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第8回 本所吾妻橋 「わくい亭」 酒亭

 達人とゆくグルメ紀行。第8回目のジャンルは「酒亭」である。「酒亭」という言葉はよく達人が使われるのであるが、その意味やいかに?

 時々「酒亭○○」などというお店はあるが、その意味はどういうコト? 居酒屋とどう違うの?ウィキペディアで検索してもない、広辞苑では・・・???

 グルメ紀行は「休日(土、日、祝)に昼から飲めるおいしいお店」というのが本来の趣旨。今回は遂に「酒」が頭にくるジャンルが初登場である。とうとう来たか!今回は、達人の酒亭のリストでもBEST3に入る自慢のお店、東京の下町の知る人ぞ知る人気酒亭「わくい亭」に遂に探検隊が潜入したのである!

 酒亭とはいかなるお店か?達人いわく「酒亭」をこの報告記を通じて感じていただければ幸いである。

 いや〜、楽しみである。達人のBEST3は抜群にレベルが高いですからね!

 高まる期待を胸に、始めて本所吾妻橋駅に降り立った。

■ わくい亭
墨田区本所 3-22-12
03-3829-3751
営業時間
 17:30〜22:00
日、祝定休

最寄駅
都営浅草 本所吾妻橋駅
 徒歩10分

 

実況中継

 都営浅草線:本所吾妻橋から歩くこと約10分。達人推奨の「わくい亭」に到着!確かに繁華街からはずれた、立地的には非常に不便なところにある。

 今、18時手前である。17:30分が開店時間であるが、大幅に開店時間に遅れてしまった。開店と同時に満席になるというのでチト心配である。おじゃましま〜す!

 カラカラ〜、引き戸を開けると〜・・・。おおっ!スデにお客さんで一杯だ〜!さすがである。席はあるのか?・・・探検隊4名は必死である。運よく一番奥の座敷がワンテーブル空いていた。セーフ!セーフ!よかった・・・。

 さっそく柴又からの長旅(笑)で乾いたのどをビールで潤す。銘柄はユキチ好みのサッポロにしてもらった。お通しに枝豆が出てきたが、抜群の甘味で美味しかった。これは期待できる!

 マズ達人が注文したのは「生しらす」。見てください、白魚の目が一杯見えるでしょう!鮮度抜群なのです。いきなり「おいっし〜!」連発。実はしらすは静岡・浜松などの名産品。(浜松でうなぎ弁当食べるのはNGですよ!しらす弁当がいいです。)静岡の老舗の料亭で、名物の「生しらす」を食べたが、それにまさるとも劣らない。で、なんと350円。泣けるぜこのプライス。

 次は、「とり貝・シャコ盛」。ユキチは貝類があまり好きでなく、特にとり貝は苦手であった。達人いわく「是非食べてごらん」。「へ〜い・・・」恐る恐る食べてみる。「!甘ッい・・・」ひえ〜、おいしいとり貝はこんなに甘いのか・・・。驚きであった。シャコはまさしくシャコシャコ。

 続いて「いわしつみれ」。和風というか、中華風というか、いわしの旨みがガッチリ染み渡ったつみれに、抜群に相性のよいスープがもう最高!旨い!

 フルーツもスゴイぞ!「フルーツ・トマト」。もう素晴らしい甘さを含んだトマトであった。

 さらに「かんぱち刺」。いうことなし・・・。

 黒板には、輝かんバカリの品書きがある。まだ開店1時間も経たないが、そそるようなネタは注文が殺到し、御覧のようにスグに消されてゆく。席に着いたならマズこの黒板をチェックされるべし。それにしても恐るべきお店である。

 「岩がき」登場!うお〜!・・・。この鮮度と旨さで600円かよ〜!感動モン。

 今度はイタリアンだぜ!「鳥レバー・パテ」。鳥のレバーをパテ状にし、クラッカーにのせていただくのである。これ絶品!和洋中なんでもGOOD!なんだこのお店は〜!凄すぎる!感動のあまり言葉が出ない・・・。ここで遂に白ワインのボトルを頼んでしまった。これがまた料理にぴったり。ついつい写真取るの忘れてしまいました。

 さあ、洋食シリーズに突入です。このお店の1番人気はメンチカツであるらしいが、今日はもっと煌くメニューを黒板に見出してしまった。「ウニのクリームコロッケ」である。来た!ひ〜っ・・・おいしそう〜。
 「サクリッ・・・」うおォォ〜!ウニのたっぷり入ったジューシーなクリームが溢れ出す。これもう言葉になりませんワ。
 このウニの濃厚な甘味を存分に絡めたジューシーなクリームソース。もうたまりません。おいしさは想像してみてください。ワインにぴったりでした。このメニューは黒板から真っ先に消されました。頼んでおいてよかった・・・。
  洋食シリーズ第3弾!「ラムのトマトソース煮」。このラム、臭みなど無縁。見事に柔らかく煮込んでありトマトソースも素晴らしい味。旨い!絶品だ!イタリアンの名店も真っ青ではなかろ〜か?これで600円!ホントにいいんですかね〜・・・。


