達人とゆく グルメ紀行! > 第2回 おいしい旅 「新世界菜館」 上海蟹

第2回 神田神保町「新世界菜館」上海蟹

達人とゆくグルメ紀行。第2回目は、11月まさに旬を迎えた「上海蟹」。達人が日本一と絶賛する神田神保町の「新世界菜館」に連れて行ってもらった。
上海蟹は9月下旬よりシーズンが始まるが、あらゆる時期に食べられた達人は、迷うことなく「上海蟹の最高の旬のタイミングは11月上旬である。」と・・・。そして「新世界菜館さんの上海蟹は最高だよ!」と・・・。

中国には出張で何回か行ったが、上海蟹は食することなく終わった。一度は食べてみたいと思っていたのである。

高まる期待を胸に、神田神保町へと向かう。

 ■ 新世界菜館
  千代田区神田神保町2-2 新世界ビル
  03-3261-4957
  平日・土11:00〜23:00
  日・祝 11:00〜22:00
  年中無休(年末年始は休業)

 ■ 最寄り駅
  地下鉄半蔵門線
  都営三田線
  「神保町」下車
  徒歩1分

 

 

 

実況中継

 丸の内線「御茶の駅」に降り立ち、駿河台を経由して神田神保町へ向かう。ここは学生時代はキャンパスのようなところだった。なにしろ我が母校はキャンパスとうものがホトンド無いのである。
 神田川聖橋とJR御茶ノ水駅。なつかしい光景である。

 明治大学アカデミーコモン。生涯学習の拠点として2004年4月OPENの校舎である。大学院ビジネススクール、法科大学院等、社会に開かれた施設なのだ。圧巻なのは国際会議開催可能な1200名収容の大ホール「アカデミーホール」も有する。われわれの時代「野暮」が売りだった明治には考えられない建造物である。
 明治大学リバティータワー前を通過する。授業はホトンドこのタワーの教室で行われているらしい。ひえ〜、変わったもんだ・・・。すいぶん洗練された都心型大学になってしまった感じだ。

 「白雲なびく駿河台・・・」 有名な?明治大学校歌の下りである。そのとおり空が晴れ上がり、白い雲が駿河台の空にたなびきだした。気持ちのよい天気になってきた。
 駿河台下に下り、神保町へ向かう。いわゆる神田の古本屋どおりである。この辺はあまり変わっていない・・・。改めて懐かしい・・・。 

   靖国通りを九段の方に向かい歩いてゆく。神保町の交差点のところにお店があるはずだが・・・。
 うほ〜!あったぜ「新世界菜館」。中央の立派なビルである。想像を超えるお店だ・・・。

 正面から観たところ。う〜む、敷居が高そうなお店だ!すばらしい上海旬彩料理を提供してくれるお店であり、とくに上海蟹は素晴らしく、達人曰く「上海蟹はココ、新世界菜館さんが1番だよ!」ということだ。期待が高まる。
 なるほど、店のサイドに、秋の味覚「上海蟹」の大看板が架かっている。9月下旬〜2月下旬まで。コースだと8000円からか・・・。なにしろ中国には出張で何度か行ったが、上海蟹は話では聞いていたが食べたことは無いのである。楽しみだ・・・。

   まずは、エビスビールで乾杯!冷前菜は、渤海産のコリコリの花クラゲが出た。味も素材も抜群!さすがだ。こりゃ〜、期待できる!前菜のうまさでお店のよしあしは分かるものである。
 おおっ!出てきた!上海蟹!う〜む・・・、話には聞いていたが生きてる奴をタコ糸でしっかり結んである。蒸す前に1度皆で見分するのだ。フィルターの影響で赤みを帯びているが色は黒い。上海蟹は正式には「シナモズクガニ」といい、川カニである。9月〜11月頃、蘇州の陽澄湖や石臼湖などで採れたものを上海蟹という。新世界菜館さんでは、陽澄湖および石臼湖の指定畜養場より粒ぞろいの上海蟹を空輸している。さすが達人が「日本1の上海蟹料理のお店」というワケだ・・・。
   芝エビのチリソース。プチプチのエビと旨みたっぷりのソース。たっ、たまらん。チンゲン菜もうま〜い!上海蟹の調理には20〜30分くらいかかるので、その間こういった単品を楽しむ。 
 これは鰤(ブリ)のフライ。タレが抜群!   
 おおっ!ヤッター!上海蟹登場!待ってたゼ・・・。黒い色をしていたが赤くなっている。この料理は「活上海蟹姿蒸し」という。調理法は伝統的な「蒸カニ」という手法。活きたカニをタコ糸でしっかり結び、シソの葉を敷いたセイロで一気に蒸上げるのである。お〜、うまそう!イイゾー! 

