は晴れているゾ!
 登山道の整備は素晴らしく、登りやすい・・・。
 このようなシラビソの原生林の中を延々と登ってゆく。とにかく長い。
 蕨段を通過しいよいよ見晴台が近づいてきた。木々が低くなり見通しが利きだすと同時に朝もやも上がってゆく・・・。
  見晴台にやっと到達!非常に長く2:53:47もかかってしまった。

 予想どおり山の上は晴れており、荒川岳と赤石岳のコルにある荒川小屋がハッキリ見える!

画像の上にマウスポインターを乗せると画像が切り替わります。
 雲が取れ、正面に赤石岳(3120m),左奥に聖岳(3013m)がど〜んと現れた。うお〜っ、ホントでかい山だ!
 さらに右手には悪沢岳(3141m)、右に続く稜線の端に千枚岳(2880m)。
 いよいよ千枚小屋に向けて前進である。トレイルはシラビソの原生林の中をこのように幅広くまっすぐ伸びてゆく。
 小屋まであと15分の表示が出た。もうすぐだ・・・。
 突如、大きなお花畑に飛び出す。ウサギギクの黄色い花とオオハナウドの白い花が咲き誇っている。
 そのお花畑の中の急坂を詰めてゆくと分岐が・・・。
 ふと左手前方を見るとそこに千枚小屋が現れた。
 千枚小屋到着!タイム的にはスタートより4:32:32とコースタイムの67%を要してしまいガックシ・・・。
 まさにお花畑の中に山小屋ある感じである。ここが標高2610mであるから椹島より高度1487mを既に稼いだ計算である。
 小屋で水を補給し休憩した後、ふたたびお花畑の中へもどり千枚岳を目指す。
 お花畑の中のジグサグの急登をグイグイ登ってゆく。
 相変わらず、ウサギギクとオオハナウドの大お花畑がず〜っと続く。
 お花畑を通過すると樹木が低くなり、いよいよ森林限界を超えそうである。
 富士山が顔を出した。

画像の上にマウスポインターを乗せると画像が切り替わります。
 いよいよ森林限界を抜ける。
稜線に飛び出した!千枚岳まで200mの地点である。 
 しかし時既に遅し!赤石、聖方面はすでに雲で覆われていた・・・。
 千枚岳(2880m)山頂!残念ながら雲の中・・・。
 山頂を通過しスグの荒川東岳、通称:悪沢岳(3141m)へ向かう。こちらもすでに雲に覆われていた。
 丸山(3032m)に向け、マズは最低コルまで降りてゆく。
 トラバースに入るとお花畑がトレイルの両サイドに展開していた。
 この紫色の花はタカネマツムシソウであろうか・・・。群落となって咲き乱れている。
 こちらも・・
 南斜面に大お花畑が形成されている・・・。
 お花畑のトラバース、光が当たると一段と輝くであろうに・・・。
 振り返ると千枚岳(2880m)の山頂部がハッキリ見えた。
 丸山への広大な斜面を登る・・・。
 大斜面を回り込むように山頂へと進んで行く。
 丸山山頂(3032m)より悪沢岳方面。晴れていれば快適な3000mの稜線なのだが・・・。ガスに覆われ誠に残念。
 尾根を詰めてゆくと大きな岩がゴツゴツでたトレイルになってくる。
 涸れ沢沿いに岩が重なり合っているトレイルを行く。
 荒れた沢を持つため悪沢岳という通称がついたそうだが、確かに山頂まで続くこの荒れた荒涼とした岩稜はその「悪沢」というイメージをいっそう掻き立てる。
 頂上直下の荒れ沢を登る。もうすぐ山頂だ。
 おおっ!あれが山頂だ!
 悪沢岳(3141m)山頂到達!日本第6位の高峰にして南アルプス南部の最高峰である。残念ながら雲の中で視界0であった。
 約20分山頂で休憩した後、荒川中岳(3083m)に向け出発。前方の視界は約100mくらい。トホホホ・・・。
 やはり大きなUP・DOUNがあるようだ。
 たまに上空から薄日が射すのだが雲はまったく取れる気配なし。
 ときたまこの様に視界が開けることもあるのだが・・・。
 いよいよ山頂が近づいてきたようである。
 荒涼とした大斜面の岩や石の脇に黄色い花があちらこちらと咲いている。
 おおっ、見えた!中岳非難小屋。あのちょっと先が山頂である。
 荒川中岳(3083m)山頂!完全に雲の中である。
 道標の脇に三角点。ここも三等であった。早々に山頂を後にする。
 たくさんのザックがデポしてある。ここにザックを置いて荒川前岳(3068m)のピークをピストンしているのであろう。
 前岳に行ってもしょうがないので左に下り、荒川小屋へ急ぐ。
 荒川岳の南の大斜面に突入!荒川小屋まで一気に高度約500m下るのである。 このあたりは素晴らしい大お花畑だが、光が射さないので非常に残念。
 大斜面をガンガン下ること約40分。鞍部に到達し豪快な下りは終了。荒川小屋まであと700mである。
 なだらかに下ってゆくと森の向こうに荒川小屋の赤い屋根が見えた。
 荒川小屋到着。風雨が強くなってきており、非常に迷ったがここで前進中止!