 そして最後は、このお店一番人気の「メンチカツ:600円」。マズでかい!お皿からはみ出しそうな感じである。イイゾ〜!さっ、ガツンと熱々をいただこう!
 ナイフを入れたとたんたっぷりの肉汁がこぼれだす。じっくり揚げてある証拠だ。食べると・・・、うほ〜っ、旨い!練りこんだ挽肉にありがちなノッテリした感触ではなく、肉を噛んでいる歯ごたえがある。そう!ザクザクしているのだ。そしてタップリ入ったタマネギの甘さが口中に広がる。これはやたら滅法に旨いよ!もう即死しそうである。
 ごちそう様〜!大満足!大満足!探検隊4名は最高の「酒亭」を堪能したのであった。
  してお値段のほうは・・・?ムム、なっ、ナント4人でこの価格。本当に感謝!ご馳走様でした。最後に注意事項を。今日はそうでもなかったが、メンチカツはすぐになくなってしまう超人気メニューらしいです。着座するなりメンチカツは頼んだほうがいいですよ!このメンチ、酒のツマミにも最高ですからね。なんたって「酒亭」ですから!

 

食後の感想

 マズ一番の感想は、一言で言って
  「全ての料理をツマミにお酒を楽しめる!」

 そして気になるコストはというと。ビールのんで、日本酒のんで、白ワインのボトルも飲んでしまって、それでもってツマミに美味しい料理を10種類以上食べて・・・。ひとり3.750円!
   
「こりゃ〜安い!本当にご馳走様!」

メチャ感動しながら、ユキチなりに「酒亭」の意味を考えた。

  酒亭とは、大分類は大衆居酒屋であるが、

「料理が和洋中バラエティーに富み、かつめっぽう旨く、

  酒の品揃えも抜群のセンスがあり、実に気が利いているお店」

                                     とういことになるかと思われます。

 調べていたら、このお店の女将のことが分かりました。
お名前は、涌井純子(ワクイジュンコ)さん。ユキチより4歳下の方で群馬県の出身でした。CM製作会社勤務中に日本橋で喫茶店を経営するご主人と知り合い結婚。おいしいものを食べ歩くのが共通の趣味だったおふたりは、15年前にマッタクの素人から居酒屋を開き、今日に至っているそうです。

 著書もありました。

[本所わくい亭の「お惣菜ふう酒の肴」−お酒がすすむ、ごはんもすすむ]主婦の友社

 さらに調べて驚きました。このお店、あのフランス三ツ星レストランの世界的シャフ、ジュエル・ロビュション氏をも唸らせたというのです。これは「隠れた名店」と呼ばすにはいられませんね〜・・・。

 またしても素晴らしいお店に連れてきていただいた。
    「し・あ・わ・せ」
                      達人毎度ありがとうございます。

■今回食したもの
生しらす  300円
とり貝・シャコ盛  800円
いわしつみれ  650円
フルーツトマト  350円
かんぱち刺  800円
岩がき  600円
鳥レバー・パテ  650円
うにのクリームコロッケ  700円
ラムのトマトソース煮  600円
メンチカツ  600円
ビール、日本酒、白ワインボトル1本(銘柄は忘れました、でも旨かった)

  4人でコレだけ食べて飲んで、抜群に美味しくて、1人軽る〜く5000円以下なんですから・・・。もう素晴らしいでしょ!是非チャレンジしてみてくださいね!なるべく早く行きましょう。スグ満席になっちゃいますよ〜!
 

番 外 編  

京成立石 もつ焼き 宇ち多
              〜 帝釈天周辺散策

 実は今回のメインはこの「もつ焼き:宇ち多」さんだったのである。このお店はやはり行列のできる超人気店。まさに大衆居酒屋の名店中の名店。アド街でも3位に入った店である。

 11時に京成立石駅に集合。天気も良かったので新企画の「東京周辺ランニングコース紹介」第一弾!「柴又と下町水辺巡りコース」を約20K走って合流したのである。

 ナゼ、メインでなくなってしまったかって?

 それは、「撮影厳禁!」だったのである。う〜む、残念!