 この後、カニを解体してくれる。 
 解体後・・・。実は上海蟹はカニミソが美味なのである。実もナカナカだが上海蟹の本当においしい所は「カニミソ」なのであった。黄色く写っているところがその「カニミソ」の部分。達人の解説がなければ知らずに食べてしまうところだ・・・。   
 ジャジャ〜ン!これがその「カニミソ」。熱いうちに真っ先に食べるのだ!ヒヒヒ・・・ 
 さあっ、いただきま〜す!「・・・・・・うひゃ〜・・・、甘い!・・・なんて濃厚な味だ〜!」生まれて初めて味わう美味なのでした。一匹3000円のものをオーダーしたが、このほんのチョットのカニミソの為に・・・と思うと本当に贅沢なカニである。いや贅沢スギル・・・。  
   もちろん実もおいしいが、カニミソのインパクトにすれば遥かに及ばない。このカニはサイズが小さくて足が細いので、ナカナカ実を食べるのが難しい。達人に食べ方を教えてもらった。マズは適当な大きさの足を見出す。こんな感じの足の部分だ・・・。
 足の両サイドを切断後、この道具が登場!  
   ほら!この通〜り!トコロテンのように実を押し出すわけだ。ムチャクチャ綺麗に実が取り出せる。ほほ〜・・・。ユキチは食べるのが面倒なカニはあまり好きではなかったが、今日から変わりそうである。
 紹興酒も素晴らしい!1998年ものを戴く。寝かせれば寝かすほどおいしくなるそうだ。知らなかった・・・。中国の紹興地方では、その昔娘が生まれると自家製の紹興酒を作り、カメにいれて庭に埋め、結婚時のお祝いの時に掘り出して開けて飲んだそうである。 残念ながら婚期が遅れても、遅れるほどに紹興酒はおいしくなり、お祝いが盛り上がるそうだ。(達人談) 

   いや〜、すごくまろやかな甘さの紹興酒だ!旨い!・・・と、達人が面白い飲み方を教えてくれた。達人がレモンを注文した。 
 レモン投入!飲んでみる・・・。ほほ〜・・・、爽やかデアル!原酒がすばらしくおいしいせいもあるが、コレもイケル!流石達人!ついつい酒がすすみ、2杯目のデカンタがあっという間に無くなってゆく。  
   さらに、次は「上海蟹の炒め物」。さすが達人、的確なオーダーで注文してくれる。このカニミソの乗ったソースはスゴイよ!
 ひとつ取り出して〜・・・。  
   カニミソの部分をすかさず食する。うっ、旨すぎる!この食べ方も一押しである。
 そしてトドメ、というか極めツケはコレ!上海蟹みそ料理の至宝「上海蟹みそたっぷりのあんかけチャーハン」。どうです旨そうでしょ〜!  
   フィナーレを飾るにはあまりにも贅沢な一皿。このカニミソたっぷりのトローリとしたあんかけの味がも〜最高!こんなあんかけ始めて・・・。ムチャクチャ旨い!スゲー!(ついつい下品になってしまう・・・)
 上海蟹味噌恐るべし。これが抜群のチャーハンと絡み合ってもう言葉なし!も〜幸せ!一杯2500円の価値は十分である。  
   こうして初めての「上海蟹」は最高の思い出を残して終了したのであった。今回の上海蟹探検隊は総勢4名。これだけ食べて飲んで1人当たり約8000円!皆さん大満足でした。達人ありがとうございます。達人は、9、10、11、12、1、2月と食されたそうだが、11月上旬、つまり今が1番おいしいとアドバイスされております。皆様も是非「上海蟹」にトライされてください。ミソが命の上海蟹でした。

 

食後の感想

とにかく間違ってはならないのは、上海蟹は「実」ではなく「カニミソ」が素晴らしいということ。ついつい蟹だと「実」にこだわってしまうが、上海蟹は違う。このカニミソは言葉では表現出来ない「甘さ」と「濃厚さ」がある。凄い!旨い!の一言であった。特にカニミソを効かせたあんかけのチャーハンは凄く旨かった。紹興酒も絶品!も〜最高!

今回食した代表的なもの

  上海蟹(蒸)               3000円×2 (大きさにより2500円からある。)
  上海蟹(炒めたもの)        2500円×1
  上海蟹あんかけチャーハン    2500円×2
  ビジネスランチ            3000円×2 (コースを注文するよりリーズナブル)
  紹興酒デカンタ(1998年もの) 2500円?×?
  エビスビール(中)           600円×?

達人の絶妙のオーダーもあったが、4人でコレだけ食べて飲んで、ひとり8000円弱!素晴らしい!

  感動のお値段でしょ!絶対感動間違いなし!是非皆さんも行ってくださいね!

