6.能登半島すずウルトラマラソン 100k (石川県)
2013年10月20日(日)完走記

能登半島すずウルトラマラソン

記録 12:16:51 135位/344人中(男子)
男子完走率 68.8%(344/500)

天候 雨時々曇り   気温10.8〜16.7℃

ラップ&スプリット

距離ラップスプリット備考
10km1:03:36-プロローグ  大会当日  10km地点写真
20km55:591:59:3520km地点写真
30km1:05:183:04:5330km地点写真
40km56:044:00:5740km地点写真
50km1:08:125:09:0950km地点写真
60km1:17:196:26:2860km地点写真
70km1:23:547:50:2270km地点写真  後編(73km地点写真)
80km1:31:409:22:0280km地点写真
90km1:34:4710:56:4990km地点写真
100km1:20:0212:16:51ゴール地点写真  エピローグ

完走記

プロローグ(大会前日)

 「心はひとつ、道は厳しく、人はやさしく能登の道」
 「世界農業遺産」能登珠洲の里山里海。海岸線、山間部で30箇所以上のアップダウンや鐘を鳴らすと幸せになれる軍艦島、世界農業遺産の千枚田、半島最先端の狼煙灯台と能登半島の最奥の数々の観光地を巡る走り旅。ホント、飽きることがありません。

 完走率7割と過酷なコースと評される一方、エイドステーションでの人情味あふれる心温まる郷土料理の数々。地元ボランティア約400名が懸命に応援してくれ、能登人のやさしさにたっぷり浸れる想い出多い大会です。

 わかりやすくこの大会の特徴は? というとこんな感じである。

 今年は、4月にUTMF(STY)、5月に八ヶ岳野辺山100k、9月に八ヶ岳スーパートレイル100kと超長距離レースを3本こなしてきたが、いずれも山岳及びトレイルレース。最後のもう一本の100kは「海」を見ながら走りたい!そこで思い立ったのがこの能登すず100kである。調べてみると、約58キロ地点から日本海の海海岸線に出て、約93kまで海沿いに走るコースであった。

 奥能登の日本海の海岸線を約35kに渡ってず〜と走れる!これは素晴らしいゾ!奥能登の素晴らしい自然とこのレースの魅力を世に伝えてやろう!

 ということで、今回も「ランナー兼カメラマン兼ライター」として出場し頑張ります!

 能登半島は初めて。電車やバスでは非常に時間がかかるので飛行機でゆく。2003年に開港した能登空港を利用すれば羽田からワズカ60分である。空港からは乗合タクシーを利用すれば約1時間で大会会場だ。ANAの旅割55でナント往復2万円ちょっとで航空券をGETできた。

 第2回大会で出場者は500名程度。この大会も地元の手作りの大会で、きっと至れり尽くせりであることが予想される。楽しみだ!今回もなにとぞ晴天を。

 2013年10月19日(土)早朝、東所沢駅より羽田行きの西武のリムジンバスに乗り込み、ワクワク気分で出発したのでありました。

東所沢6:15発の羽田行きに乗車。想通り渋滞して約2時間かかり羽田に到着した。

9:55発 ANA747便。能登空港には羽田からは1日にワズカ2便しかない。搭乗時刻にはまだだいぶ時間がある・・・。

ということで第二ターミナルの展望デッキへ上がってきた。

出発前の空港は大好きである。これから初めて能登半島に上陸。100kの大会がなかったらマズ行かないところ。ウルトラマラソンで日本中を旅するのはワクワクしますね〜(喜)。

搭乗時間まで展望デッキのOPENしていないレストランのお席をお借りしてくつろぐ。「あれ〜、ビール飲んでないんですか〜?」と声が聞こえてきそうだが、今回は水曜日から「酒抜き」を実施、今日で4日目。練習してなのでセメテもの努力です(笑)。

搭乗〜!

お〜、能登半島の突端が見えてきた!

約1時間で、あっという間に能登空港到着!青空だ!

