「ゼッケン1545」これは立山登山マラニックにおいては永久欠番である。2度と使われることはない。つまり第1回大会から通番となっているのである。今回10回目の最終ナンバーは「1622」。10年で1622人のエントリーあった事を意味する。思わずホテルの部屋でゼッケンを撮影してしまった。 |
午前2時50分。真夜中の闇の中、富山駅前からスタート地点まで運んでくれるバスに乗る。前日池袋発13:15分の高速バスで富山駅前に19:30分着。駅前のホテルで受付を済ませ、速攻で夕食を取り荷造りをする。早く寝ようと頑張ったが結局22:00時就寝。4時間だがぐっすり寝た。 |
約30分で富山市の浜黒崎のキャンプ場に到着。ここには当日受付のブースがある。車で会場に来た参加者はここで受付となる。まだ真っ暗である。 |
スタート15分前、スタート地点へ一斉に移動。 |
篝火が焚かれている。今回のマラニックの部出場選手のエントリー数は237人(うち女性35人)。かなりな応募があり、書類選考後、抽選で選ばれた精鋭である。(もっとも実力がないのにエントリーできるような大会ではないが・・・) またマラニックのほかにウオークの部もある。 |
これだ!これがやりたかった!海水に手をつけてからスタートする。まさに海抜0Mからの挑戦!でもやってみると以外に大変。暗くて見えないので、ヘタをやると波で靴が濡れそうになるのである。 |
浜辺に全員が集合。いよいよスタート。全員で「雄山頂上まで行くぞ〜!」と掛け声をかけ、篝火から松明に火をともしたランナー4人が先導し、ゆっくりレースが始まった。海抜0Mの海から、雲の上の立山雄山山頂(海抜3003M)まで、12時間以内で一気に駆け上るロマンを体験できる!4年越しの夢がかなった瞬間であった。 |
海岸線を少し走ると常願寺川の河口にでる。右折し、川の右岸を上流に遡って走ってゆく。携帯品にライトが必修と書いてあったが3分の1のランナーしか持っていない。くそ〜・・・、失敗した。まじめに持ってきたが無くても大丈夫だ。結局48Kのエイドまで運ぶ重荷になってしまった。 |
AM5:00.1時間程走ると明るくなって来た。お〜っ!朝焼けの空の中に目指す立山の山陰が見える!左から剣岳、真ん中が立山、そのスグ右隣が浄土山である。(望遠撮影) |
朝日で赤く燃える空の下、ゆ〜くり、ゆ〜くりのLSDペースで進む。あっという間に明るくなった。 |
最初のエイド、約10K地点の大日橋エイドである。ここは給水だけ。かなり暑くなりそうなので最初から十分に水分を摂ってゆくことにする。ライトは必要ないが、水筒は絶対必要。500mlのボトルを携帯し小まめに給水してゆく。快速登山より2週間しか経っていないが、体調はGOODである。楽しんで走ろう! |
マラニックという言葉は、「マラソン」と「ピクニック」を掛け合わせてできた造語である。ピクニックのように楽しくマラソンしてね!って感じかな・・・。当然レースとはいえ競争ではない。このようなのどかな河原をゆ〜くり走り、雲の上までピクニックすればよいのである。 |
15キロ地点の「雷鳥大橋」を渡る。 |
現在5時55分。すっかり明るくなった。雷鳥大橋を渡り今度は左岸を上流に向かい走る。 |
左岸はこんな感じ。まあ、このあたりまではホトンド砂利道である。このまままっすぐ走り、約20K地点の雄山神社を目指す。 |
AM6:11、岩峅寺(いわくらじ)雄山神社のエイドに到着。鳥居の下にエイドがある。 |
こんな早いうちから、おにぎり、パンがおいてある。朝飯はここで取っても十分OKかも。これは至れり尽くせりである。ユキチはしっかり朝食を食べたので、ここでは給水のみ。 |
3分ほど休んで出発。けっして飛ばさずに楽しんでゆっくり走ってゆく。もう20K来たが、まだまったくの余裕である。 |
雄山神社を出ると再び橋を渡り、常願寺川の右岸を行く。このあたりからUP・DOUNが始まる。 |
緑豊かな田園風景の中を走ってゆく。 |
雄山神社から次のエイドがある立山駅までは約18K。かなり長く給水等が心配されたが、途中、このような私設エイドがある。子供達が水やジュースなどを配給してくれ、「ガンバレ!」と応援してくれるのである。まだ朝の7時前。早起きして選手達をサポートしてくれている。感謝! |
