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第6回 入谷 「割烹 さいとう」 和食

 達人とゆくグルメ紀行。第6回目の食材は「割烹」和食である。そして達人が選んだお店は下町っ子に愛される「入谷 割烹 さいとう」さん。このお店は行列のできる超人気店。ナゼ人気なのかといえば、値段・量ともに抜群!だから。

 ご主人の齋藤五郎さんは山形県出身。15歳で上京し上野の魚屋で働き始め、23歳の時入谷界隈にて車で行商を始められました。30歳で魚屋をOPEN。「魚を見る目」と「地域のお客様との対話」を武器に発展を続け、1995年に魚屋の隣に割烹料理屋も始められたのです。

そして今回のテーマは 「安い!」

 食材は勿論、特に ビールの安さ では東京NO.1のお店を皆さんにご紹介しようというメインテーマをもって達人が企画、お店を選定されたのである。

 いや〜、楽しみである。ユキチは大のビール党。ビールであればいくらでも飲み続けられるので、安いのはおおいに助かる。

 果たして「どのくらいビールは安いのか?そして食材の味は?量は?」・・・。

高まる期待を胸に、初めてJR・鶯谷駅に降り立った。


 ■ 割烹 さいとう
 台東区下谷2−9−7
   03-3873-7321
 営業時間
 11:30〜14:00
 17:00〜22:00

 日曜、祝日定休

 ■ 最寄駅
 JR鶯谷駅 徒歩7分
 東京メトロ 入谷駅 徒歩2分


 

実況中継

   JR鶯谷駅の上野よりの出口に降り立つ。初めて降りた。駅前の地図を見ると上野動物園が非常に近い。動物園にはココで降りたほうがいいな〜・・・。 

 入谷方面に向かい高架を渡ってゆく。日暮里方面を見たところ・・・。  

 今日はAM11:00集合。今日連れて行ってもらう「割烹 さいとう」さんは行列のできる人気店。11:30分開店なので1発で入店すべく早めに行くのだ。

 

 途中、319号線:言問(コトトイ)通り沿いに、かの有名な入谷鬼子母神があった。 

 鬼子母神はインド仏教上の女神で、凶暴で子供を奪い取っては食べてしまうという悪神であった。(怖い〜・・・) しかし、お釈迦様がこの鬼子母神の末子を隠して、子を失う悲しさを実感させ改心させたのである。

 お釈迦様に改心させられてからは「小児の神」として児女を守る善神「安産の守護神」に大変身したのである。  

  博学の達人に教えてもらったのだが、入谷の鬼子母神は「子育ての善神」になったという由来から「鬼」に漢字からツノをなくした漢字が使われている。写真で「鬼」の字を確認してください。

 江戸3大鬼子母神といえば、「雑司が谷」「新井薬師」「入谷」であるが、やはり「恐れ入谷の鬼子母神・・・」のフレーズで入谷が1番有名である。 

 「朝顔市」も非常に有名。7月の3日間、言問通りに120あまりのお店が並び2万鉢もの朝顔が販売されるらしい。       

 さらに進むと、国道4号(昭和通り)にぶつかる。ここを左折〜!4号沿いに下ってゆく。今日も良い天気だ。散策するにも最高に日和である。  

 4号線をしばらく進み、左折すると・・・。  

 おおっ、あれか!「斉藤鮮魚」のカンバンが・・・。

 これが魚屋部門。この隣に・・・。

 
   あったぜ!「割烹 さいとう」。ナカナカの立派な門構えである。期待に胸が高まる。早くビール飲みて〜!

 おわ〜っ!ナント店の前には開店を待つ人がスデに4名・・・。11時10分頃には到着したのだが、流石に人気店だ。 

 う〜む・・・、達人ゴメンナサイ。常に開店1番で入店するのが達人のポリシーなので恐縮である。もう少し早く来ればよかったか・・・。(5人目に並ぶ達人・・・)

 
 

 開店時間の11:30分が近づくと・・・。うほほ〜っ!あれよ、あれよと御覧のとおり「アッ!」というまに行列が形成されてしまった。 

 「割烹 さいとう」の人気、恐るべし!

 開店〜! 

 我がグルメ紀行探検隊4名は、無事開店と同時に入店を果たし、案内された席に陣取った。店内はケッコウ広く30人強は入れそうな感じである。

 うお〜・・・、テーブルに用意されているガリ・小梅などの薬味もスゴイボリュームである。(おいしんですよ!)  早くもこのお店の片鱗を魅せつけられた。 

  そしてオーダー開始。気になるビールのプライスは?・・・。ニヤニヤしながら達人がメニューを開いて見せてくれた。

 うおおおお〜ッッッ!なんじゃ〜こりゃ〜!

