第4回 渋谷 「駒形どぜう」 どぜう料理

 第4回目は、以前から達人に「おいしいから行ってみろ!」と言われていた「どぜう料理」。生まれて一度も本格的な「どぜう料理」を食べたことがなく、おいしそうもないと思っていたのだが・・・。

 達人いわく「いや、本当にうまいよ!酒飲みには最高だよ!」と畳み掛けられた。じゃ〜行ってみるかということで紹介していただいたのが「駒形どぜう」。本店は浅草にあり200年の歴史を誇る名店。しかし、本店は入れ込み方式の座敷なので、渋谷の支店のほうが食べやすいとのこと。

 で、渋谷の「駒形どぜう」さんに行くことにした。やはり達人がいないと心細いのである。本店には次回に連れて行ってもらうことにして、初心者は渋谷支店より「どせう料理」に足を踏み入れることに・・・。おいしさは達人のお墨付き。早速予約を入れ、期待を胸にお店へと向かったのでありました。

達人のお告げ
 創業は1801年。実に200年の歴史と伝統を誇る「どぜう料理」の老舗。 さてさて、最高の「どぜう料理」を酒をあおりながら喰らうべし!
第一条、 鰻は初夏か秋口。真夏の暑いときはどぜうを喰らうべし!
第二条、 鍋で熱燗を飲むべし。柳川はめしを喰らうものなり。鍋は丸を喰らうべし!
第三条、 抜きは女子供の食い物なり。丸には山盛りの葱をのせるべし!
第四条、 香り付けは七色と山椒、丸に熱燗、〆にはどぜう汁。江戸の甘味祖を楽しむべし!

注釈
(1)そもそも「どぜう鍋(どじょう鍋)」とはどんな鍋なのか分からない方が多いと思うので説明を。マズ、生きたドジョウを酒に入れてすぐ蓋をする。最初はムチャクチャ暴れるが、やがておとなしくなったところで小さな薄い鉄鍋に並べる。甘辛い割り下を注ぎ、炭火で煮込む。最後にネギを大量に乗せ、山椒や七味唐辛子かけて食べる。このような鍋である。

(2)「丸」とか「抜き」という言葉が登場するが、これは「どぜう鍋(どじょう鍋)」に入れるドジョウの状態で2つの鍋があることを意味している。「丸鍋」(あるいは単に「丸(まる)」)と呼ばれるのは、ドジョウを丸ごと煮込む本来の鍋の食べ方。もうひとつは、小骨や頭が気になる人のために背開きにして骨と頭を取り除いた「抜き」という鍋である。ちなみにこれをゴボウと共に卵とじにしたものが柳川鍋で人気が高い。

  さあっ、お店へ突入で〜す!

■ 実況中継

渋谷駅から徒歩約3分。レンガビルの4Fに駒形どぜう渋谷店はある。伝統の暖簾が歴史を感じさせる。

店内はこんな感じ。ドジョウを「どぜう」と表記するようになったのは、駒形どぜうの初代当主"越後屋助七"の発案であるというのが定説らしい。

ドジョウは泥鰌、鰌と書き、旧かなづかいでは「どぢやう」あるいは「どじやう」が正しいが、四文字では縁起が悪く、三枚ののれんに書けないという理由から、発音の近い「どぜう」の文字を使用したとされている。駒形どぜうは享和元年(1801年頃)の創業で、「どぜう」の表記は文化3年(1806年)から用いるようになったというから長い歴史をもっているワケだ。

マズは珍味「どぜうくりから揚げ:500円」である。

ドジョウの背骨をカリっと揚げたもので、ビールのツマミに最高であった(笑)。

続いて「どぜう唐揚:750円」

やはり土臭い感じはするのだが、味わったことのない苦味の中に深い甘味があり病み付きになりそうな美味しさである。

さ〜て「どぜう鍋」に突入である。達人のお告げでは「女子供の食い物なり」とあるが、初心者の我々はマズは「抜き(注釈参照)」からいただくことに。来たぞ〜!

これが「抜き」。メニューには「どぜうさきなべ:1650円」となっている。どうやら「抜き」あるいは「裂き」というらしい。まさに小骨や頭を取り除き、背開きにして秘伝の割下に浸けられて出てきた!

テーブルの脇にはネギ、山椒、七味唐辛子の入った小箱が置いてある。ちなみにネギはお替わり自由!なんぼでも追加可能である!

煮詰めたら最後にネギをたっぷリと降りかける!

お告げにしたがい、早くも日本酒熱燗体制に入っている!熱燗がたっぷり入った木製酒器。香りがいい〜・・・。

お猪口も2種類出てくる。通常のグイ飲みと珍しい平型のお猪口。これは珍しい!

どぜう料理はどうやらこの平型のお猪口で飲むのが粋らしい。なんか江戸時代に行った感じで気持ちよくなりガンガン飲んでしまう(笑)。

できた〜!マズは「抜き」からいただきま〜す!

うお〜っ!うんめいっ!秘伝の割下の絶妙な甘辛さがどぜうの独特の泥臭い甘さを引き立て、そこにネギのピリッとした辛さと甘さがかぶさる。こりゃ〜酒飲みには最高だ〜!

ここでダシ巻き卵も食してみる。ユキチは大の卵好きなのである。これもトロトロで素晴らしいお味・・・。さすが!

さらに「どぜうの蒲焼:1550円」を注文した。2串ついて出てくる。濃厚でうまそ〜!涎がでそうである(笑)。

いただきま〜す!

うほ〜っ・・・、し・あ・わ・せ

いよいよここで男の鍋「丸」を注文した!

確かにドジョウが丸ごと投入されている!やはり「抜き」に比べると、ボリューム感もあり迫力のアル「鍋」である。

ほれこの通り!丸まるそのまま入っております。

煮えたゾ〜!またしても、たっぷりネギをかけ、さらにささがき牛蒡を上乗せして「いたたきま〜す!」

ん〜っ、うんめいっ!

最後は「柳川:1500円」だ〜!

も〜、も〜見るからに旨そう!

いただきま〜す!

はフハひっ〜!うんめい!最高!

お告げどおり〆は「どぜう汁:350円」

この汁は、江戸甘味噌の「ちくま」を使い、鍋同様酒を飲ませた泥鰌に牛蒡をあしらいます。江戸時代から代々舌で伝えられてきた味だそうで、非常に濃厚で何ともいえない癖になる味。通はこの汁でご飯を食べるそうですが、今回は腹がイッパイで無理でした(笑)。

■ 食後の感想

「こりゃ〜、酒飲みに最高だ〜!食い放題の葱をツマミに死ぬほど飲めるゾ!」

 参加した酒飲みたち全員がガッツポーズするほど「丸に降りかけた葱」の日本酒熱燗に合うこと!どぜう、おいしいです!ちょっと泥くさいところがまた酒に抜群に合う!参りました!

 ツイツイ飲みすぎて帰路ではチドってました(笑)。もう大満足のどぜう料理でした!

 またしても、新しいおいしいものを食することができました!達人ありがとうございます!またよろしく!

駒形どぜう(渋谷店)
渋谷区道玄坂1-5-9 レンガビル4F
03-3355-5801

<営業時間>
11:30〜22:30
(日・祝11:30〜21:30)
年中無休(12/31〜1/2休業)

<最寄駅>
JR渋谷駅 徒歩3分

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