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第9回 杉並 「うな藤」 鰻(うなぎ)

 達人とゆくグルメ紀行。第9回目のジャンルは「鰻(うなぎ)」である。遂に来た〜!ユキチは大のうなぎ好き。子供のころから大好きで、スポーツや学業でよい成績を収めたときなどは、よくご褒美にうなぎを食べさせてもらったもんである。

 ハレ・・? でも、最近はぜんぜん食べていない。(ご褒美なしか・・・)

 ということで、今回は達人の「美味しい鰻リストのBEST3」にランクインしているお店に連れて行ってもらうことに。うほほほ〜っ!これは非常に楽しみである。

 そのお店は「うな藤」さん。青梅街道沿いにあり、井荻八幡のスグ近くにある。西荻窪、上井草などから歩いて15〜20分くらいのところ。インターナットや情報誌にあまり登場しないお店だが、たま〜にテレビなんかで紹介されているらしい。

 そんなことはどうでも良い!なにしろ達人のリストのBEST3に入る名店。最高の「鰻」をこのグルメ紀行で世に広めようではないか!

 このお店の売りは、うなぎ職人30年の店主が「素材」と「技」を駆使して一枚一枚心をこめて焼く「鰻」。しかも全国各地でも限られたお店にしか入らない「大井川の共水うなぎ」を使用しているという。なんとも楽しみである・・・。

 高まる期待を胸に、久しぶりに西荻窪の駅に降り立った。

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うな藤
杉並区今川4-8-7
03-3397-9174
営業時間
 11:00〜14:00
 17:00〜20:00
水曜定休
最寄駅
西武新宿線  上石神井
        上井草
JR中央線   西荻窪
   徒歩15〜20分 

 

実況中継

1 久しぶりだ〜!西荻窪の駅に到着。改札に10時30分集合だ。

 今日のお店「うな藤」さんはチト駅から遠い。ここから歩いて15〜20分程かかる。開店は11時。今回もグルメ紀行必殺の1番入店である。
2 善福寺川沿いに進み、青梅街道を目指す。達人が川を覗いているがビックリ!この川、結構水がきれいなのである。
3 歩くこと約15分、青梅街道に到達!ここは善福寺一丁目の交差点である。お店はもうすぐだ!
4 お店に到着!まさに青梅街道に面しており、井草八幡宮の大鳥居の目の前である。

 まだ開店前、達人が早くもメニューの確認をされている。
5 反対側みるとこんな感じ・・・。コンパクトなお店である。
7 「うなぎの出来上がりが、40分かかります!!」

 いや〜、ハッキリとした主張である。当然といえば当然なのだが、最近こういうお店は少なくなったのでは・・・。やはり鰻は裂くところから始めたらこのくらい時間はかかる・・・。
8 暖簾をみながら、「鰻(うなぎ)」の効用を確認しておこう!

 マズ勘違いしてはならないのは、「脂」がのっているので高カロリーに思われがちだがそれは逆!脂肪は良質でそれに含まれるEPAは中性脂肪を減少させるし、DHAというのは悪玉コレステロールを減らしてくれる。

 ビタミンB−1が豊富に含まれているので、これが疲労物質の「乳酸」を排除してくれる。ユキチのようなアスリートには重宝だし、これが「夏バテに効く」という所以である。
9 11時開店!さあっ、入店である。

 上がりが13席、カウンター4席のお店だ。もちろん1番入店達成である。
10 メニューボードはいたってシンプル。このお店の特徴として「地酒の充実」が上げられる。
11 「本日のオススメ」等、つまみもそこそこある。実はこれがマタ絶品だらけ・・・。

 今日はあまり作らないそうで、最初にできるもの、できないものを言ってくれた。
12 さあっ、スタートである。マズは上品な漆器のお盆が配られた。
13 「鰻を食べる前につまみを食べるのは邪道。本当はじっと待つのが基本だ。」(達人談)

 なのだが、達人も含めグルメ紀行探検隊がそうするワケがない。早速ビールを飲みながらつまみをいただく。

 1番バッターは、「枝豆」と「板わさ」。この「板わさ」は絶品!そしてワサビがまた絶品で、つけて食べると板わさの旨みが引き出され最高においしい!まったく醤油はいらない。いや、使ってはもったいな〜い。
14 焼き鳥もおいしかったよ〜ん。ヒヒヒッ・・・、肉汁があふれ出ている。ネギが光ってるぞ〜!あまりに「ワサビ」が絶品だったので焼き鳥にも使用してみた。