さっそくタクシー乗り場に向かう。といっても普通のタクシーとは違う。ここか〜・・・。

能登半島は過疎化が急激に進み、鉄道およびバス等の公共交通機関が非常に手薄。なので「ふるさとタクシー」なる乗合タクシー網が発達している。もしろん予約制。

車内はマラソン参加者でいっぱい。一路、能登半島最奥の珠洲市の中心地、飯田地区に向かう。

ふるさとタクシーは非常に親切で、大会受付会場から各宿泊場所の前まで送ってくれる。約1時間で今日泊まる民宿:えばたサン前に到着。

ん〜・・・。
軒先にはこのようなものが。

へ〜っ!民宿:えばたサンは魚屋さんだったのね。ラッキー!夕食には素晴らしい海鮮料理が食べられそう!小踊りしてしまった(笑)。

宿に重たい荷物をおろした後、空身になって受付会場に向かう。宿のスグ前には奥能登の真っ青な海と空が広がり開放感抜群。やはり海はイイ・・・。

こちらの方角、あの飯田地区の中心街に受付会場がある。

会場までは約1.5kくらい。海岸線沿いに堤防の上をゆっくりと海を観賞しながら進む。ポカポカしていい気持ちだ・・・。

橋の上にはこんなモニュメントが・・・。

大会受付会場の「ラポルトすず」前に到着。

こちらが受付会場入り口です。

エントランスに入るとこの柱の看板広告に目を奪われた。能登丼だ!このラポルトすずさん内のレストランは地元の「レストラン浜中」さんが出店しているお店だ。受付開始時間までまだ時間があったのでマズは腹ごしらえ。

宿が魚屋さんだったので食事は魚三昧が確実。なので、迷いなく「能登牛丼:ローストビーフ丼」を注文!本当は予約が必要ということであったが、食べさせてもらえた。来た〜っ!

秘伝のタレをかけまするう〜。

ものすごく分厚いローストビーフがぎっしり!うほほっ〜、おいしそう!これで1380円はありえね〜!

このブ厚さデス(驚)!

温泉卵をつぶしてと・・・。卵にからめていただきま〜す!

とは〜っ!うまいっすね〜っ!これ〜っ!早くも大きな幸せをGET!

大満足して受付会場にGO!

無事受付終了!
ありがとね〜!
頑張ります!

受付会場から出たところで「ユキチさんですか〜?」の声。今年の野辺山でも声をかけていただいた我がHPの愛読者のS口さんとN原さん。いつもご覧くださりありがとうございます。
お互いに頑張りましょうね!

ふたたび宿に戻り、ランニング姿に着替え海をバックに出発!

ここから約8kほどの観光名所:軍艦島(本名見附島)を目指す。あの中央左の島(望遠撮影)です。

キロ7分の疲労抜きJOGで海岸線をゆく・・・。

左には富山湾の海が広がる。内海なので穏やかだ・・・。

実に気持ちの良いラン。中央奥に軍艦島が大きくなってくる。ゆ〜くりと走り疲労を抜いてゆく・・・。

いや〜、美しい海岸線沿いに島が近くに見えてきました!

砂浜に降りたって走る・・・

水路に入ってきた・・・。

道標も出てきた。もうすぐだ。

お〜っ!見えたゾ!

最後の直線。

到着しました!軍艦島(正式名称:見附島)。形が軍艦に似ていることから別名がつけられた能登のシンボル。高さ28mの奇岩です。

ここから見るとホントに軍艦みたいだ・・・。

ここをつたって行けば島に渡れる。満潮になったらOUT!

とりあえずランは終了。軍艦島、ナカナカの島でした。

これは明日のコース表示だな・・・。

鐘の前を通過するように進路を示している。

なるほどコレか、縁結びの鐘。明日の予行演習として鳴らしておきました(笑)。「カアアア〜ン」結構大きなイイ音してました!

さ〜て、いよいよ温泉だ!軍艦島にほど近い珠洲温泉:国民宿舎のとじ荘さんに伺いました。

早速、温泉へ。内湯を通って・・・。

お〜っ!いいね〜っ!軍艦島が目の前に見える。この露天風呂を弘法の湯と呼ぶそうです。男女入れ替え制で利用ということで、今日は運が良かった(喜)

湯船にゆったりと浸かりながら富山湾の海と軍艦島を望むことができる。お湯無色透明ながらお肌スベスベ。もう最高〜っ!