 計画では百間洞山の家まで行く予定であった。体力的にも時間的にも余裕であったが、今日の夜に台風がスピードを上げ、それながら通過してくれれば、明日は赤石岳・聖岳を快晴にもと登れるかと思ったのである。しかし、ここでストップしたので光岳へは到達することは不可能となってしまった。
 ナカナカ快適な山小屋である。
 18番のねぐらが与えられた。そんなに混んでおらずゆったりと寝られそうであった。
 あまりに早く登山を終えてしまったので午後1時からビールである。その後は昼寝・・・。
 16時には早くも夕飯。カレーが食べ放題で、思わず2皿半食ってしまった(笑)。
 夕方17時30分スギ。急に天候が回復し、ガスが取れて山々が姿を見せ始めた。
 小屋の正面に青空が覗き、今日登ってきた尾根がハッキリと見えるようになった。
 赤石岳の尾根にも光が当たった・・・。
 踏み越えてきた荒川岳もうっすらではあるが雲をなびかせ姿を現してくれた。

画像の上にマウスポインターを乗せると画像が切り替わります。
 千枚岳の山頂部の稜線にも光ガ当たって綺麗だ!しばらく展望を楽しんだ後、明日の天候回復を祈り19時に床に入ったのでありました。

 

■8月12日 荒川小屋〜赤石岳〜百間洞山の家(台風上陸による暴風雨中の行動)

▼ 記録

荒川小屋
→1:32:50→
赤石岳(休憩1:20:48非難小屋に待機)赤石岳
1:32:50                  2:53:38
→→
→1:24:55→
百間洞山の家 (台風接近による暴風雨中、聖岳を踏破するため最低限の前進)
4:18:33
 翌朝、天候はOUT!ガックシ。昨日にも増して風雨が強く、時より突風が吹いていた。台風はそれるどころか日本海沿岸を北上、スピードも上がらず今日はメイッパイ台風の影響下に。
 寒暖計も12℃を指し、気温も急激に低下。通常はこんな時には停滞が基本である。しかし、今日ココで停滞したら明日下山しなければならないので、聖岳まで登頂を諦めねばならない・・・。う〜む・・・。
 というわけで、昨日の宿泊予定地であった百間洞山の家まで根性で移動することにした。時間が経つほど天候は悪化しそうだったので、午前5時45分に失意のうちに風雨の強まる中、小屋を出発した。
 いきなり急登となる。振り返ると荒川小屋があんなに下になった。
 強烈な風の中を飛ばす。この大聖寺平へのトレイルは晴れていれば非常に快適なトレイルであろうに・・・。
 大聖寺平に到達!ここから小赤石(3081m)への急登が始まる。荒川小屋から赤石岳山頂までは高度510mも稼がねばならない。
 ガレた急斜面をグイグイと登ってゆく。風に負けじと気合を入れて登った。
 風雨にさらされながらも岩陰にイワギキョウが咲いていた・・・。
 小赤石岳(3081m)山頂。風が強くてとても三脚が使えない・・・。早々に先を急ぐ。
 少し下ったところで小赤石岳を振り返ると、かろうじて山の輪郭を見ることができた。
 一瞬、風で雲が吹き飛んで前方の視界が開けた!あの奥が山頂に違いない!
 頂上直下に入ったと思われる。左前方に雪渓が見える。
 赤石岳(3120m)山頂!時刻は午前7時29分、コースタイム3時間のところ1:32:50でカバーした。強烈な風が吹き荒れ飛ばされそうである。たまたま2人の登山者の方とほぼ同時に登頂したので、シャッターを押してもらった。助かった〜。貴重な山頂写真である。
 赤石岳の三角点。これは立派なので一等三角であろう・・・。
 いちおう何も見えなかったが「荒れ狂う山頂」を撮っておいた。台風の暴風雨の中、3000m峰の登頂をしたのは始めてである。この後、たまらず山頂直下の非難小屋に逃げ込んだ。
 小屋に入ると、ナント!TJAR(トランスジャパンアルプスレース)の選手がいた。ゼッケン7番:駒井選手、現在3位の位置。何かやっておるゾ?
 台風の風雨対策として、グランドシートを切って鎧のようなものを作っている。
 その上に雨具を被せ完了!完璧な風雨対策であった。おみごと!
 笑顔を振りまきつつ、暴風雨の中に戻っていった。流石にTJAR参加者は屈強である。大いに感心!ここからの馬の背を始め、聖までは吹きっさらし。苦しいがかんばってもらいたい。(駒井選手は第3位、5日と23時間20分で見事完走されました。)
 非難小屋で約1時間20分ほど休憩したのち出発!雨とともに強風で小石が吹き飛んできて顔にあたり痛い。

