2.UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)STYの部 84.7K
(静岡県・山梨県) 2013年4月26〜27日(金・土)完走記

記録 18:42:47 (393位/744人)
完走率 92.6% (774/835)

ラップ&スプリット

地点距離ラップ距離スプリット備考
スタート A5(水ケ塚公園)12.5km2:11:18--エイド休憩16:08
A6(太郎坊)7.1km1:43:4819.6km3:55:06エイド休憩05:32
A7(すばしり)9.4km1:12:1829.0km5:07:22エイド休憩14:45
A8(山中湖きらら)16.4km3:30:2945.4km8:37:51エイド休憩12:13
A9(十二曲峠)5.9km1:38:1151.3km10:06:09エイド休憩10:59
A10(富士小学校)15.2km4:07:4566.5km14:13:54エイド休憩32:16
FINISH(河口湖八木崎公園)18.2km4:28:5384.7km18:42:47休憩TOTAL1:31:53

完走記

 2011年 10月22〜23日、日本山岳耐久レースに初出場した。完走後、「もう2度と夜間走り通すようなレースにはでるまい」と強く思ったのだが・・・。

 なぜか、UTMF(ウルトラ・トレイル・マウント・フジ)という響きに負けて・・・、
思わず13年の第2回大会にエントリーしてしまった!

 とはいうものの100マイルではなく、84.7k(STYの部)である。もちろん参加資格がこの部しか適用できなかったからである。で、

 無事、当選!

 そして、4月26日(金)はあっという間にやってきた。昨シーズンは、その前のシーズンにも増して練習量が減った。フルマラソンも1回走ったダケ。救いは食事制限により体重が70kを割ることが多々でてきたこと。(コンスタントではないが) 。あと3月のソウル国際マラソンで、こんなに練習しなくとも「サブ3.5」できたという安堵感があるのみ(笑)

  完走はできるだろうけど、苦しむだろうな〜・・・。

 STY(84.7k)の部でも累積獲得標高は4860mもあるという。ほぼ「ハセツネ」と同レベルで、距離が約13k長い・・・。11年の「ハセツネ」が18時間かかったからなあ・・・。

 20時間くらいはかかりそうだ・・・。

 スタートが13時なので、20時間後は翌日の午前9時。明日の9時にゴールか・・・。
さてどうなりましたでしょうか(笑)



4月26日(金)、スタート会場の「富士山こどもの国」に午前8時半ころ到着。GWのこどもの日も近く、たくさんの鯉のぼりがお出迎え・・・。

しかしまあ入園口からスタート地点まで遠いこと・遠いこと。というより、こどもの国が広大なんである。かなり歩かされます。入園から敷居が高い(笑)

あの一番奥が会場。富士山は雲をかぶっていて裾野しか見えない・・・。

20分ほど歩いただろうか、やっとスタート会場が見えてきた。

スタート会場全景

頑張りまっす!

これがスタートゲートか・・・。

上空には晴れ間も覗く。

ゲートを出ると気持ちの良い草原。ここをスタートしてゆくんだ・・・。

会場内にはすでに多くの出場者の皆さんが集結していた。

会場内の装飾が、よりいっそう雰囲気を盛り上げている。

マズは早速受付へ。

ゼッケン2390を戴いたのでそのブースへ。ここでトラブル。自分の証明書である「免許証」(必ず写真入りのもの)を忘れてしまった。本部に行かされ、なんとか健康保険証の提示で本人確認を許してもらった。かなり厳しいデス。

で、次の関門。レギュレーション・チェックへ。

これがまた行列になっている。

2〜30分並んでやっとテントに入れるところまで来た。

担当者がマン・ツー・マンで必修の装備品をひとつ、ひとつ確認してゆく。緊張したなあ(汗)。こんなに真剣にやるとは思わなかった。ちなみに、「ひとつでも欠けていたら出走できないのか?」と聞いたら、「原則はそうですが、最後は自己責任です。」との答えであった。