極楽の弘法の湯でした(喜)。

宿に戻ると早速夕食。腹減った〜。で、どど〜っん!素晴らしい夕食が出てきました!流石、魚屋を営む民宿:えばたさん、ありがとう!

焼き魚はナントあの高級魚:のどぐろ!

刺身もバカ旨のアオリイカを始め最高!も〜、お腹いっぱい食べてしまいました。やっぱり民宿もイイスね〜!

お腹いっぱい食べて明日に備え、部屋に帰って準備開始。今回はゼッケン「98」をいただきました。この大会ではゼッケンは齢の順ということ。つまり参加者の中で98番目に年寄ということ。おもしろいですね〜!準備完了後、7時半には大人しく床に就いたのでありました。

実況中継(当日)

 午前3時ジャスト、同室となった伊藤さん、牧野さんと起床。シャワーを浴び、民宿:えばたさんが真心こめて作っていただいたおにぎりをいただく。3個ほど食べてお腹快調!感謝デス!スタート地点までは歩いてスグなので4時10分頃同室の皆さんと出発した。

 外に出て天を見上げると、まだ真っ暗な空には一面の雲!

 「残念!せめて雨は降ってほしくないな〜・・・」

 天気予報は「曇り時々雨」。昨日の晴天とはうって変わっての曇天である。昨日は晴れて「暑い」くらいだったので、曇天でよいのは「暑くない」こと。しかもそれほど寒くない。雨・風さえ弱ければ走るには良いコンディションとは言える。たまには薄日でもさしてくれれば最高だろう。とタカをくくってスタートへ向かったのでありました。

 さ〜て、またしても長い、長〜い一日が始りであります。。

能登すずウルトラマラソン100k  前編(0〜73K)

Map 0-73K

4時25分、大会会場の珠洲健民体育館に到着。あたりはまだ真っ暗である。

スタート約30分前ということもあり体育館内は出場者でいっぱい。

もちろん当日受付もあります。

本日は闇の中のスタート。このように危険防止のため反射板が配られた。スタートでこんなのは初めて。親切ないい大会だ。

さて、荷物預けも完了。体育館横のグラウンドに向かう。このころから小雨がパラついてきた。

ここがスタートゲート

頑張ります!反射板が輝いていますね〜!今回は水曜日から禁酒(これで練習不足をカバーするしかなかった)。なので、体調もいい。写真を撮りながらも12時間以内でここに帰ってきたい。

スタート10分前、いよいよ出場者が集合を開始。反射板がネオンのようだ。

うらめしや〜・・・。
雨が本降りとなる中、774名(100k:570名、60k:204名)のランナーがスタートゲート前に集結した。

午前5時ジャスト、雨の降る中スタート!

長い長〜い「旅」が始まりました。雨で濡れたグラウンドの土を踏みしめて、暗闇の中、スタート会場を後にしました。

暗闇の中、まずは見附島(軍艦島)を目指し走ります。

見附島が近づいてくると、あたりがやっと明るくなってきた。

8k付近の見附島エイド。もう明るくなり、ここで反射板は回収。しっかり水を補給してゆく。

エイドを出ると、昨日観光で来た見附島(軍艦島)へ走ってゆく。

朝の軍艦島もいいね〜・・・。海も実に穏やかだ。

いちおうレース中にも記念撮影(笑)。 

そして「縁結び」の鐘の前を通過。

ランナーの皆さんの多くの方が「鐘」を鳴らしてゆきます。ユキチは昨日鳴らしたのでパス。

10k通過!1時間3分台。ちと抑えスギかな(笑)。

15kを過ぎると日本海側に向けて進路を取り、半島の山間部へと入ってゆく。山間部といっても標高200m程度ですが・・・。

前方に4人のランナーがいますが、ゼッケン30番代は60歳台、300番代は30歳台、400番台は20歳台。ゼッケンから年齢がわかるのでおもしろい!「ゼッケンが年齢順」、このアイデアは実にイイ!(笑)