 「ウフフフ・・・。」想像してみてください・・・。
15 オオッ!こっ、コレは・・・。

 鰻の「ヒレ焼き」である。私は始めてであった。
16 なんとも言えない歯ごたえ、食感・・・。そして見た目と違って非常に上品な「脂の旨み」が広がる。おいし〜!旨い!
17 ジャジャ〜ン!ここで鰻の「白焼」登場!素晴らしいタイミングで出てきた。

 白焼も当然40分かかるのであるが、これは達人が事前に予約しておいてくれたのである。

 ということは、店主は開店前から調理を始めてくれていたんだ・・・。
18 パカッ・・・。蓋をあけると「白焼」参上!

 白焼きは10年位前に、名店「野田岩本店」で食べていらいである。
19 うほほっ〜!見よこの勇姿・・・。そして絶品のワサビが一杯ついてる!いいぞ〜!
20 ワサビはたっぷりつけていただく!

 非常に柔らかい脂ののった鰻にワサビを絡めて食べる。文句無く、旨い〜!うますぎてガンガン食べてしまったので、危うく写真を取り損ねるところだった。これで1570円って本当?いいんですか〜?
21 非常に上品な味を楽しんだ後は、「キモ焼き」が来た。お〜、これも素晴らしい艶を放っている。うまそ〜・・・。
22 いただいてみる。ホホ〜・・・。これもナント言ったらよいか、上品で抜群の「苦味」が口いっぱいに広がる・・・。

 こんなおいしい「キモ焼き」は初めてだ。焼き具合も最高!
23 最後のつまみ「空豆と桜エビの唐揚」である。

 そら豆のマメ汁がキモ焼きの苦さを中和してくれ、さらに桜エビの上品な甘さが口の中を整える。さすが達人のオーダーは素晴らしい・・・。
24 さあっ!いよいよ蒲焼の登場。

 裂くことから始まり、約50分かけて丁寧に作っていただいた蒲焼である。

 マズ、背開きにして素焼きし、一度蒸してからつけ焼きにする。これは関東風。ちなみに関西風は腹裂きで、蒸さずに生を直焼きする。
25 漆器の器には富士が描かれている。ナゼかは知らない・・・。

 ここで鰻の知識をひとつ。どうして鰻には「ワサビ」や「山椒」なのでしょうか?
これは、うなぎは海から2年かけて川にのぼり、源流で育ち、8年かけて河を下り海に帰ります。

 源流の清流にいる時、そこでワサビや山椒も育っています。両者の育った環境が一緒なので抜群の相性になるんですね〜。
26 蓋を開けます!うお〜っ、上品な鰻だ!艶がスゴイ!香りもイイゾ〜!
27 ここで日本酒に切り替える。ズ〜ト、ビールで来たが、達人と同じく地酒:菊姫をいただくコトに・・・。
28 絶妙な「にごり酒」です。鰻にもピッタリあいました。さすが達人・・・。
29 早速、山椒を・・・。

 お店の鰻のコトをすこし・・。
うな藤さんの「鰻」は、「大井川共水うなぎ」といって養殖うなぎの最高峰。日本一美味しい素材です。南アルプスの豊富な地下天然水を利用し、極めて自然に近い環境で、独自の養殖技術を駆使し育てられた鰻です。
30 いただきマ〜ス!これは旨〜っっい!