 ビール、(お・・、おおびん??)。・・・大瓶で〜っ、ナッナント!ビール大瓶で「400円」だあァァ〜ッ! 

 見たこともナイ、考えられないプライスがついていた。驚いた〜!今までの経験では最安値は480円だったので遥かに安い!まいりました!達人! 

 大感動がさめやらぬうちに、大瓶400円のキリンラガービールと第一オーダーの「牡蠣のバター焼き」が来た。

 よ〜し!飲むぞ〜!ヒヒヒヒッ、乾杯〜・・・。

 牡蠣のバター焼きは始めた食べたがGOOD!牡蠣の濃厚な味がバターにしみ込み、まろやかでしかも濃厚なソースとなり口の中に広がる。そこにラガーの苦味が・・・。うま〜い!幸せ・・・。
 さあっ、次なるは、このお店の看板メニューの「お刺身定食」のお刺身単品。これもスゴイボリューム!鮪(マグロ)、鯛(タイ)、鰤(ブリ)、鯵(アジ)、平目の縁側などなどがてんこもり。
 見よ!この鮪(マグロ)の厚さ!こりゃ〜、ブツ切りにちかいよ!

 追い討ちをかける様に追加が来た〜!うほ〜っ、こっ、これもスゴイボリュームだ!うまそ〜・・・。

 ナントこれは人気の「まぐろズケ丼」の上に乗っかっている「まぐろズケ」のみを達人が単品でオーダーしたのである。さすが達人!やることがスゴイ。

そして来た!達人一押しの「海鮮丼」。お店1番の人気メニューでもあるらしい。  

 このほかに「中落ち丼」「まぐろズケ丼」「穴子丼」などの人気メニューがある。いずれも780円〜850円とナイスな価格です。

 見よ!この迫力。お刺身が山盛りだ〜! 

 通常価格は850円。プラス200円で具大盛にしてもらった。これは「ゴハンをおかずに刺身を食べている」という本末転倒な感じ。刺身も新鮮でおいし〜!絶品の丼でした。   

 丼が浅いのでゴハンの量は少ないが、事前に言えば無料大盛になります。定食のゴハンもお替り自由で大食いの方には最高です!いいでしょ〜!

 白身魚のフライもいいっすよ〜!カリカリに揚がって最高だ〜!もうお腹いっぱい・・・。

 もう食えん!もう飲めん! 

 大満足の探検隊なのでした。して・・・、お値段は?

 ナント、4人で「9650円」!ホントかよ〜・・・。  

 これだけ飲んで食ってひとり2400円通し。素晴らしすぎる・・・。ごちそうさま〜、ありがとうございました。大満足。

 

食後の感想

 マズ一番の感想は、「ビール大瓶400円は安すぎる!」。ホントかよ〜って感じ。中瓶じゃナイですからね。大瓶でですよ、大瓶!こりゃ〜スゴイ話だ・・・。

 第二に、海鮮丼を始め、「具のボリュームが半端じゃない!」。スゴイ量だった。そしておいしかった。う〜むっ、大満足であった。行列ができるわけだ・・・。

 今、ビジネス・商売で勝つためのキーワードは「圧倒的」。他を圧倒する物・サービスを保持しているかがキーになる。このお店にはそれが2つある。圧倒的な「ボリューム」圧倒的な「価格設定」。
  あ〜…、いっぱい食って飲んだ。大満足・・・。

 またしても素晴らしいお店に連れてきていただいた。達人ありがとうございます。

■今回食したもの
    定食ものを単品で注文(単品での値段が分からないので定食価格で表示)
    ちなみに、定食にするとご飯おかわりOKと味噌汁に小鉢がつきます
お刺身 定食で  950円
まぐろズケ 丼で  850円
牡蠣バター焼き 定食で  850円
白身魚のフライ 定食で  850円
海鮮丼 通常850円 具大盛にして 1050円
ビール(大瓶)400円  (何本飲んだか覚えてないホド飲んだ)
日本酒 菊正宗熱燗(2合徳利)800円 (達人がけっこう飲んでいました)

 これだけ食べるとボリューム満点なのでお腹はい〜っぱい。さらにビールの安さに気合が入り、何本飲んだかワカランほどしこたまビールを飲んで、輪をかけて達人が銘柄ものの日本酒をガッチリ飲んだ。
これでしめてお値段は? ナッ、ナント!1人しめて約 2,400円 なり。
「おい、ウソだろ〜!」

この感動を味わいに皆さんも是非行ってみてくださいネ!

