5.秩父往還143.7k!

ウルトラ 記録 23:39:16

スプリット

距離スプリット
CP1(33.3k)4:04:11-
CP2(42k)6:35:42-
CP3(52k)8:39:11-
CP4(69.2k)11:07:31-
CP5(86.7k)13:59:22-
CP6(101k)16:54:02-
CP7(111.9k)18:34:34-
CP8(126.6k)20:48:01-
ゴール(143.7k)23:39:16-

完走記

いや〜、やりました!甲府駅北口から国道140号(秩父往還)をひた走り川越の小さな旅川越温泉にゴールする全長143.7k、さらに標高2082mの日本三大峠:雁坂峠を越えてゆくという変態レース。苦節23時間39分16秒で完走!制限時間まであとワズカ約20分でした。これで私も変態の仲間入りです(笑)。簡単にレポしますね。14日(日)早朝、甲府駅北口にてランニング仲間の中村さんとスタート前に気合を入れる。あたりはまだ薄暗い・・・。

駅前の広場でスタートかと思いきや、信号を渡った商店街のモールの前だった。昨年、駅前広場で行ったところ信号待ちで大渋滞し大変だったらしい。総勢約250名の変態が集結(笑)。

午前5時30分、スタート!
制限時間24時間のあまりにも長い一日が始まった。

スタート直後、甲府盆地を見下ろしながら走る。天気は良さそうだが今はメチャ涼しい。

間ノ岳と農鳥岳が綺麗に見えた。只、残念なことに富士は見えない・・・。

15Kも走ると山間部の入り口牧丘が近づいてくる。牧歌的で大変イイところだ。もちらん巨峰でおなじみ。ブドウの匂いがプンプンしました。

20kを過ぎてあたりから山間部に入り、ロードは厳しい登りに入る。甲府駅から約30k地点の広瀬湖までで標高830m稼がねばならない。きびし〜い登りロードが延々と続く。

頑張って登りに登ってっております!

遂に左手に広瀬ダムが見えてきた!

うほほ〜っ!やっと広瀬湖に到着!ここは標高1100m。

富士川水系笛吹川を源とする、洪水防御、特定かんがい、上水道、発電などの役割を持つ多目的ダム湖。ここから流れ出る川が笛吹川。

9時34分、33.3kのCP1(チェックポイント)に到着。33.3kで標高差830mのロードを4時間4分。まずまずの入りだ。

CP1から約1kロードを進むと遂に雁坂峠への入口。ここが非常にわかりにくく通過してしまいそうだったが、スタッフの方がいて誘導してくれた。この大会はジャーニー・ランということで、自ら地図を持ちルートを確認しながら進むレース。誘導してくれるスタッフの配置は原則ない。ちなみに距離表示もない。

雁坂トンネルの甲州側の入口を左下に見つつ、舗装された林道を進む。

傾斜のきつい林道を約2kほど走るといよいよ登山道、いや今流にいえばトレイルが始まる。ここから約14kはトレイルだ。

最初は沢沿いに登り、こんな楽しいところもある(笑)。

沢沿いのトレイルを抜けるとあとはつづら折りの急登り。峠まで延々と続く・・・。

森林を抜けると笹原の急登となり峠直下。もう少しだ!

遂に到着!日本三大峠の一つ雁坂峠(2082m)。甲府駅北口から実に高度1807mを稼いでの到達である。古くは武田信玄の軍事道路、江戸時代には秩父往還としてかなりの交通量があったという峠だ。

峠は笹原で甲州方面、秩父方面ともに展望が良いそうだが、今日は甲州方面のみ。あの奥から延々と登ってきたわけだ。富士が見えないのは残念。「雁坂峠越え」と冠するこのレース、歴史ロマンを満喫できる素晴らしい大会であることを峠で実感した。

峠から下ること5分、雁坂峠小屋が見えてきた。

雁坂峠小屋:CP2に12時5分着。スタートから距離42k、標高差1807mのロード&トレイルを6:35:13で到達。予定より5分遅れ、ここまでは順調であった。

雁坂峠小屋からゴールまであと100k。距離はあるけどここからはず〜っと下り基調である。それだけが救いか(笑)。峠小屋からトレイルを駆け下るが、上部はこのように右サイドが切れ落ちているので気が抜けない。

後半はこのような気持ちの良いシングルトラックに変わり飛ばせる。が体重が72kもあると下りが非常にしんどく、スピードもでない。ガンガン後ろから抜かされた。しかもホント長い長〜いくだりでうんざり。結構足を使わされてしまった。トレイルの下りは嫌だ。

やっと国道140号に復帰。気温は25℃、陽のあたるところに出ると暑い。

埼玉県側に下ると下を流れるのは荒川だ。荒川の源流は甲武信ケ岳(2475m)にその源を発する。たった今、その分水嶺を越えてきたわけだ。

力走、力走・・・。

14時9分、CP3(52k地点)の川俣に到着。峠小屋からちょうど10Kの下りオンリーの区間だが、ナゼか2時間4分もかかってしまった。ガックシ・・・。足もかなり使ってしまったし、この区間から予定が狂いだす。ま、とにかく休憩だ。

このエイドにはカレーがあった。いただきま〜〜す!この大会は8か所エイドがあるが、それそれにそばやうどん、おにぎり、サンドイッチ等のおいしい食べ物があり我々をサポートしてくれる。とにかく食えなくなったらOUT!食っていくぞ〜っ!