 強風の吹きさらす馬の背を行く。天気が良ければ最高のトレイルなのだが・・・。
 トレイルは水浸しで非常に歩きにくい。
 百間平に到着。風雨強く先を急ぐ。
 百間平から下降を続けると、見えた!あれが百間洞山の家だ!
 沢は水量が増して激流が流れ、登山道も水が溢れかえり沢のようになっている。もう靴はグチョグチョに濡れてしまった。
 百間洞山の家接近!小屋の脇の沢も激流が駆け下っていた。
 到着!赤石からの下りは1:24:55でカバー。コースタイムの54%で到達した。

 あーあっ、こんなことなら昨日ここまで来ておけばよかった・・・。
 午前10時には行動が終わってしまったので、ストーブで濡れたものを乾かしてから、昼からビールとなりました(笑)。
 この小屋の名物はこのトンカツ。山小屋でこんなに分厚くておいしいトンカツを食えるとは!しかも、揚げたてを出してくれる! いいすよ!百間洞山の家。

 

■8月13日 百間洞山の家〜兎岳〜聖岳〜聖平〜椹島ロッジ

▼ 記録

百間洞山の家
→1:01:21→
中盛丸山
1:01:21
→1:15:55→
兎岳
2:17:16
→1:42:51→
聖岳(休憩8:49)聖岳
4:00:07    4:08:56
→25:59→
小聖岳
4:34:55
→37:18→
聖平小屋(休憩12:54)聖平小屋
5:12:13         5:25:07
→2:08:05→
聖沢吊橋
7:33:12
→39:59→
聖岳登山口
8:13:11
→26:07→
椹島ロッジ
8:39:18

昭文社:山と高原地図 標準コースタイム:12:35:00  標準タイムの69%で完踏

 午前3時45分出発。台風一過の晴天を期待してたが、空には大きな雲が出ている。ついてネ〜な〜。ガックシ・・・。

 闇夜の中、イキナリの急登をこなすと大沢岳と中盛丸山の鞍部に出た。時刻は4時半に近く、もう明るくなってよいのだが、黒いカーテンのような雲が山全体にさーっと降りてしまい光を感じない・・・。
 中盛丸山(2807m)への登りの途中、やや明るくなってきた。