ゆる〜いUP・DOUNを繰り返しながら走ってゆく。雨は降ったりやんだりだが、強く降ることはない。

20k通過!この10kは55:59とペースを上げた。今日はけっこう調子がいい。

能登半島、珠洲市の中央部である宇都山地区に入ってきた。キロ6分以内のペースを意識しながら進んでゆく。

前方に100kと60kの分岐点が出てきた。100kは左折、60kは直進。

左折するとコース最高点の八太郎峠への登りが始まる。8kで高度約200mを登ってゆく。

ポツンと立派な蔵があった。20kスギからは能登の里山をたっぷり堪能できるUP・DOUNのあるコースが続く。

いよいよ傾斜がきつくなり山間部へと入ってきた。ここで雨脚が強くなる。でも、まだまだ元気!快調に走って登ってゆきます。

県道40号、通称「珠洲里線」。まさに能登の里山線をゆく・・・。

さらに傾斜がきつくなってきた。雨脚がきつい・・・。でも晴れていたら暑いだろうな。

お〜っ、左手に湖が見えてきた。八太郎峠手前の若山ダムである。

ダム湖に架かる橋を通過。

ダム湖直前の登りはけっこう厳しい登りだった。振り返るとカナリ登ってきたことが実感できる。

ダム湖を通過してさらに登ってゆくと前方にエイドが!あれが30kのエイドだ。この頃は雨は上がった。

30kの八太郎峠エイド、峠はもうすぐ。ここでチョコをもらい水をがぶ飲みした。

30k通過!ここからは輪島市に入る。約10kで高度200mを登ってきた坂はこれにて終了。この10kは1時間5分、ガンバリすぎたかな(笑)。

峠からは一気の下り!5kで一気に高度200mを駆け下る。杉並木の中を駆け下ってゆく。

輪島市の日本海側の海岸を目指して下ってゆく。あの向こうに日本海が広がっていると思うと、早く着きたい思いで自然とスピードが上がる。

5kに渡る急坂を駆け下り平野に出てきた。町野地区である。

まだまだ元気、今日は実に身体が軽い。やっぱりレース前に「酒」抜いたのが効いたのかな(笑)。

この先がしんどかった。約35k地点の町野の平野部から突如林道に入り、小坂峠〜舟木谷峠と2kで高度約130mを登る坂。かなりキツク感じたな〜。これは小坂峠を越えて下りに入ったところ。この先に舟木谷峠が待ち構える。

舟木谷峠から下ってゆくと40k通過!この10kはキツイUP・DOUNがあったが56分でカバー!40kをちょうど4時間で通過した。近年稀にみる好タイムだが、通過の手前で折り返してきたTOPランナーとすれ違った。先頭とは早くも約10kの差がついている。

林道を下り終えて平野部に出てきた。名舟地区だ!もうスグ日本海が眺められるゾ!

約42k地点の名舟エイドは休まずにスルーして直進!お〜っ・・・、日本海だ〜!ようやく日本海とご対面。

遂に日本海の海辺に到達!45k地点の千枚田まで比較的緩い登りの海岸線をゆく。

約3k海岸線を進むと傾斜がキツクなってくる。千枚田が近づいているようだ。

世界農業遺産登録の白米千枚田が見えた!海岸沿いの急斜面に2千枚を越えるという小さな水田が階段状になって連なっている。

記念撮影(笑)。

千枚田に到達したところが折り返しだっ〜!

折り返して日本海に向かって下ってゆく。
気持ちいい〜っ!

花咲く海岸線を下ってゆく。これから38kで通過した町野地区まで、もと来た道を峠を2つ越えて戻ってゆく。

先ほどはスルーした名舟エイド。横目でちらっと確認したのだが、ここにはカレーがある(喜)。

お〜っあるある!
腹減った〜っ!