 

番 外 編  

皇居東御苑散策&名店めぐり(ハシゴ)

達人に皇居を案内してもらった。天候も回復し気持ちのよい日になった。次の店へハシゴする間、散歩することに。皇居方面へ向かう。驚いたことに皇居の中に散歩できる庭園があるという。外周はサンザン走っていて、堀のなかには決して入れないものだと思い込んでいたが・・・。驚いた〜!じっくり皇居東御苑を散策した後、メンバー4名全員は帰ろうとするハズもない。ハシゴじゃ〜!次行くぞ〜!・・・今日のハシゴは池袋の人気のうどん屋さん「硯家(すずりや)」さん。もちろん達人は「顔」である。

 たっぷり食べた後は散歩である。(もっとも今日は朝練で30K走ってはいるが・・・)。「どこに行くんですか?え〜、皇居に中に入れるんですか?」なっなんと皇居の中に入れるらしい・・・。毎日新聞社前の平川門が見えてきた。ここって入れるんだ〜。知らなかった・・・。
 皇居東御苑案内図。いや〜、まいったね・・・。こんなに広いスペースが一般公開されていたとは・・・。江戸城の本丸、二の丸がホボ全面的に公開されている。ほ〜、天守台もある・・・。  
   皇居東御苑に突入!驚いた・・・。皇居は外周をサンザン走っていたが、まさか中に入れる場所があったとは・・・。思い込みは怖いね・・・。
 門の造りは、昔のままである。いや〜本格的だ。(当たり前か・・・)  
   平川門。桜田門に匹敵する堂々たる門構えである。
 しかも、無料である。このような入園票をもらい入ってゆくのだ。

   皇居の中から観る東京駅方面。始めてみる景色である。
 梅林坂か〜・・。  

 坂の脇には、不揃いな石垣もあった。整然と綺麗に積みあがっている石垣バカリなので味がある。ど〜してこんなのになったんだろう?
 梅林坂より東京駅丸の内方面を望む。東京駅再開発で建設された高層ビルが林立している。梅林や石垣の向こうに見えるのは何か不思議な感じだ。  
   これが、天守台跡。大きい・・・。1638年、三代将軍家光の時代に大修築。江戸幕府の権威を象徴する国内最大の天守閣が完成した。この台の上に、外観5層、内部6層の高さ58メートルの天守閣が乗っかっていたわけだ。
 すごくどっしりと、そして整然と積まれた石垣である。残念なことだが、天守閣完成後のたった19年後の1657年。明暦の大火が勃発。その飛び火を受け全焼してしまった。その後再建はされなかった。何故かは知らない・・・。  
   本丸跡地は広場になっていて、開放感のある空間が広がっている。 
 冬咲くという「桜」が咲いていた。  
   今回は二の丸はパスし、大手門へ向かう。けっこう歩いたよ!お〜、百人番所が見えてきた。実に見事に保存されている。この後、この先の大手門より退出した。いや〜、びっくりした。こんなに広い東御苑が一般開放されているなんて・・・。今度中をJOGしてみようかな〜。怒られたりして・・・。
 皇居散策後、おきまりのハシゴ。今回は池袋のうどん屋さん。大手町より丸の内線で池袋へ向かう。その名は「硯家(すずりや)」さん。駅から歩いて7〜8分くらい。「さぬき小町うどん」「うちたて屋」と客を3分する池袋うどん激戦区の一店である。達人一押しの店である。  
   人気のうどん屋さん(讃岐うどん)ではあるが、メニュー内容は豊富。(チョット映りが悪くてゴメンなさい) こりゃ〜、居酒屋さんと変わらない。しかもみな旨くてリーズナブルなお値段!達人お勧めの名店である。とくに昼間からやっているので是非ご利用くださいな。昼から飲めるおいしいお店はなかなかないよ!
 これ中落ち。抜群のトロ身である。うっま〜い!素晴らしい!エビスの黒ビールを飲みながらいただく。  

 そして日本酒の種類も豊富である。その中で達人一押しの酒がコレ、「美酒の設計」である。変わった名前だが秋田の酒。秋田県内の酒販売店有志は結成した「秋田美酒倶楽部」が、「由利正宗」で知られる齋彌酒造と協力して作り上げた、販売店限定のこだわりの酒である。故にめったに目にすることはない。どっしりコシのある飲みごたえ十分の辛口である。辛口好きのユキチにとっては最高!飲むほどに存在感が増すが、決してクドクない。いい酒だ・・・。
 このハラス焼きも抜群!脂がバリバリに乗り、さらにパリパリの焼き上がりであ〜る。これはもはや単なるうどん家さんではない。スーパー小料理屋さんといえる。   
   そんなかんなで楽しんでいると、店のご主人登場。いきなり達人に利き酒を依頼された。さすが達人である。ご主人の相談役になっている。3種類の飲み比べを楽しむことができた。ご主人の日本酒への飽くなき探究心には感動した。 このお店の日本酒の品揃えは抜群だ〜!
 達人を囲んで・・・。達人の後ろの黒いシャツの方がご主人。ナイスガイである。皆さん、是非池袋「硯家(すずりや)」さんに行ってみてください。感動しますよ!ユキチが持っているのは、さらに気に入ってしまった極辛の酒「大信州」。あ〜、またしても酔っ払ってしまった。楽しい1日、達人ありがとうございました。   

 

 ■ 硯家(すずりや)
  豊島区南池袋2-10-10 
  豊ビル 1F
  03-3980-1451
  11:30〜22:00
  定休日 なし