 

番 外 編  

浅草〜両国散策後、平井・大衆酒場 豊田屋 ハシゴ3軒目

 お腹が一杯になった後は、散歩して腹減らしである。今日の最終到達店は「平井・大衆酒場:豊田屋(トヨタや)」さん。行くまでガッチリお腹をへらしておかねば・・・。

 浅草が非常に近いので、浅草界隈を散策し、さらに隅田川を川沿いに下り両国を目指すことに・・・。

 途中、腹を減らさねばナラヌのに、誘惑に負けてついつい2軒もお店に入ってしまった。結局、メインの豊田屋さんは「ハシゴ3軒目」となってしまったのでありました。

 とんでもなく酒飲みで、ハシゴ好きのグルメ紀行:探検隊4名なのでありました。では本日のハシゴ旅実況中継をお楽しみください。


 浅草まで散策しながらゆ〜くり歩く。するといくつかの名店を道すがら達人に紹介してもらった。 

 これは浅草「大多福」さん。創業大正四年の「おでん」の老舗で、達人のリストでもBEST3に入る名店だそうだ。歴史と伝統を感じるエントランスである。

 浅草千束通り商店街に突入・・・。もっとも浅草らしい商店街である。

 さらに進むと、今度は蕎麦の名店「浅草 大黒屋」前を通過。  

 日本酒のメニューが充実し、冷酒とつまみ、そしておいしい蕎麦と三拍子揃ったお店であるらしい。

 

 さらに進むと、今度は「釜飯」の名店「浅草 むつみ」の前を通過。 

 釜飯はオーダーして出来上がるのに20〜30分かかるが、その間当然飲みながら待つことになる。その間食べる小料理が充実しているのがこの店の特色。たとえば絶品の「玉子焼き」は、甘いのと普通のを選択できるという素晴らしさ。もちろん「釜飯」も絶品デス。

 さらに進むと、甘味どころの名店「梅むら」が・・・。ココは「豆かん」が最高のお店。鎌倉に「無心庵」という甘味処の名店があるが、それを上回るという。 

 達人の説明を聞いていたら、ど〜しても食べたくなってしまった。甘いものは別腹だしね〜。おじゃましま〜す。

 カラカラと扉を開けると、カウンターが4席、テーブル席が2つとこじんまりしている。10人も入ったらいっぱい。幸いに1テーブル開いていたので滑り込むように座った。 

 コレがその「豆かん」です。「豆かん」とは寒天とえんどう豆にコクのある自家製の黒蜜をかけた昔ながらのシンプルなもの。そして素材のおいしさが引き立つ上品な甘さ。う〜ん、シンプルでとてもおいしい!ひとつ450円である。

 シンプルで美味しかったが、ど〜してもアンコと白玉アイスを入れたくなった。 

 追加注文し投入〜!こりゃ〜うま〜い!大満足・・・。

  いよいよ浅草寺に到達!相変わらず凄い人手である。

 本堂から表参道方面を望む。

 浅草寺は、浅草のシンボル的な存在である。実は東京都内最古の寺院なのである。創建は628年、推古天皇の時代である。観音菩薩を本尊とし、「浅草の観音様」といわれている。 

 江戸時代後半に、「仲見世」の前身である商店や芝居小屋が設けられ、その時代から浅草は庶民の盛り場、娯楽場として発展してきたのである。

 境内を抜けようとする頃、ある味が脳裏をよぎった・・・。 

 そう、それは前回浅草で味わった「味」。そう浅草無双「正ちゃん」の牛スジの煮込みの味であった。 

 食いて〜・・・。

 ああっ・・・、「引き込まれるように「正ちゃん」に入ってしまった。今回は「テラス席」である。絶品の「牛煮こみ」などビール片手に食べてしまう。やっぱり旨い!あ〜、またしてもお腹がいっぱいに・・・。
 よ〜し、また歩いて腹減らしだ!伝法院通りを隅田川に向かい歩き始める・・・。
 仲見世通りはたくさんの観光客でごったがえしていた。ここは浅草寺の表参道でもある。もちろん入り口には「雷門」がある。