いただきました〜っ!おいしい〜っ!ありがとうございました!
3杯食っちゃいました(笑)。ウルトラでは食えなくなったら終わりです。

この水ようかん、抜群においしかった!これも5個も食っちゃいました。

ここで知人にお会いしました。飛騨高山100kウルトラマラソンの「生みの親」の丸山さん。今年の第2回大会は約2000名のエントリーを記録。日本を代表する100kレースにした立役者です。高山から参戦です。こういうところでバッタリお会いできるというのはご縁があるんですね。ゼッケンが近いので同じくらいの歳ということ(笑)。

50キロ通過!5時間9分で到達。このコースは前半がきついので好タイム。今回は50キロまでは頑張ろうと思っていたので後はゆっくりと。

50kからは先ほど越えて来た舟木峠と小坂峠をもう一度越えてゆく。これを越えればあとはホボ平坦な海岸線のコースを行くだけ。75kと85kに鋭い峠が2つあるけどね。

峠を越えていよいよ曽々木海岸に向かう。海岸まであと4kくらい。そこからは85kまで日本海の海岸沿いを延々と走れるのだ。しかし、この辺からガクッと足が重くなる。やはり前半飛ばし過ぎたか・・・。

う〜ん、左手に山がなくなり大きく開け、磯の匂いが漂ってきた。
海が近いぞ!
先ほどから足が重くもう歩きたくてしょうがない。実に苦しい・・・。

お〜っ、河口から遂に日本海が見えてきた!疲れが吹っ飛ぶ。

58k付近の曽々木エイド。
疲れた〜・・・。
ここで大休止。この編で歩きたくなるようだと後が非常に心配。しっかり休んでいかないと。

重たい足を引きずってエイドを出るとすぐに海岸線にでた。休みはしたがあまり回復はしなかった。ここから85kの狼煙灯台付近まで延々と約25k、日本海の海岸線を走ってゆくことになる。

うほほ〜、さすが日本海。荒波で削られたのか奇岩が現れる。

実に素晴らしい海岸線のロード。晴れていれば最高だろうな〜・・・。

風光明媚な海岸線をゆっくりと走る。後はとにかく歩かずにゆっくりと走ってゆけばよい。今は雨は小康状態・・・。

実に見事な岩礁がある。「窓岩」というのだそうです。

お〜っと、前方にトンネルが見えてきた。

約800mの八世洞門トンネル。最初の長いトンネルだ。素晴らしいのはトンネル内の車線半分を規制してランナー専用にしてくれていること。このように入り口で規制してくれる。ここまでやってくれた大会はないな〜・・・。

トンネルを向けるとそこは珠洲市。輪島市とはこれでお別れだ。出たところに「垂水の滝」という名瀑があった。山から海に直接流れ落ちる滝は全国的にも珍しいということです。

60k通過!この10kは1時間17分。もうこのペースでいいや・・・。

海岸線のロードはいいね〜!平らだし気持ちいいし・・・。

少し行くと2番目のトンネルが見えてきた。逢坂トンネルである。

このトンネルも車線規制してくれている。ありがとうございます。トンネルに入る手前あたりから雨脚がかつてなく強くなってきた。やだな〜・・・。

トンネルを出ると、たまらずウインドブレイカーを着た。いいコースなのに残念。まだ余力は十分あるが、これで風が強くなったら寒いし体力消耗しそう。

風光明媚な仁江海岸をゆく。ここは日本夕陽百選に選ばれているところ。

この街道は「塩街道」と呼ばれている。この先の仁江海岸沿いには塩田村があるのだ。

来たぞ!塩田村。ここは日本で唯一受け継がれてきた「揚げ浜式」による塩田である。メチャ、ミネラルが豊富な天然の塩が作られているそうな。

ここで強烈に雨脚が強くなった。たまらず63kの塩田村のエイドに駆け込む。

蒸かしたてのホカホカのジャガイモがあった。とは〜っ!うまいっすね〜っ!これ〜っ!揚げ浜式で採れた天然の塩がふりかけてあり
メチャ旨い!寒かったし心に残るおいしさでした。むしゃぶりついて何個食ったかわかりません。

ジャガイモで大いに元気を回復し出発。灯台のある鞍崎の岬が見えてきた。ここもトンネルがある。

トンネルを抜け、大谷の街を通過すると右手から249号線がおりてくる。60kの部はここから合流。スタートが同時なのでもう遙か先、いやもうゴール付近であろう。

70k通過、7時間50分経過。「ラスト30k」という表示はおもしろい!この10kは1時間23分もかかる。寒くて身体が固まり足も重く苦戦。風雨が強いと海岸線のランは修行だな。あと3kで自然休暇村のエイド。そこで早く着替えがしたい・・・。

風光明媚な日本海の海岸線は続く・・・。

このあたりに「ゴジラ岩」というのがあるらしいが見落とした。下を向いてひたすら前に進んでいたからね〜、残念!