CP3を出発するとコースは国道を離れ旧道(秩父往還)へと入ってゆく。ここがキツイ登り。もはや走ることはできない。国道が遙か下になってゆく・・・。

コース脇に栃本の関所跡がある。16世紀中頃、甲斐武田氏により配置。この頃、小田原北条氏が秩父方面へと進出し始め、武田信玄は秩父方面の監視と情報収集をを目的としてこの関所を配置。武田の周囲を囲む山々を最大の国境防衛線とする戦略の証だ。

この後、国道に戻るが通常ルートが崩落のため通行止め。迂回路を進む。すると車で試走したときのループ橋の下にでてきた。迂回したことにより1.7k距離が延び、今回に限り143.7kのコースになったのである。制限時間は変わらないのでより厳しいレースとなった。とほほ・・・。

また国道に戻り、大滝CP4を目指し力走。途中の道の駅大滝温泉で温泉でも入るかと思っていたが、とてもそんな時間はなかった(笑)。

また力走・・・。

またまた力走・・・。

やっとCP4が見えてきた・・・。

CP4(67.5k)に16時7分に到着。ほほ中間点をスタートから10時間37分で通過だ。「まだ半分か〜・・・」。が正直な気持ち。結構足を使わされていて、デブの上に練習不足の内臓と足にはしんどい。

CP4へ向かう道でサプライズ!なんとランナーのケアで全国的にも有名なタケアスリート鍼灸院(→こちら)のタケ院長が応援に駆け付けてくれた。聞けば三峰口から走ってきたという。ありがとうございます!一気に力が湧いてきた(笑)。(ワシが写ってる写真はすべでタケ師匠が撮影してくれたものです)

食い物の補給やら・・・。

水の補給やらに付き合ってもらい・・・。

元気にCP4を出発しました!
師匠ありがとう!ゴールまであと74.5k頑張るぞ!

大達原のCP4から秩父のCP5までは17.5k。途中で日が暮れてきた・・・。

夕陽に輝く秩父の名峰:武甲山が見えてきた。あの麓に広がるのが秩父の街だ。この後、道の駅:秩父のあたりで遂に闇に包みこまれ「夜の部」とあいなりました。

19時29分、秩父市街地のCP5(85.0K)に到着。85k(正確には86.7k)に14時間かかったワケだ。タケ師匠はここでも待っていてくれて、最後に気合を入れてくれた。謝謝!5回走って3勝2敗だというランナーの方から、「秩父で10時間残しなら完走できるよ!」と聞いてた。ということは可能圏にいるということか・・・。

秩父CP5よりは真っ暗なので写真撮影は終わり。だたひたすら足を前に出すのみ。秩父市街地から国道299号に入ると登りオンリーのロード。トンネルを抜けずに約100k地点の正丸峠(636m)まで高度約400m登らされるのだ。95kの正丸峠への入り口付近で急に胃が重く気持ち悪くなり道端にしゃがみこんだ。胃薬を飲み約10分、なんとか立ちあがり前進。ここが最大のピンチだった。正丸峠への5kは半分寝ながら朦朧と前進(というか蛇行してたな)。あんま覚えてない。気が付いたら峠だった。22時30分のことである。

正丸峠から残りあと42k。フルマラソンを7時間で走り切ればゴールできる。ということはキロ10分で進めば良い。すべて歩いたら終わりだが、走りと歩きをミックスして粘っていけば十分可能。という皮算用を立て完走を信じてひたすら進む。CP7、CP8のサポートを受けるがもはや何も食えなかった。長い長い夜が終わり空が明るみ始めた頃、「見えた〜!川越温泉の看板が〜!」

「見えた〜っ!ゴールだ〜!」
久しぶりに熱いものがこみ上げて来た・・・。

「ご〜〜〜る!」
苦節23時間39分16秒、制限時間まであと20分44秒残してギリギリのゴールであった。今回の完走は自分でもホント良くやったと思う。ゴルフ三昧による練習不足とデブ化ですでに内臓と足は死んでいたが、完走を信じる気持ち、その「気持ち」が肉体を突き動かした勝利と言えた。

このレースの売りにひとつは「小さな旅 川越温泉」のゴール後の入浴である。夜中から貸切状態で入浴できる。ただし、午前6時から清掃に入るので完走者しか入浴できない仕組みである。ゴール後温泉に突入!生き返る思いであった。体重は?〜・・・。143.7kも走ったのに全然減ってな〜い!(笑) でした。ちなみに1週間たっても太ももの前面がパンパンで走れる状態じゃありません。やはり身体に相当悪いレースでした(笑)?おわり



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