しばらく丘陵地帯や田園の中をUP・DOWNを繰り返し走り、ふたたび常願寺川の右岸へ下ってゆく。いよいよ山間部に突入である。 |
朝7時台だがすでにかなり暑い。大量の汗が噴出している。・・・っと、このような私設のシャワーが設置されていた。おもいきり浴びた。ふ〜!助かる!飲料の自動販売機もあり、ホトンドの皆さんが購入されていた。(こりゃ〜スグに売り切れだな・・・) |
山村部をねるように走りぬけ、約30K手前の有峰口駅前を通過。再び左岸にでる。ず〜ときびしい坂道が続くが誰一人歩くものはいない。やはりこのレースに参加するランナーたちは猛者ぞろいだ・・・。 |
30K地点の芦峅寺ちかくの民宿前で、ノースフェイス主催の私設エイドが出ていた。もうメチャ暑いので助かる。ペットボトル500MLは持っているが水はぬるぬる。ここでは氷入りの冷た〜い水を出してくれていた。メチャうまっ!元気回復。 |
約33K地点で立山大橋を渡る。 |
渡り終えると、かなり傾斜のきつい登りロードが延々と続く。さすがに傾斜がキツク、このあたりで歩き出すランナーが続出する。ユキチはまだ余裕で走ってゆく。立山国際ホテルはこの脇に建っている。 |
延々と続いた登りロードは雷鳥バレースキー場までで終了。左折し立山駅までこんどは長い下りである。日陰に入るとグ〜ット涼しい!別世界だ!・・・が、コースはホトンド日陰が無い過酷なコースであった。 |
長が〜い下りを走ってゆく。もうすぐ立山駅のエイドだ。 |
富山地方鉄道立山線の終着駅「立山駅」が見えてきた。立山黒部アルペンルートでは、この駅でケーブルカーに乗り換え美女平まで行く。そしてそこから高原バスで室堂へと入ってゆくのである。 |
お〜・・・、踏切を渡るとエイドだ! |
約40K地点の立山駅前エイドに到着。エネルゲンを飲み、おにぎりを3個、梨を6切れ食べ、さらに水をガブ飲みする。とにかく暑くなってきた。 |
さっ、出発。次の称名滝レストハウスのエイドを目指す。約8K先である。ここに着替えの荷物が届いているのだ。そこで着替えをし、やっと不要になったヘッドライトを回収してもらえる。 |
ここからが1番きつく感じた。とにかく登り傾斜が一段ときつくなり、しかも暑い!映像では分かりにくいがかなりの坂道なのである。しかし、皆まだ歩き出さず走り続ける。 |
そして長い!延々と、というよりズ〜とである。8Kで高度500Mを登ってゆく厳しいロードである。このような直線の登りロードは前を見ると辛すぎ・・・。 |
路面を見つめながら、ツッ、ツッ、ツッと小走りにひたすら走り続ける。40Kを過ぎてのこのキツイ登りロード。通常の一般レースのレベルであればホトンドのランナーが歩くに違いない。しか〜し、全国より集まった屈強のランナーは逆にホトンド歩くものはいない・・・。 |
称名道路と立山有料道路の分岐通過。ちょうどこの区間の中間点に位置し、やっと4Kが経過したワケである。ここから立山(室堂)方面は右折し美女平の方へ入ってゆくが、入れるのはバスのみ。一般車両はここでストップとなる。 |
AM9時になり、とにかく暑い!風もホトンドなし、このような日陰もホトンド無し。暑さに弱いユキチには最悪の状況である。「くっ、苦し〜いっ・・・」 しか〜し、意地でも称名滝エイドまでは歩かないつもりだ。 |
悪城ノ壁前通過。その名のごとく恐ろしい絶壁である。さらにロードの傾斜は増し、必死の走りとなる。このあたりではさすがに半数のランナーが歩き出す。なんとしても走りきってやる!なんとしても・・・。 |
おおっ!遂に見えてきた!スタートより約48K、標高約900mの称名滝レストハウスのエイドである。 |
意地で走りきる!やったゼ!スタートより約48Kを5:29:35で到達。キロ約6分50秒平均でのランであった。高度900mを稼いでのタイムとしてはマアマアかな・・・。 |
ここはおしるこがあった。これはおいしかった。疲れているのでおしるこの甘さがとてもうれしい。お餅を2個入れてもらった。その横にはソウメンである。これも3杯いただく。その横には梨。6切れいただく。腹減らしのユキチはそれでも足りず、おにぎりを2個ほど持って着替えのテントへ向かう。ホントにご馳走様!ありがとうございます。 |