 メチャ、おいしくて安かった。どんなに食って飲んでも2000円という感じ。

 その後、ユキチは帝釈天に行ったことが無かったので、帝釈天とその周辺を散歩に連れて行ってもらったのである。

 そして、急遽メインを夜の「わくい亭」に変更。リスト豊富な達人にかかれば「撮影禁止」などはまったく問題なしであった。

 京成立石駅到着。ここも初めて降り立つ。京成線は成田エアポートに行くときしか使ったことがなく、まったく未知の路線なのである。それにしても達人恐るべし!埼玉からこのような遠隔地まで足を伸ばしているのだから・・・。

  駅を降りるとスグ、立石仲見世通のアーケードがある。このなかに宇ち多(ウチダ)さんがある。

 おおっ!あった!メチャクチャ古さを感じさせるお店だ!これぞ「大衆酒場」ってヤツだ。
 お店の前に集合した探検隊。開店は公式では12時となっているのだが、達人は11時30分と踏んで11時に集合。しか〜し、実際には11時15分頃から開店した。11時にはもう長蛇の列。席は40席程度しかなく、1回目の入店は逃してしまったのである。残念ながら2順目の先頭に陣取ったワケ。恐るべし宇ち多・・・。

 ホラホラ、待っている間にもすぐこのように行列が形成されてしまう。昼間から酒を飲む人がこんなに多いとは。ワシらだけではないんですな〜。待っている間に撮影しようと煮込みの大鍋にカメラを向けると・・・。一升瓶を片手に持ったコワモテの店員さんから怒られた〜!「うちは撮影禁止だよ!禁止!」って。唖然、ボー然。
 とういうことで、帰りがけに外から店内を撮影するのがヤット。どうですこの賑わいかた!やはり相当美味しかったですよ〜。そして「煮込み」から「焼物」「ナマ」等すべて一皿180円ナリ。特に「煮込み」はイイ!コンニャク、ネギ、ショウガ等は一切入れず「もつ」そのもので勝負しています。酒は焼酎梅割:180円が1番安い。これはどんなに食って飲んでも2000円が限界でしょう。名店でした。
  立石周辺のお店を紹介してもらいました。宇ち多は昼中心みたいなので、夜入るのであればここ「もつ焼:江戸っ子」がよろしいそうです。
 鳥房さん。鶏肉屋さんだそうですが、このお店では唐揚等の揚げたてを食べさせてくれるそうです。それが絶品ということでした。残念ながら今日はやっていませんでした。

 「蒸したてこまんじゅ」。1個10円のおまんじゅう屋さんですが、かなりレベルの高いおまんじゅうでした。美味しかったので、思わずお店の店員さんとツーショットしちゃいました。またまた達人にお土産に買ってもらっちゃいました。家に持ち帰ると、味にうるさいうちの息子がガンガン食べていました。1個10円とは思わなかったようです・・・。
 このお店の「みたらしだんご」も良かったです。通常ではありえない5粒刺しのお団子。2本で110円は安いね!このへんで立石とはお別れです。

 来た〜!いよいよ柴又駅に到着!
 ほほ〜・・・。まるで東北の田舎駅のようだ。線路をじかに渡って反対側に出る。仙山線などはホトンドこんな感じだったな〜。こういうのも下町情緒というのかしらん・・・。

 駅をでるとイキナリ寅さんの銅像があった。
 マズは記念撮影。(でも私、ど〜も人情ものは苦手で、寅さんの映画まともに観たことないんですよね。まっ、いっか・・・)

  駅前のショップで娘に、「フーテンの寅さんキューピー人形」を購入した。このシリーズを集めているらしく、買ってこないと怒られるのである。

しばらく行くと参道入り口が見えてきた。

 参道の両側には団子屋やらせんべい屋やら、はたまた老舗の川魚料理店などが軒を連ねていた。すると壮大な門が見えてきた。いよいよ帝釈天だ。

 これが二天門。柱の上の貫などには浮き彫りの彫刻が多数彫られている。う〜む、豪華な門である。
 入ると右にこれも豪華な大鐘楼が目に付く。

 ここのお水は美味しいのでしょうか。汲んでゆく人がいます。
 これが帝釈堂。なにやら素晴らしい枝振りの松がありますが、「瑞龍の松」というのだそうです。彩色を施していない素木造りなので一見地味だが、細部に精巧な装飾彫刻が施されていて、よく見ると豪華なつくりになっている。

 次に達人が向かったのは川魚料理の老舗「川甚」である。天保年間(1830〜44)創業ということで、170年の歴史を誇る老舗である。夏目漱石、谷崎潤一郎、松本清張らもこの店を賞賛している。
 去年の12月にOPENしたばかりの新館に通された。う〜む、カナリ敷居の高いお店である。
 達人はこのお店の「鯉洗い」を食べさせに連れてきてくれたのである。出てきたぞ〜!
  鯉はさばいて30分経ったらもうダメになる繊細な魚。丁寧な仕事がこのお店の命なのであろう。

 この味噌もこのお店の売り。江戸甘味噌を使用している。一皿840円ナリ。

 この後、矢切の渡しに向かうが、雨が降り出し撤退。ふたたび柴又駅にもどり本所吾妻橋へと向かったのでありました。    

                                 おわり

 

■ もつ焼き 宇ち多
葛飾区立石1-18-8
 tel 03-3697-5738

営業時間
 平日14:00〜19:00
 土曜12:00〜19:00
 今回   
★今回土曜は、11:15分くらいから
入れていました。             
 定休 日・祝

京成立石駅
 徒歩3分