無事、チェック終了!
ゼッケンと計測チップを取り出し装着する。

ナカナカかっこいい計測チップ。完走したら持ち帰っていいのだそうだ。今回のシューズはモントレイル・マウンテンマゾヒスト。これが自分の足型に一番合うのだ。

スタートまで時間があったのでひとねむり。その後1時間前に荷物を預けた。このカーゴのままトラックに積み込むのであろう。ちなみに着替えなどを送れるエイドはない。

スタート30分前からセレモニー。徐々に会場全体が盛り上がってくる。

スタート前の記念写真(笑)。やや冷たい風が吹いていてレインウエアを身に付けないと身体が冷えてしまう状況。

よ〜し、やるゾ!会場であった皆さんと気合を入れた。

いよいよスタート、整列が始まった。

始まったア!13時ジャスト、号砲!約1000人のランナーがスタートを切った。河口湖までの長い、長い、長〜い「旅」の始まり、始まり〜っ!

マズはこどもの国の中をグルリと回る。

その後、林道へ

最初のエイドである水ケ塚公園までの12.5kは、標高526mを登るきびしいトレイル。林道からシングルトラックに変わると渋滞発生。

渋滞。

渋滞・・・。

大渋滞・・・。

中盤からやっと間隔があいてくるが、自分のペースで走るには程遠い。

途中、石がゴロゴロ転がっている溝(沢筋)を登ってゆく。この区間の特徴的な登りだ。

頑張っております。

2時間以上経過するもまだ着かない。と、不審に思っていた矢先、いきなり舗装路に出て「水ケ塚公園」の標識が。

12.5k地点、水ケ塚公園エイド「A5」に2時間11分もかかってやっと着いた。長い登りだった・・・。富士山はまだ雲をまとっている。

屋外のエイドかと思いきや「テント」だ。

中にはストーブも焚かれている。昨年の第一回大会より1月も早い開催。なので、寒さ対策を万全にしたのであろう。事実、この後のエイドすべてがテント、あるいは屋内であった。

しかし、スペースが限られるのでテント内は大混雑(汗)。

ひるむことなく食いまくる。ナゼか腹がすごく空いていた。このエイドの名物の「水餃子」。蕎麦と一緒にいただく。水餃子5個、蕎麦4杯、そして菓子パン5個くらい胃に放り込む。食えるうちに食っておかないとネ(笑)。

約16分ほど食いまくって出発!水ケ塚公園エイドを後にする。

ガンバリマス!まだまだ元気で〜す!

富士須山口登山道に入る。コース最高点(1800m)を越え、御殿場口の登山道である第二エイドの太郎坊まで大下りする9.4kの区間の始まりだ。

この区間は「歩行区間」。走ってはいけない。自然環境に配慮した大会運営になっている。こうしないと開催できないのであろう。ちなみにストックも原則禁止。最終区間だけOK。

長い走行禁止区間の林道を抜けると、火山性の砂礫がでてくる。森林限界も超えそうだ。

傾斜もきつくなり、左手に富士も見えてきた。

抜けた〜!前方が大きく開け、富士が見えてきた・・・。

振り返ればスタート地点の富士山こどもの国がはるか下に見える。

あそこがコース最高地点だ!

コース最高地点:四辻(標高1800m)。100マイルのコースを含めても、ここが最高地点である。

ここから右に進み、太郎坊を目指す。このあたり実に開放的なトレイルだ。

御殿場市街地周辺を見下ろしながら快適なラン(喜)。

フカフカの火山灰土のトレイルをゆく。このあたりがこのコースのハイライトだな。

太陽の日差しが時たま入る。

この不思議な高原の中を走っていると、何か別世界にいるようである。

いよいよ太郎坊への下りに突入!

出た〜っ、豪快な下り!

ここは飛ばせる!
柔らかい砂礫に足を埋めながらカットんで下ってゆきます。

振り返れば山頂部は見えないまでも、富士山がだいぶ見えるようになってきた。

太郎坊のエイドが見えてきた!