ここに荷物が届いている。荷物をもらい、ターフテントの中で着替える。着替えるのは、@シャツ:これはノースリーブのランシャツより半袖のランシャツに。 A靴:48kまではマラソン用の軽量シューズ、ここから先はクッションの効いたジョギングシューズに。(トレイル専用は使用せず) B暑さ・紫外線対策としてサハラキャップ着用。 Cそしてやっとヘッドライトを手放す。 |
快速登山のスタイルに着替え、エイドを後にする。ここからはいよいよ山岳戦が始まる。まずは称名滝の滝壺方面へ向かう。 |
称名滝レストハウスとエイドを振り返る。悪城の壁を始め、両サイドが高い絶壁に囲まれた特異な空間であった。 |
も〜ここからは走りと歩きのミックスで行く。皆そんな感じだ。前の4人と会話をしながら称名滝へと詰めてゆく。正面の切り立った山に斜めにはしる窪地の奥に、日本1の落差を誇る滝がある。 |
レストハウスのエイドより約1キロ。この飛竜橋が八郎坂の登山口である。渡るといきなり急登が始まる。滝を間近に見るには橋を渡らずにまっすぐ進み対岸に渡る。 |
飛竜橋手前より八郎坂方面を望む。正面の立ちはだかるような山の中に、つづら折りの急登の登山道がついている。弘法までの行程は約3.5K、標高差約600M、登山標準コースタイム2:30(昭文社)である。 ■画面をマウスポイントすると向こう岸の「八郎坂」の石碑がUPします。■
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飛竜橋を渡るとスグに大きな石碑がある。この裏から登山道が始まる。「八郎坂」の由来は、元はとても急坂のため「胸突き八丁」から「八丁坂」と呼ばれていたが、その後登山者より「立山の谷や尾根には有名なガイドの名前が付いている。八丁坂にも付けたらどうか」という提案があり、当時著名な山岳ガイドであった佐伯八郎さんの名前をとって「八郎坂」となったそうな・・・。 |
つつら折のまさしく急登をガンガン登ってゆくと・・・。うお〜!あれが称名の滝か〜!遂に滝が見えてきた。 |
称名の滝(Shomyo
Fall):落差349Mの4段の滝で、落差は日本第1位。立山の雄山から続く阿陀ケ原の大地をV字状に侵食して、その先端の崖から落下する雄大な滝である。(八郎坂の滝見台より撮影) |
上から1段目、2段目、3段目、そして分かりにくいが4段目は映像の1番下ギリギリのところで始まっている。(望遠撮影) |
きびしい登りは続く。(中盤) |
ユキチにとってはこのような登山道は楽である。参加者の皆さんは鉄人ウルトラランナーではあるが、ど〜やら山屋である人は少ないようだ。ガンガン飛ばして追い抜いてゆく。モウスグ上部に到達する。 |
八郎坂上部。切り立った山の斜面をつづら折に登ってゆくのだが、切れ落ちているところもあり、滑落防止のためサイドにロープが貼ってあるところが結構あった。もうすぐ終了だ! |
八郎坂終了! 弘法へと続くロードに飛び出す。登山道入口からここまで標準コースタイムは2:00だが、約50分でこなしてしまった。 |
うへ〜・・・。またしても急勾配のロ〜ドの始まりである。すでに標高1500Mを超えてはいるのだが、カンカン照りで暑い。気を取り直し、弘法のエイドに向かう。もう少しのハズだ・・・。 |
弘法のエイドに到着。標高約1600M、スタートより約50Kを7:00:12で到達。ここからゴールまで距離約15K、約1400Mの高度を稼がねばならない。 |
ここは水の補給と、各種ゼリーが置いてあったので5個ほどいただいてスグに出発。約3〜4K先の弥陀が原バス停のエイドを目指す。この区間で高度約300Mを稼がねばならない。 |
助かった!この区間はホトンドこのような木道を行く。高原ハイウェイロードと平行して、木道が付いているのだ。 |
弥陀ケ原(みだがはら)は約標高2000Mに広がる、東西20K、南北3Kに及ぶ広大な溶岩台地である。起伏に富んだ高原で、随所に池塘があり、その数3000個ともいわれている。7〜8月は高山植物が咲き乱れる花の楽園。その中の木道を進んでゆく。ここは気持ちいい!風も爽やかに感じられる。 |
比較的平坦なところは走る。傾斜がキツクなったら歩く。このタクティクスで進んでゆく。ここは木道なのでつまずきやすく、走るときは気をつけてゆく。もうすぐ気持ちのよい木道も終了だ! |