 山頂では暗くて何もみえないので、そのまま通過した。
 5時をすぎてようやく明るくなる。兎岳への稜線を飛ばす。ハイマツ帯の中のトレイルが続くが、細かいUP・DOUNがあってナカナカ手強い。
 兎岳(2818m)山頂! 雲の中。正面にドでかい聖岳が豪快に見えるところなので誠に残念。
 早々に山頂を後にし、いよいよ聖岳へと向かう。ここは頂上直下の兎岳非難小屋付近である。ここからは基本的には痩せ尾根が続く。
 午前6時20分。痩せ尾根に入る前に朝飯とした。百間洞山の家で作ってもらった弁当を広げる。マズは腹ごしらえである。
 右サイドが切れ落ちている痩せ尾根を進んでゆく。
 尾根の草むらの中に可憐な花が咲いていた・・・。
 痩せ尾根を終え、いよいよここから本峰に取り付く。
 右手に岩壁。その上に稜線が伸びてゆく・・・。
 ひたすら急登にあえいで稜線に到達すると、右上空にポッカリ青空が!もしやこれは晴れ上がるかもしれない!
 右手の尾根の向こうに青空が広がってきた・・・。やっと景色を見ることができるかもしれない。期待が高まる。
 それにしても大きな山だ。山頂がどのあたりにあるのか全然わからない。
 兎岳方面を振り返るとガスが切れ、今踏み越えてきた痩せた稜線を見ることができた。
 あれが山頂部か!いよいよ山が見えてきた。右サイドは晴れてきているのだが、左サイドは雲が取れない。
 本日初めて登山者とすれ違った。振り返ると豪快な尾根を登っていることがわかる。百間から来たと言ったら「早い、早い」と驚いていた。
 晴れ上がりそうで晴れない。このような時は、山腹を巻く雲が一斉に上昇を開始するのだが、そのような気流の変化は感じられない・・・。
 山頂部かと思われたところは違った。その上にまだ巨大な山塊があった。
 雲間から薄日が差し込む大斜面をひたすら進む。聖岳はほんとうにスケールの大きな山であることを実感する。
 さらにいくつかの小ピーク越えると・・・。おおっ、あれだ!遂に山頂と思われるピークが現れた。
 頂上直下。山頂の道標が見える・・・。
 聖岳(3013m)山頂!日本最南端の3000m峰である。百間洞から2:17:16を要してしまった。
 三角点を踏む。百間洞山の家から、UP・DOUNの激しい稜線を中盛丸山、兎岳のピークを越え、高度約450m稼いでの到達である。
 奥聖岳(2978m)方面の視界無し。奥聖へはコースタイムで25分、すばらしいお花畑が広がっているらしいが本日はパスすることにした。
 残念ながら晴れずに山頂は視界ゼロ。南方面も何も見えない。
 非常に風が強く寒かったので9分程滞在して聖平方面に向けて早々に下山する。
 聖岳の南面の超大斜面を駆け下る。聖平小屋まで標高で753mの大下降である。
 わずか26:59で小聖岳(2662m)に到達。早くも高度で350m駆け下った。
 さらにハイマツ帯を飛ばす・・・。
 森林限界を過ぎ、森の中に突入する。どうやらお花畑がある・・・。
 これはミヤマアキノキリンソウという花ですかね?
 お花畑の中の快適なトレイルを飛ばす・・・。
 見渡すかぎりお花畑である。
 こちらも・・・
 鮮やかなパープルの花が印象的でした・・・。
 薊畑の分岐。もうすぐ聖平だ・・・。
 聖平到着。天候はまったく好転せず相変わらずガスの中。予定としてはここから上河内岳(2803m)に登頂し、さらに茶臼岳を登り横窪沢を下山するつもりであったが、この天候では意味が無いと思い聖沢を下山することにした。
 聖平を行く。晴れていれば正面に聖岳が見え素晴らしい所である。
 聖平小屋到着。
 これにて下山決定。本来であればここから上河内岳、茶臼岳、光岳をこなして下山する予定であったが、天候のため大幅な敗退となってしまった。
 そうと決まれば速攻で下山だ!12時のバスに間見合うかもしれない。

 ということで聖沢沿いに下降を開始する。
 なかなかスリリングな出だし。高度約1150m、距離約10kの長大な下降ルートの始まり始まり〜。
 いつしか聖沢があんなに下になった。深く相当に荒れる沢なので、右サイドを大きく高巻いて下降ルートが作られている。
 すばらしい滝があった。滝見台が設置されており鑑賞することができる。
 右の滝
 左の滝
 斜面を大きくトラバースしてガンガン下ってゆく。このころからポツリポツリと登ってくる登山者に出会うようになった。
 登山道は非常に整備されていて、右サイドが切れているようなところにはこのような吊橋もある。
 なだらかのトレイルを延々と下り続ける。カナリ飽きてきた・・・。
 クマがでるらしい・・・。
 聖沢の吊橋に到達!やっと着いた。雨がかなり降ったため、激流になっている。
 苦節2:48:04、聖岳登山口に無事下山した。しかし長かった・・・。
 しかしマダマダ!ここから林道を椹島ロッジまで走らねばならない。気合を入れて走り出す!
 12時24分、椹島ロッジのバス停に到着!今回の登山は終了した。
 12時30分発の臨時便があるというので飛び乗った。
 途中で運転手さんが林道から赤石岳の見える所でバスを停めてくれた。ここからしか見えないのだという。なんとも皮肉なコトだが、下山して初めてまともに赤石岳を見ることができた。
 畑薙のバス停に戻って来た。これから本格的なお盆の登山シーズンなのでたくさんの登山客が行列を作りバスを待っていた。
 駐車場もホボ満杯である・・・。
 とにかく終わった。やはり天候の悪い時は入山しない方が良かった。来年またリベンジしにここにやって来ることを誓い、車に乗り込んだのでありました。
 すぐ近くに温泉があった。井川村が運営する温泉である。
 ナカナカの露天がある
 目の前の風景もイイネ〜!
 温泉にゆっくり浸かりマズはお疲れさんでした。途中敗退したものの、悪沢・赤石・聖の3000mはピークハントできたのでまあ良しとしよう。

■この快速登山に対する感想をお聞かせください。
  感動した 面白かった 普通 つまらない 

    

 

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