スタートして約4時間。午後5時近く、夕日を浴びる富士をバックに19.6k地点、太郎坊エイド「A6」に到着した。

太郎坊エイド入口。

まだお腹はいっぱいであったが、おにぎり2個を食う。「食えるうち食う」これが鉄則。食えなくなったら終わりだ・・・。

ここは約5分の休憩で済まし出発!日が暮れる前に次のエイドのすばしりまでは行きたい。

太郎坊エイドからすばしりエイドまでは9.4k。ず〜っと下りで、標高で593mもの大下降である。気持ちの良いシングルトラックを駆け下ってゆく。

この頃になると、ランナーはほとんどバラけて間隔が開いてくる。マイペースで走れてリズムが作れる。快調に下ってゆく。

延々と林道を下ってゆくと突然舗装路に出た。もうすぐエイドだ。

振り返ると夕陽に赤く染まる富士山。18時をずぎ、いよいよ夕暮れが近い。

29.0k地点、すばしりエイド「A7」に到着。5時間7分かかった。

「磯辺焼き」などを食えるだけ食った。まだ全然胃をやられておらず快調である。水もがぶ飲みした。

約15分休憩して元気に出発!次の山中湖のエイドまでは16.4kの山越え。気合を入れ直してエイドをでた。

暮れゆく富士をバックに山中に向かってゆく。もうすぐ日が暮れる・・・。

ここから山の中に突入!山中湖の南東に聳える三国山へと続く山脈に入ってゆくのだ。

いよいよライトを装着する。記念に撮影しておいた(笑)。

いよいよ闇に包まれるう〜・・・。

さあ、闇の世界に突入だ!約8時間続く闇の中の戦い。嫌だけどやるしかない・・・。

暗闇で撮影できないので後はエイド通過のみの報告。21時37分、3時間30分かかって三国山(1320m)山脈を越え、45.5k地点の山中湖きららエイド「A8」に到着。いいペースで進めている。このままいけば20時間かからなそう。

23時6分、51.3k地点の十二曲峠エイド「A9」に到達。まさに真夜中だ。ここから最難関の杓子山越えが始まる。次のエイドまで15.2k、標高約450m登って、約900m下る厳しい区間だ。

翌午前3時13分、睡魔と闘いながら壁のような杓子山の岩場などを克服し、下りに下って遂に富士小学校エイド「A10」に到達。もうヘロヘロ。

腹が減ってしまいハンガーノック状態に近い感じだったので、ここでうどんを5杯いただく。丈夫な「胃」をもって幸せ(笑)。

ここで戦友にあう。名古屋から参戦のカズタカくん。昨日は夜勤で一睡もしていないのに出場したそうで、さすがにここで1時間半近く寝ていたそうだ。一緒に出発。最後の区間は最長の18.2k、標高700m登って600m下る最後の難関。はたしてどのくらいで通過できるのか・・・。

再び山中に入り、長い登りと睡魔と格闘していると、うっすらと明るくなってきた。
ありがたい!
日の出だ!

来た〜っ!お日様〜っ!森の中でご来光。暖かい光が満面に満ちてくる。寒かったし、こんなに太陽に感謝したことはあっただろうか・・・。

今日は富士山がクリアーに見える。素晴らしい朝だ!睡魔もぶっ飛ぶ!

お〜、とうとう河口湖が眼下に見えてきたぞ〜!

トレイルを抜け林道へ入ると富士の眺めも抜群だ!さすがウルトラトレイル・マウント・フジ。富士山拝むと元気がでた。

いよいよ林道の下りが終わり舗装路にでた。
下界だ〜!

コースは富士浅間神社の境内内を通過する。あそこが本殿。遠くから拝礼しておいた。

浅間神社の大鳥居をくぐると残り約3k。

河口湖畔へと続くロードをゆく。もう少しだ・・・。

とうとう河口湖畔に出た!

思わずガッツポーズ!

あとは楽しくゴールまで走るのみ。湖畔の公園を進んでゆく・・・。

強風の吹く河口湖大橋を渡り〜・・・。

対岸へ渡り湖畔に降り、ゴールの八木崎公園へと湖畔をゆく。

見えた!あそこがゴールだ!

ゴールの花道に入った。熱いものがこみ上げてくる・・・。


苦節18時間42分47秒、時刻は午前7時42分、至福のゴールを駆け抜けることができました!
ありがとうございます!

頭上にはマウント・フジが白く輝き、祝福してくれているかのようでした。来年100マイルに挑戦することを富士に向かって誓い、会場を後にしたのでありました。

これが欲しかった「完走ベスト」。

このマークがカッコいい(笑)。
来年は2着目GET!スルゾ!

―おわり



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