木道が終わり、ロードに出て程なく弥陀ヶ原バス停エイドに到着。スタートより約53K、標高約2000Mの地点である。 |
このエイドの名物は「キュウリ」。塩をまぶして食べる。うま〜い!塩分補給には最高の食べ物!いくつ食べたか分からないほど食べてしまった。ゴメンナサイ! |
この大会で印象的なのは、(このエイドでもそうなのだが)1番エイド前方にいる2〜3人のボランティアの方が、到着20〜30M手前で実名を呼んで応援してくれること。「埼玉の早川さん!がんばって〜!埼玉からようこそ!がんばれ〜!」ってな感じ。えらい元気ずけられるのである。大変素晴らしい大会運営である。マラニックには237名のエントリーが認められたが、そのうち、なっ、なんと145名(全体の約60%)がリピーターという珍しい大会なのである。1度出たらやみつきになるワケだ。 |
エイドを出発。ここからが地獄だった。室堂のエイドまでの7K。ず〜ど高原ハイウェイロードを走ってゆくのである。しかも7Kで標高500M登る。過酷な急傾斜のロードが曲がりくねりながら延々と続く。しかも暑い!出だしは左に大日岳の稜線を見ながら登ってゆく。 |
先を見るとイヤになる。苦しいが何とか走りをミックスして進んでゆく。歩きっぱなしだとキロ14〜5分かかってしまう。走りを入れてキロ12分程度に上げるのが精一杯の状況である。コツコツ進むしかない・・・。昼の12時をスギ暑さも厳しさを増す。 |
コツコツ、コツコツ、歩きと走りのミックスで進んでゆくと・・・。あるカーブを曲がった瞬間!うお〜!!大きく視界が開けた!ゴールである立山雄山山頂が視界に飛び込んできた。浄土山も現れた!遂に来た!・・・ |
正面の立山の、向かって1番右のピークが雄山(3003M)。ゴール地点である。山頂の雄山神社の社務所も見える! ■画像をマウスポイントすると、山頂の社務所がUPします。■ |
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立山山頂を目指し、さらにコツコツと前進してゆく。早く室堂に着いてこのキツイロードから開放されたい思いで一杯である。苦しく長が〜いロ〜ドが続く・・・。 |
立山高原ホテルが見えてきた!もう室堂は近い。気力を振り絞り進む。 |
このあたりを天狗平というらしいが、左に通称「ソーメンの滝」が見えてきた。水源は地獄谷などで、別名「ご赦免の滝」ともいわれている。立山信仰において、地獄谷は死者の霊が集まるところとされ、生前悪事を働いた餓鬼が罪を許され、滝となって放免されることから「ご赦免の滝」と称されるらしい。合掌・・・。 ■画像をマウスポイントすると滝がUPします■ |
遂に室堂が近づいてきた。ホテル立山とバスターミナルが見えてくる。もう少し!行け〜! |
室堂接近!実はここは初めてである。雷鳥沢や、稜線上の一ノ越、剣御前などまでは来ているのだが、室堂は初めて・・・。 |
遂に室堂のエイドに到着!スタートより約60K、標高約2500Mである。弥陀ヶ原バス停からの7Kは1時間半を要してしまった。でも苦しく辛いロング・アンド・ワインディング・アップロードは終了である。この時点で9時間半近くを経過してしまった。一応10時間は切れると思っていたがOUT!である。 |
も〜、疲れた・・・。エイドのイスに座り込む。ここの名物は「おかゆ」。おかゆに梅干、昆布が入っている。うっま〜〜い!またしてもお替りに次ぐお替り。3杯食べてしまった。さらにジヤムパンを3個。ジャムの甘さがたまらんのでした。しばし、ここで大休止。 |
食べてすっかり元気回復!ゴール目指し出発!ここからは得意の山岳。でももう飛ばす気はない。周りのランナーと会話しながら楽しく行く。しかし、自分では撮影などして、遊びながらでも10時間は切れると思っていたが、いやいやど〜して結構手ごわい。12時間の制限時間はかなり厳しいと認識を新たにした。 |
一ノ越へ登ってゆく。登山道の整備は誠に素晴らしく、一般の方でも運動靴であれば誰でも楽に登れるように作ってある。8月の最後の連休ということで観光&登山に訪れているカップル、家族連れ、おじさん、おばさんのハイカーがメチャ多い。すれちがうたびに「頑張ってください!」と声を掛けてくれる。ありがたい。 |