 タレは主張しすぎず、非常に上品な甘辛さ。程よくしっかり脂がのり、ふっくらした柔らか〜い鰻にピッタリ!御飯もほんのりと、しかしミゴトに味がしみ込んでいる。決してタレを流し込んで味付けしたものではない。素晴らしい・・・。
31 ここで達人の解説が入った。

 このお店の鰻のように本当に美味しい柔らかい鰻は、ご覧のように「割り箸」をまっすぐ上から刺してみると、ス〜ットと下まで何のつっかかりも無く入るのだそうです。10〜15分程度で出てくる鰻は、おそらく裂いて1度焼き、蒸した状況でキープ。注文が入った段階でタレをつけて焼く。キープしてからタレ焼きまで時間が長いと鰻皮が硬くなり、ハシが跳ね返されてしまそうです。試してみてくださいね!
32 あっという間に、一粒も残さず完食してしまった!ごちそう様〜!
33 最後のキモ吸の蓋を、このように作法どおりかぶせて「ごちそうさま〜!」

 ありがとうございました。

 

食後の感想

 マズ一番の感想は、一言で言って

「これが本当の鰻の蒲焼なんだ〜!」

よし、 よし、よしの3拍子が完璧に揃っている。

 昔は、鰻屋では30分程度(店によっては1時間)待つのは珍しいことではなかったが、今では15分程度、いやそこまで待たずに蒲焼出てきてしまうお店は多い。これは老舗でも同様である。タレに誤魔化されては決してなりませんゾ!

 「うな藤」では、本当に鰻を裂くところからスタートし、一枚一枚非常に丁寧に焼き、そして蒸して最高の状態で蒲焼を出してくれる。だから

 すご〜く 柔らか ふっくら!
           脂もミゴトにのっているが、まったく 脂っぽくない!

 恐縮だが、15分程度で出してくる商売ベースのお店とは決定的に違う!鰻の質もさるコトながら、これがホントウに鰻の旨さを引き出した蒲焼なのだ!

 これはもう、味(タレ)が良くても「スグ蒲焼が出てくるようなお店には絶対にいけないな〜!」という思いが決定的になってしまった。

■今回食したもの
枝豆  420円
板わさ  315円
空豆と桜エビの唐揚  420円
焼き鳥(2本)  420円×2
鰻ヒレ焼き  420円×2
鰻キモ焼き  420円×2
鰻白焼(竹) 1570円×2
鰻重(竹)きも吸・お新香付き 1780円×3
ビール(エビス中瓶:500円)何本飲んだのか・・・。
日本酒(菊姫:徳利500円)達人ガンガン飲んでました。
※ 鰻蒲焼、白焼は40分程かかりますが、事前に予約して出来上がり時刻直前入店すればスグ食べられます。
※ ランク
 鰻重
     ・藤 (3570円)
     ・特上(2730円)
     ・松 (2100円)
     ・竹 (1780円)

 白焼:蒲焼
     ・特上(2410円)
     ・松 (1780円)
     ・竹 (1570円)

ランクの値段の差は鰻の大きさで決めているそうです。したがって「質」は皆同じということになります。

 4人でこの抜群においしい「ツマミ」、「鰻」しかも白焼まで食べて、そしてガンガン飲んで・・・。さぁ〜て、ひとりお幾らでしょうか?
       
         ナント!  ひとり 約4500円! マジかよ〜・・・

上質な日本最高レベルの養殖鰻を使用し、これだけ丁寧な仕事をして焼き上げた鰻をこの価格で食べられる。素晴らしいでしょ!老舗の高級店の半額とは言わないが、ありえね〜って感じデス。鰻好きの人は是非チャレンジしてみてくださいね!

            必ず幸せになれますよ〜!

   こんな素晴らしいお店に連れてきていただいて、マタマタ「達人」に感謝デス!

 

番 外 編  

吉祥寺 蕎麦 上 杉
              〜 井の頭公園散策

 和食のダブル攻撃!「鰻」の次は「蕎麦」である。ハシゴのお店は、吉祥寺が至近距離とうこともあり、吉祥寺で「蕎麦」といったらこのお店という「上杉」さんに連れて行ってもらいました。

 達人は同ジャンルの連続攻撃が結構好きなんですよね〜!

 このお店に行く前に井の頭公園を散策。お腹を減らさんとね〜・・・。

 久しぶりに行ったが、スゴイ人手。いや〜、この公園の集客力には驚いた!大道芸人があちらこちらで観客を集めて「芸」を披露している。ここは大道芸人の聖地なのであろうか・・・。フリーマーケットもあるし・・・。

 酔っ払って、良い気分で公園を散歩した後、「上杉」さんへ・・・。

 このお店は、全国に1000店を超える足利一茶庵系の蕎麦屋さんである。店主の上杉さんは「蕎麦聖」と呼ばれた蕎麦打ち名人、一茶庵の創始者である故片倉康雄氏の息子の敏夫氏に師事したらしい。ユキチ自身足利出身で、一茶庵本店の蕎麦の素晴らしさは味わっているので楽しみである。 GO!

