2009の快速登山。ターゲットは南アルプス!
04年から始まった「快速登山」であるが、北アルプスの100名山はすべて完登、すべての山域に足を踏み入れた。今年からは、遂に「南アルプス」に突入だ!北アルプスに比べ断然山が大きく、雄大・・・。3000m峰が連なる巨大山脈「南アルプス」にチャレンジである。
南アルプスは大きく山域を2つに分けると「北部」と「南部」にわけることができる。
よ〜し!マズは北部全山を2泊3日で一気に縦走だ!
ターゲットは鳳凰山(2764m)、甲斐駒ケ岳(2967m)、仙丈ケ岳(3033m)、北岳(3192m)、間ノ岳(3189m)の5つの百名山。これをナント、2泊3日で終わらせるのだ!
登山口は夜叉神峠に決めた。そして計画は以下のようなものになった。
1日目:夜叉神峠〜杖立峠〜薬師岳〜観音岳〜地蔵岳〜〜アサヨ峰〜北沢峠(標準時間17:55:00)
2日目:北沢峠〜甲斐駒ケ岳(ピストン)〜北沢峠〜〜仙丈ケ岳〜両叉小屋(標準時間16:45:00)
3日目:両俣小屋〜北岳〜間ノ岳〜農鳥岳〜奈良田温泉(標準時間17:20:00)
う〜む、各日の標準時間も18時間を超える日もなく、素晴らしいプランだ!決まり〜!
8月のお盆や休みは「南部」の縦走に使うので、7月の三連休に実施した。しかし、天候は最悪!さらに思わぬアクシデントが襲ったのでありました・・・。
昭文社:山と高原地図 標準コースタイム:13:10:00 標準タイムの74%で完走
AM4時半、愛車メルセデスAクンと夜叉神の森に到着した。 駐車場にはすでに多くの車があった。今、雨は上がっている・・・。 |
しかし、空には厚い雲がかかっている。どうなることやら・・・。 |
ここが登山道入口。標高は1380mである。 |
4時40分、夜叉神峠の登山道入口から気合を入れて入山した。 |
夜叉神峠への登山道。カラマツ林の中をゆく。ここは何度も登った道である・・・。 |
35:47分で峠に到着。ここは標高1770m、早くも高度約400mを稼いだ。 天候が良ければ白峰三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)の眺めが素晴らしい。家族を連れて何回もハイキングに来たところである。残念ながら本日は視界なし。 |
夜叉神峠より先は気持ちの良い笹原のトレイル。 この後、カラマツ林の急登になるが、その後は杖立峠までなだらかで単調なトレイルが伸びてゆく・・・。 |
大崖頭山の頂上の西側を巻くと杖立峠に到着。コースタイムの半分以下で到着!快調なペースである。 しかし、ここで雨が強くなり雨具の着用を余儀なくされた。 |
緩く長い登りを続けてゆくと、兎平の手前で視界が開けるところに出た。 |
目の前に北岳(3193m)がど〜んと見えるハズだが、残念・・・。 |
兎平到着!ここは辻山の小さな鞍部である。 |
ここから体調に異変が・・・。南御室小屋に向かう下りの中で急に眠くなった・・・。 なにか、夢遊病者のような感じで下ってゆく・・・。 |
空か開けてきた・・・。南御室小屋だ! |
3:04:45で到着。標準時間が5:30:00なので良い入りではあった。 しかしおかしい・・・。実は昨日、歯痛のため歯医者にいったのだが、痛み止めの強い薬をもらい服用した。それが効いたとしか思えない。 |
水だ!水!ここには豊富な水がある。 ここで体内に思い切り水を入れて薬を薄める作戦にでた(笑)。2リットル近くメイッパイ飲む。水場はこの先早川尾根小屋(標準時間約7時間先)までないので、飲みダメし、水を満タンにした。 |
約26分の大休憩でフラつきは解消。最初のピーク薬師岳へ向け出発! |
いきなり急登! 薬師岳山頂まで高度約350mを稼がねばならない。 |
急登をこなすと遂に森林限界を越えた! |
森林限界を抜けると砂払岳へ到着。残念ながら雲の中である。 |
視界の利かない稜線を進む・・・。 |
少しくだるとダケカンバに囲まれた薬師岳小屋が見えてきた。 |
薬師岳小屋到着。ふい〜っ・・・。 雨が強くなり、稜線上では谷から風が吹き上げてくるのでここで雨具のパンツも着用する。 |
小屋を出ると、しばらくダケカンバの森の中を進む。 |
薬師岳までの最後の白砂の登り。 |
薬師岳(2780m)山頂! 雨・風が強く、何も見えん・・・。ピークハントしたのみ。 |
次は観音岳だ!白砂の稜線を走る・・・。 |
時々山腹を巻くが、その時はこのようなトレイルとなる。 |
野呂川の谷からかなり強い風が吹き上がってくる。 稜線は天気が良ければ天国だが、このような時は吹かれに吹かれ地獄である。この頃から左胸の上部がカナリ痛みだしてきた。実は2〜3日前から痛みが発生し、気になっていたのである。 |