雪渓を越えてゆく・・・。一ノ越はもうスグだ。 |
室堂より約35分で一ノ越に到着。ゆっくりと言いつつやはり早くなってしまう。ここは立山雄山と龍王岳の最低鞍部で小屋も建っている。標高で約2700mである。あと300mほど高度を稼げば頂上である。 |
一ノ越より室堂を振り返る。 |
一ノ越より立山(雄山)までの登り。ここは急峻でガレている。ユキチは何回も登っていて慣れているから良いが、初めての方はかなり辛く感じることは間違いない。この急登であと高度300m稼げば、そこは栄光とロマンに満ちた標高3000m越え、雲上のゴールが待っている。 |
急登開始〜!下部を登ってゆく。ゼッケンの色がパープルの方は、ウオークの部の方である。 |
中間部を登る。きびしい登りだが、見る見る高度が稼げる。ぷは〜っ!シンドイがもう少しだ! ■画像をマウスポイントするとユキチが顔を上げます■ |
頂上直下。社務所が近づいてくる・・・。 |
最上部を必死に脚を出し登るユキチ。もうゴールだ!例によってボランティアの方の「埼玉の早川さん、がんばれ〜!」の声援が頭上から降りかかる。4、5人で叫んで応援してくれている。思わず笑みがこぼれる。 |
山頂部に出た!ゴールはどこだ?! |
「お〜い!ここだ〜!」 おおっ!あそこか!あの1番奥。手製のゴールテープを振りかざしゴール地点を教えてくれてる。 |
ゴ〜〜〜〜ルッ!!! 10時間40分38秒(推定)。海抜0mの海から、標高30003M、雲の上の雄山山頂まで、一気に駆け抜けるロマン溢れる戦いは終わった。いままでに味わったことのない感動!達成感!腹の底から湧いてくる。ヤッター!! |
実はゴールはここだが本当の山頂はここじゃない。正確に言うとここは標高2999Mである。山頂はこの写真左奥の鳥居の奥、祠があるところ。あそこが3003Mである。 |
鳥居をくぐると、ここがその入り口。あの祠のある頂がが雄山神社であり、3003mの雄山山頂である。参拝料500円払って入る。参拝料は参加費に含まれており、ゴール後全員が参拝し「御祓い」を受けることになっている。ユキチもここから先は初めてである。いつも参拝料惜しさにパスしてきたからである。 |
ゴールしたランナーが鳥居を越え、続々と登ってゆく。山頂はそんなに広くなく、10名程度しか入れない。したがって入れ替え制になっている。 |
山頂の神社前で全員すわり、祈祷を聞き、御祓いを受ける。最後に神酒を飲んで山頂を後にする。厳かな儀式が行われる。 |
山頂にて。2週間前、快速登山で踏み越えてきた針ノ木岳や黒部湖がきれいに見える。 |
さっ、下山だ。入れ替え制なので結構あわただしいのである。山頂からゴール地点、神社社務所を望む。 |
社務所前より立山カールの大雪渓を望む。この雪は万年雪に近いんだろうな・・・。 |
同じく針ノ木岳(2820m)。立山から見てもそのシャープな山容は変わらない。個性の強い山である。(望遠撮影) |
室堂に戻り、エイドで荷物を受け取り、宿舎である雷鳥荘に向かう。歩いて30分程。途中で見つけた。これがかの有名な「立山玉殿の湧水」か・・・。もちろん名水100選。水量は1日2トン(スゲ〜!)を誇り、真夏でも2〜5℃の冷たさ。飲んでみる口当たりが柔らかく美味し〜い!我を争い観光客が試飲していた。 |
本日の宿舎、雷鳥荘が見えてきた。なかなか素晴らしいロケーションに建っている。本日はこのレースに参加した人でホトンド貸切状態であろう。早く温泉に入りて〜! |
素晴らしい温泉だった。展望風呂があり、大日岳方面を眺めながら入浴できる。(人の多さには参ったがしかたない。)入浴後ビール500ml缶を買い、外に出る。う〜、うまい!やはりこの瞬間がたまらない。立山山頂に夕日が当たり赤く染まるのを見ながら至福のビールを味わった。 |
雷鳥荘より夕日に輝く立山連峰。 |
夕食後、8時よりパーティが開催される。食堂はランナーの皆さんで一杯。なんと、ビール、日本酒が飲み放題である。日本酒は「銀嶺 立山」地元の銘酒がでた。ホントいたれり尽くせりの大会であった。しこたまビール、日本酒を飲み9時には爆睡状態となった。長〜い1日が終わった。
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