4.飛騨高山100kウルトラマラソン(岐阜県)
2012年6月10日(日)

記録 13:24:54 404位/515人中(男子)
男子完走率 78.0%(515/660)
女子完走率 71.9%(64/89)

ラップ&スプリット
天候 快晴 気温 14.9℃〜23.5℃

距離ラップスプリット備考
10km1:07:50-プロローグ  スタート地点写真  10km地点写真
20km1:11:002:18:5020km地点写真
30km1:20:253:39:1530km地点写真
40km1:12:224:51:3740km地点写真
50km1:08:215:59:5850km地点写真  後編(54km地点写真)
60km1:56:237:56:2160km地点写真
70km1:31:549:28:1570km地点写真
80km1:11:1310:39:2880km地点写真
90km1:37:4412:17:1290km地点写真  95km地点写真
100km1:07:4213:24:54ゴール地点写真  エピローグ

完走記

プロローグ(大会前日)

 国内最大の面積を誇る高山市に、国内屈指のタフな100kマラソンが誕生!

伝統息づく古い町並み、北アルプスの山麓に抱かれた自然豊かなコース。その変化に富んだコースは累積獲得標高が実に3k近くに及ぶという国内屈指のタフなコース。100kマラソンに嵌り、より困難なゴールを目指すウルトラランナーに、さらなる感動と興奮、ウルトラの真髄を味わわせてくれる大会である。

 この大会を一言でいうとこんな感じである。

 ウルトラマラソンは、気候の関係から5〜6月と9月に大会が集中している。八ヶ岳野辺山を毎年出場すると、ダメージが残るため6月上旬の大会は出場が難しい。6月下旬開催の大会はもうかなり出場してしまっているし、どうしようかと思っていたところ・・・。

 ほほ〜っ!飛騨高山でウルトラマラソンが開催か〜!

 見つけてしまったのであった・・・。

 コースを確認してみると、ナント野辺山に匹敵するタフなコース!変態コースが大好きなユキチにとっては非常に魅力的な大会であることが判明した。「こりゃ〜、出場するしかない!」と思い開催日を確認すると、実に野辺山の3週間後の開催であった。

 う〜む・・・、どうしよう。最近走力も落ち、故障も簡単にするので自分に自信が持てない・・・

 「ええいっ、行けいっ!」 

 悩んでいるうちに本能的に申し込みをしてしまった(笑)。サラリーマンを辞めて、独立開業してからというもの、考える前に行動するクセがついてしまった。こういう時にもそのクセがいかんなく発揮されるのである。

 「迷ったら、やれ!」

 これは、私が主催する「スーパー社労士養成大学」で学生に常に言っている教え。今回は自分に適用した(笑)。大会前日の6月9日(土)、新宿の高速バス乗り場から高山行きの第一便に乗り込み、一路高山に向かったのでありました。今回もライフワーク化した「ランナー兼カメラマン兼ライター」として出場。大会の模様を刻銘にお伝えすべく頑張りぬきます!

 でも、やっぱり余裕でゴールしたいね〜。目標13時間以内!

 と気合を入れました。相変わらず体重は70kオーバー。さあ、ど〜なりましたでしょうか。その模様は本篇でお楽しみください!

新宿西口高速バス乗り場、午前7時発の高山ゆきに乗車。第一便で朝早いが満席である。新宿、高山間往復で11.700円。

約2時間20分で諏訪湖サービスエリヤ。

諏訪湖を見下ろしながらスターバックス・タイム。

定刻どおり12時30分には高山バスセンターに到着、しかし5時間30分はやはり長い。

バスターミナルの隣がJR高山駅。小雨がぱらついていた。ここは初めてである。

駅構内を覗いてみると高山らしい長椅子が・・・。

流石、年間400万人の観光客が集まる高山。駅前の観光案内所が大きい。

多少、小雨がぱらついていたが予定り貸自転車で市内観光へ。1日1100円。

マズは受付会場の市民文化会館へ。
ここか〜・・・。

受付ブースへ。エントリー数は、100k:862名、72k:296名の計1.158名である。

今回のゼッケンは「37」番。北海道からの参加者から番号が振られているので若い番号になった。北海道、東北からの参加者は非常に少ないということ。

おう〜っ!受付後、飛騨牛クンと気勢を上げた(笑)。

さて昼飯。実は地方のイタリアンで有名なお店が高山にあり、行ってみたのだが、移転していてあきらめた。で、このお店が目に止まった。というか鼻に止まったのである。

焼きそば「ちとせ」さん。店内は昭和の雰囲気満載。
いいね〜・・・。

肉卵入り焼きそば(大):580円を注文。来た〜っ!

とは〜っ!
うまいっすね〜、これ〜っ!


まさにおふくろの味、心が和む。後で調べたら、創業50年、土日は行列のできる名店であった。大正解、満足!

遅い昼飯でお腹を満たし、いよいよ観光。まずは古い町並みをめざし町中を流れる宮川の河川をゆく。

桜山八幡宮の大鳥居。

八幡宮の表参道をゆく。

と、右手に実においしそうな団子屋さん発見!