着いた〜っ!
73キロの自然休暇村エイド。ここには荷物が搬送され「着替え」ができる。

マズは着替え。といっても変えたのはランニングタイツからタンパンへ。シューズを軽いものへ。トップスは変えず。ちょうどエイドに着いたときに雨も上がり天候回復の兆しがあったのでこうしたが、これが裏目にでるハメになるとは・・・。

腹ごしらえだ〜っ!
能登米の塩おにぎり、
うまっ!
ガンガン食いました!何個食ったかな?(笑)。

暖かい味噌汁。ありがたや、ありがたや。

さらに金沢星陵大学の学生さんが、ファインテンのブースでマッサージを行ってくれていた。

もちろんやってもらいました!
ありがとね〜!
さあっ、あと27k頑張るぞ!

約20分ほどしっかり休憩し、元気よくエイドを後にしました。

能登すずウルトラマラソン100k  前編(73K〜100K)

Map 73K-100K

エイドを出発しコースへ復帰。禄剛埼(ろっこうざき)灯台まであと12kに接近してきた。

折戸の狼煙漁港へ抜ける高台の海岸線から振り返ると、実に印象深い海辺の風景が広がっていた。このあたりは細かいUP・DOUNがあってけっこうしんどい。

折戸の狼煙漁港を通過・・・。

漁港を通過すると、いよいよ後半の最大の難所:椿峠へ向かう。いよいよ近づいてきたようだ。あの先の半島から登ってゆくロードが見える。

はじまった!
海抜0メートルから標高180mの椿峠への急坂だ。

半島を回り込むと〜。ドドド〜ン!うひゃ〜!これがラケット道路か〜!周囲の切り立ち方はアルペン的ですらある。

ぐ〜んと登ってゆきます。この時からまたしても雨脚が強くなる。風も出てより一層きびしい登りとなった。

歯を食いしばってのラン。びしょ濡れになりながら登ってゆきます。

上部に行くほど傾斜はきつくなってくる。もうホトンドのランナーが歩き。山の上の方は紅葉が始まっているようだ。

ここはなんとか歩かずに登り切ってやるゾ!気合の登り。

すいぶん登ってきたゾ!

左手には日本海が大きく広がってきた・・・。

見えてきたぞ!
79kの椿峠のエイド。

振り返れば登ってきたラケット道路が見渡せた。ラケットの形に見えるので名がついたというがそうは見えんな〜・・・。しかし厳しい登りだった。

標高180mの椿峠エイドではこんなもんが配られました!

ぐい〜っと一気に!

ぷふ〜っ、旨い!
オロナミンCってこんなにおいしかったっけ?ありがとうございます。元気出ました!

さあっ、今度は峠からの一気のくだりだ!

下りの途中で80k通過!「ラスト20k」!9時間22分で到達、かなりスローになってきた。

ここからは奥能登絶景海道をゆきます。雨天で眺望があまり効かないのがナントモ残念。

ぐんぐん下ると折戸町の漁港が見えてきた。

町に下るやいなや、今度は登りに突入。禄剛埼温泉のある狼煙漁港への峠越えである。ここでやっと海岸線から離れて走ることになる。海岸線は風が強く寒かったので助かった。

標高30m程度の峠を越えて狼煙町の平野に出てきた。

左右の畑には実にユニークな姿の案山子たち。能登っぽいのかな(笑)。でも暗がりで見たら不気味すぎる。このあたりからまたしても雨脚が強くなる。

道の駅:狼煙(雨が強くて写真撮れず)が見えてきた。灯台はどこに見えるんだろうか?と思っていると、突然道の駅の手前で左に引き込み線があり誘導された。細い遊歩道を登ってゆく。
なんだあ〜・・・。

うわ〜っ!凄い登りだ!これが噂の灯台への壁のような登りか!一度出場された皆さんが「やりすぎだ!」と言っていたところのようだ。雨が非常に激しく降りだし、最悪の灯台めぐりになった。
寒い〜・・・。