          

1 吉祥寺の駅から井の頭公園へ向かう。相変わらず人出がすごい。今も昔もここは人気のスポットなのだ。公園の入り口に近づくと「いせや公園店」が。ここは創業80年の焼鳥屋さん。(もつ焼きのほうが売上は多いケド・・・)懐かしい。
2 そしてその正面にかの有名な「金の猿」が・・・。ここにあったのか。
3 ここは、和風ダイニングバーで、オシャレなお店として超有名。井の頭公園を見渡せる絶好のロケーションにある。エントランスからしてこのとおり。
4 公園内に入ると人垣が・・・。なんかやってる。おおっ、大道芸だ!
5 おもしろい!思わず引き込まれて、しばし観賞してしまった。

 公園内を見渡すといたるところで大道芸が行われていた。ここは大道芸人の職場なのであった。ビックリ・・・。
6 さらに奥に進むとナニナニ・・・「アート・マート」?
7 このように公園の遊歩道沿いにたくさんのアクセサリー等の出店が展開している。実ににぎやかである。
8 そんなマーケットの脇には池があり、皆さんボートを楽しんでいる。
9 池をグルット廻るとボート乗り場が見えてきた。
10 その先に「弁財天」があった。強烈な「赤」が使ってある。

 関東源氏の祖、源経基が創建。音楽・芸術・学問、財宝を授かる神として江戸庶民に愛されてきた神様である。
11 歩いて喉が渇いたので、境内で思い切り水を飲ませてもらった。ふ〜・・・、酔いがさめてゆく。
12 非常に印象的な顔をした「こま犬」クンがいた。
さあっ、この辺で公園散歩は終了!2軒目にGO!
13 到着!ここが吉祥寺の御殿山にある蕎麦の名店「上杉」さんである。
非常に渋いエントランスだ・・・。
14 どうですこの素朴さ・・・。蕎麦屋さんらしいですね。
15 店内に入ると手書きの「お品書き」が・・・。ご本人が書かれたものであろう。
16 マズ注文したのが「焼き味噌:370円」。これは蕎麦屋の「酒肴」の定番です。日本酒には最高に相性が良いですよ!
17 粒白味噌に、そば米・葱・鰹節・胡桃・柚子などを混ぜて作ります。
一茶庵でも定番です。お〜、さすが!上杉さんのおいしい〜!
コレ、蕎麦の薬味として使ってもGOODです。
18 「天ぷらの盛り合わせ:1900円」もいただきました。カラッと揚がっていますが、もっちり感のある衣厚の天ぷらでした。これもさすが・・・。
19 ここで達人が「鴨抜き」を頼みました。「鴨抜き」というのは「鴨汁蕎麦の蕎麦抜き」のことです。おいしい蕎麦屋さんの「鴨抜き」のお汁はスゴクおいしいんだそうです。そういえば「鴨ロース」なんてつまみを置いてある蕎麦屋もありますね〜。
20 これは始めてだ・・。お〜、甘辛い汁の味も抜群だが、鴨肉の歯ごたえと甘味が最高。そこに絶妙に葱がかませてあってピリッとくる。旨い!
21 さて、お蕎麦です。これは「田舎蕎麦:580円」。ど〜んと腰のある麺、しっかり蕎麦の味が染みわたり、つゆもキリッとしまり麺・つゆ共に至高の出来。
22 そして最後は、今日の変わりそばの「しそ切り」を注文。これは「さらしな」の中に「しそ」を入れたもの。いわいる季節蕎麦である。

 一茶庵の系列らしく、毛のように細く美しい麺が印象的。葱の切り方、分量などとともに一茶庵の本流を感じさせる一品でした。もちろん、つゆとの相性の抜群で最高のお味でした。 さすがの一言・・・。

 

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蕎麦 上杉
武蔵野市御殿山1-3-7
tel 0422-42-0521

営業時間
11:00〜18:45
※日・祝は売切れじまい
火曜定休

JR吉祥寺駅
徒歩5分