 隅田川に到達。対岸のアサヒビール本社ビルに向かい吾妻橋を渡ってゆく。左の黄金に輝くビルは、ジョッキにビールを注ぎ泡立っているニュアンスでデザインされている。右の通称「黄金のうんこビル」は、実は「うんこ」ではなく「炎」のオブジェであり、イタリアの有名デザイナーがデザインしたものである。 

 いずれにしろアサヒビール本社ビルは浅草のモニュメントとして定着した感がある。

 このあたりはもうすぐ桜が満開になると、素晴らしい「花見」が楽しめるところである。川沿いの公園は桜並木があり、最高のお花見会場となる。もちろんあの遊覧船に乗りながら観賞することもできる。
 隅田川を渡り、対岸を川沿いに両国を目指す。もうだいぶ日も傾いてきた。・・・。
 沈み行く夕日を眺めながら探検隊は進む。蔵前橋が見えてきた。
 遊覧船が海に向かって下降して行く・・・。

 蔵前橋で川沿いを離れ、横綱町公園に連れて行ってもらった。達人は「散策の達人」でもある。 

 コレは園内にある慰霊堂である。

 この地は陸軍被服廠があった。1923年(大正12年)、跡地を東京市が回収し公園の造成を進めている中、9月1日関東大震災が勃発。 

 周辺の住民が当時空き地だったこの被服廠あとに非難。不運にも震災当日は風速17mの強風が吹き荒れ、運び込まれた家財などに飛び火。またたくまに燃え広がりこの地で3万8000人が焼死したのである。 

 その慰霊碑がココにある。

 横綱公園は約6000坪。広大な敷地内に建つ慰霊堂の後方に夕日が沈んでゆく・・・。
 浅草から歩くこと4キロ、両国駅に到達。ここからJRに乗り平井へ向かう。

 平井駅に到着。いよいよ今日の最終到達店「豊田屋」さんへGO!

 歩くこと約2〜3分。見えた〜!「豊田屋」。 

 浅草無双?・・・。浅草の「正ちゃん」にもカンバンにでていた。ここは浅草じゃないのに・・・。 

 調べてみた。実は「浅草無双」は日本酒の銘柄であった。一見浅草の地酒っぽいが灘の酒である。屋台や大衆酒場ではツンとすました吟醸より、この手の安酒がふさわしいのであろう。

 店内は満員だ〜!さすが満員御礼の居酒屋「豊田屋」。スゴイ人気だ・・・。 

 交渉して予約席にお客が来るまで飲ませてもらうことにして席に滑り込んだ。

 店内はこんな感じ。カウンター前のメニューボードには常時60種類のメニューが並び、酒も安く、豊田屋といえば「鍋」といわれるくらい有名で、9月20日〜4月10日までは白子鍋、あんこう鍋が食べられる。 

 この名物の「鍋」を紹介すべく達人が連れてきてくれたのである。

 そして今日のテーマであるビールは?

 おおおっ〜!ビール大瓶420円! 

 またしても絶句・・・。割烹さいとうには負けるがココも安い!達人恐るべし!まさに東京でTOPクラスを争う安さに違いない。

 来た〜!白子鍋。(フラッシュでメチャ白く光っちゃったゲド) 

 一人前900円でスゴイボリュームである。安い!そして白子鍋は初めて食したが非常においしかった。さすがこのお店にカンバンメニューだ。

 白子鍋を完食した後は、「あんこう鍋」だ〜! 

 達人はあんこう鍋(1350円)とあんこうキモ鍋(1650円)をミックスしてオーダーした。 

 うお〜っ、スゴイボリュームだ〜!しかしこの安さは特筆ものだ。すました店なら、3000円〜4000円とられるあんこう鍋が、ナント一人前1350円!

 あまりの感激にUPで撮っちゃいました。 

 写真上部が「あんキモ」、手前のこぼれそうに盛ってあるのが「あんこう」。迫力のボリュームである。 

 白子もあんこうも北海道産です。お味も抜群!最高でした。

 本日も食いすぎ&飲みすぎ。食いも食ったり、飲みも飲んだりでありました。 

 飲み食い倒れる寸前の探検隊なのでありました。達人ありがとうございました。お疲れ様〜・・・。

 

 ■高級甘味 梅むら
  台東区浅草3-22-12
  tel 03-3873-6992
  営業時間
   13:00〜18:00
   土/祝 13:00〜16:00

  定休日 日曜

  地下鉄浅草駅
  徒歩10分

 ■大衆酒場 豊田屋
  江戸川区平井6-15-23
  Tel 03-3618-1674
 営業時間
  16:30〜23:30

 定休日 日曜