あれが禄剛埼(ろっこうざき)灯台だ!通称:狼煙の灯台。ここは能登半島最北端の岬で、外海(日本海)と内海(富山湾)の接点にあたるところ。天気が良ければ佐渡から立山連峰まで180度の大パノラマが楽しめ、「海から昇る朝日と、海に沈む夕日」が同じ場所で観られることで有名だそうだ。

灯台をグルっと回って折り返し。もう土砂降りのような雨で、ここは風も強く急いで逃げるように退散。最高の展望の場所で最悪の天候、誠に残念!

道の駅前のエイドで少し休もうと思ったが屋外のテントなので寒くて休めず。じっとしていると寒くて堪らないのだ。このエイドの名物「ミニ能登丼」を3皿速攻でいただいて出発。写真を撮る気力なしで「ミニ能登丼」ご紹介できません。でもおいしかったデス!で、ふたたび海岸線へでて進む。もう風雨が強く寒くて、寒くて。身体が冷えて固まり動かない・・・。

海もこの荒れようです。73kの着替えで短パンを選択したのが悔やまれる・・・。が、進むしかない。

90k通過!「ラスト10K」。この10kはナント1時間34分もかかる。この表示がでてくるまでナント長かったコトか・・・。もうボロボロになってきた。早く寒い海岸線から離脱したい。

90kを通過して1kも行くと海岸線とおさらばし内陸へ入った。助かった〜・・・。でも、もう写真を撮る元気もなくノロノロと前進。カウント・ダウンの距離表示だけ根性で撮影した。ラスト5K!

ラスト4K!雨は少し弱くなり内陸なので風も強くない。
もう少しだ!

ラスト3K!身体が温まってきて「力」が蘇ってきた。5kの手前で、昨日受付でお会いした我がHPの愛読者のS口さんに追い抜かれたが、また追い付きそうになってきた。

ラスト2K!回復して楽に走れるようになっちゃった。S口さんに追いついてからは一緒におしゃべりながら楽しくゴールを目指す。スピードはUPできたけどもういいや・・・。

ラスト1K!午後5時をスギ、あたりは急速に暗くなってくる。雨脚がまた強くなってきた。でももうすぐ終わる・・・。

ゴール会場の健民体育館の400mトラックへ向け最後の登りに突入。

帰ってきました〜っ!

強い雨が降りしきる中、会場内に入ってゆきます。

まばゆいバカリのライトを浴びながらゴールへと向かいます!

見えた〜っ!





S口さんと仲良く並んでゴールしました。最後の残り3k、一緒に走れたのでずいぶん「楽」にゴールできました。お疲れ様でした!またどこかでご一緒に走りましょう!

エピローグ

戦い終わって翌日。ゴール後、速攻で宿に帰り風呂。メシ食ってそのままバタンキューだったので朝5時には目が覚めてしまった。重たい足を引きずり海辺へ出てみる。多少雲はあるが今日はおおむね「晴れ」だ。朝焼けの海が美しい・・・。

近くのコンビニで買ってきた酒とつまみで・・・

ジブンの健闘を祝し、キンキンに冷えたスーパードライで
乾杯〜!(笑)。お〜、うめ〜っ!

創業約250年、珠洲市・奥能登の名酒「宗玄」でさらに
乾杯〜っ!とは〜、うまいっす!きく〜っ! 
ということで帰宅前のひとときを楽しみました。

今回、民宿えばたさんで同室だったお二人。岐阜多治見から参戦の牧野さん(左)。この大会は2回目で、今回四万十の当選を捨てて能登を選んだというこのレースの大ファン。東京から参戦の伊藤さん(右)。さくら道(名古屋城〜金沢兼六園)やあのスパルタスロン(アテネ〜スパルタ)を何回も完走されている「鉄人ランナー」でした。凄い人がいるもんです。100kでは民宿でいろんなランナーさんと出合えるのも大きな楽しみです。またどこかでお会いしましょう

完走記念メダル。晴天下でもう一度走り、能登の大自然の景観を楽しみたいと強く思った大会でした。
また来るゾ〜!



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