天気が良ければこの辺りからは、眼前に観音岳、左手に北岳などが展開し最高に気持ちの良い白砂のトレイルなのだが・・・。 |
観音岳(2840m)山頂!鳳凰三山の最高峰である。 風雨が強く、すぐに山頂を後にする・・・。 |
次は地蔵岳である。白砂の稜線は途絶え、岩稜地帯に入り思いのほか厳しいUP・DOUNをこなす。 下りの時の振動で左胸の上部が「キリッ」と痛む。足を滑らせて尻餅をついたときなどは、「痛て〜っ」一瞬激痛が・・・。 |
スピードは大幅にダウンし、やっと赤抜沢ノ頭に到達。 ここで決断した。左胸の痛みは尋常ではないし、天候も最悪。このまま予定通り風に吹かれながら稜線を進めば体力、気力ともにもたない。即刻下山だ!風雨の中検討し、白鳳峠まで進み広河原に下山するコースをエスケープルートとして決定した。 |
しかし、地蔵岳にはいかないと鳳凰三山を完登したことにならない。 よせばいいのに地蔵岳へ向かう。赤抜沢ノ頭からダケカンバの森の中を急下降してゆく。ピストンなので、ここをまた登り返さねばならない・・・。 |
地蔵岳付近の賽の河原に降り立つ。 |
まあ、ここが地蔵岳(2764m)山頂ということで・・・。 |
白砂におおわれた賽の河原にはたくさんの地蔵尊がある。ここからは甲斐駒ケ岳の勇姿が見れるのだが・・・。 |
地蔵岳といえばそそりたつ岩塔のオベリスクが有名。風雨の中、岩を登り近づいて根性で撮影する。しかし、ガスが切れた一瞬にうっすらとしかその姿を見ることができなかった。 |
赤抜沢ノ頭まで登り返し、ふたたび縦走路を白鳳峠へ向かう。左胸が痛み、頭まで痛くなってきやがった。 「くそ〜っ」一刻も早く下山だ! しばらく白砂の稜線を進む・・・。野呂川側の谷から吹き上げる風がますます強くなってきた。苦し〜い前進である。通年、野呂川側から吹き上げる風が強いのであろう、木が風の方向に押されて曲がって成長している・・・。 |
白砂の稜線は突如痩せた岩尾根に変わり、岩稜地帯に突入。 岩の中を飛び移りながら進む。左胸はキリキリ痛む・・・。 |
尾根が相当痩せているので、サイドには下にポッカリと空間が空いているところが多々ある。慎重に行く・・・。 |
高嶺(2779m)到着。これで本日の登りは終了。あとは白鳳峠まで高度1260mの大下降が待っている。 |
大きな石が折り重なった下りを行く。飛び移りながらの下降、胸が痛い。参ったのう・・・。 |
痩せ尾根が終わると幅の広い尾根になり、ハイマツ帯の中を下降してゆく・・・。 |
白鳳峠に到着。ひと安心・・・・。 |
峠から広河原に向け下降開始〜っ! |
少し行くと視界が開けた。 うお〜っ・・・。こんなところにモレーン地帯が!しかもかなり広大である。石の堆積地帯を駆け下るので、痛む左胸にはキビシく、地獄の下りとなった。 |
延々とモレーン地帯を下ると、シラビソの森の中に入った。このあたりの森は「やまなしの森林100選」であるらしい。 |
野呂川が眼下に見え出すと、トレイルは非常に急峻になってきた。このような難所もある。 |
傾斜も普通のトレイルと違い、かなりな急斜面。胸も痛いので仕方がないが、とても駆け下れない。苦しい、苦しい下降である。 |
やった〜!終わった!遂に下山完了!登山道入口のある南アルプス林道に降り立った。 |
広河原はスグ近く。5分もJOGすると、広河原の北岳への登山道の入り口である吊橋が見えてきた。 |
広河原のバス停留所に到達。登山完了!ここから夜叉神峠口の車のところまでバスで行く。 2泊3日の大縦走が夜行日帰りになってしまった。下山後病院で検査したところ、ナント、左胸の肋骨にヒビが入っていた!痛いわけである。ホント、途中でやめておいてよかった・・・。 |
下山したら、お決まりの温泉だ! 南アルプス市の市営の温泉、金山沢温泉へやってきた。ここにはナカナカの露天風呂があるのだ。 |
ど〜です!いいでしょ〜! |
山間部にある眺めも素晴らしい露天風呂なのです。 |
入浴後、温泉施設の外の公園で乾杯! 今回は車なので「ペプシ」なのでありました。(笑) あまりの風雨にさらされてしまい、画像が水滴でボヤケてしまい、見苦しい点があり恐縮です。ご容赦くださいネ。 |
富士川を渡ろうとした時、振り返るとナント!雲が取れて鳳凰三山が綺麗に見えるではないか!あのオベリスクもハッキリ見えるではないか!最後の最後に景色が見えたのでありました。ガックシ・・・。 ↑画像の上にマウスポインターを乗せると画像が切り替わります。 |