いい匂いに吸い寄せられて自転車を降りる。
お〜、焼いてる、焼いてる!

2本GET!1本、70円だったかな?高山では醤油で焼いただけの団子のことを「みたらし」というそうだ。香ばしい醤油の焼けた香と、その味はおいしかった!御馳走様!

で、最初に訪れたのはココ、高山屋台会館である。高山では山車(だし)のことを屋台という。

うお〜・・、館内にはいろんな屋台が展示されている。高山(飛騨の国)は、大和朝廷の時代から、税のかわりに匠(たくみ)を朝廷に送り出し、奈良の都の宮殿やお寺の建築に従事。その飛騨の匠の技術がこの高山の屋台に受け継ながれ、高山祭で花開いているのである。

高山祭は「春祭:4/14〜15」「秋祭:10/9〜10」の2回。この「大八台」は、最初の三輪の屋台。あの車の直径はナント1.56mあるという。平安調風の御殿造りの実に優雅な屋台である。

こちらは「神馬台」。創建は享保時代、再建は明和6年という屋台。中段の般若の面が印象的だ。

こちら「布袋(ほてい)台」。

上部の布袋和尚と唐子は、複雑巧妙な「からくり人形」。離れからくり人形の中で日本最高のものという。からくり人形はすべての屋台についていると思っていたが、春祭の屋台で2台、秋祭の屋台で1台ということであった。実演を見てみたいものだ。

これらの屋台は現役。祭りになるとここから出動する。なので、こんなに大きな扉がついている。展示を見て、是非とも高山祭を見てみたくなった。

屋台見学後、八幡宮に参拝。明日は完走できますように・・・。

そしてお楽しみの「古い町並み」へ。いよいよ入ってきた。

ここは上三之町。

ほほ〜・・・、実に素晴らしい。江戸時代にタイムスリップした感がある。

このあたりは観光客が多く、自転車は邪魔者だな・・・。

保存地区に入るとやや観光客の数が減る。

さらに素晴らしい。

白い蔵壁が印象的。

どうりでこの辺りは酒蔵が集中しているところだった。

道端には水路が流れている。明日はこの古い町並みに中も走るというから楽しみだ。

古い町並みと高山陣屋を結ぶ「赤い中橋」を渡り次の目的地へ。

よせばいいのに、合掌造りが見たくて「飛騨の里」というところに行くのだ。 158号線を自転車で飛ばす。白川郷はここから80kも離れているので残念だがいけない。「飛騨の里」で我慢である(笑)。

いや〜、結構な坂。変速機がついてないのでここからは自転車を降りて登ってゆく。

到着〜!入館料700円なり。

お〜・・・。素晴らしい。

飛騨の豪雪に耐えてきた合掌造り等の民家が実に風情のある佇まいを見せている。

水車。

車田。伊勢神宮にお供えする米を作っていたという説もあり、神聖な田であるということです。

車田の向こうに茅葺屋根の古民家。

合掌造りの古民家。

う〜ん、凄い茅葺・・。

分厚い茅葺が豪快だ。

中はこんな感じでした。

観光終了、記念撮影(笑)。

標高647mの飛騨の里の高台から高山市内を見渡す。短い時間だったが高山の観光の要所は行けたかな。

帰りがけに弁当を買って帰ることに。7時半くらいにはベッドに入りたいので、夕食を食いに出かけるのはやめだ。すると、駅前に駅弁のマークのついた「金亀館」さんを発見!

ここで駅弁を作って販売しているそう、実演販売だ!
ひひひっ〜!
いいとこ見つけた〜っ!
とうことで飛騨牛の「しぐれ寿司」:1200円をGET!目の前で作ってくれた(喜)。

今回お世話になる高山グリーンホテルさん。駅から徒歩約10分。受付会場まで約5分。スタート地点まで約18〜20分とレース参加には好都合のホテルである。

選んだ理由はやはりコレ!天然温泉。

エントランスにはやはり屋台の模型が展示してある。

ツインを一人で使用。なかなかの洋室であった。今回はちょっと贅沢。

さっ、風呂、風呂!本陣大浴殿へGO!

暖簾をくぐると〜・・・。

おおっ、すごく広いエントランス。こんな広いのは初めて。さすが本陣!

内湯。

そして庭園大露天風呂。うお〜、素晴らしい!

温泉ジャグジーもあるでよ!
いいね〜っ!
明日のゴール後もここに入れると思うと気合が湧いてくる。

ゆったり湯船に浸かりながら空を見上げる。
気持ちいい・・・。

いや〜、予想以上の露天風呂でした。大満足!

部屋に戻り夕食。先ほど購入した「飛騨牛 しぐれ寿司」。全国でも珍しいというローストビーフがメインの寿司弁当である。

お〜・・・。
おいしそう!

正方形容器に酢飯を敷き詰め、その上に10時間かけて煮込んだという上品なしぐれ煮と、表面を直火であぶり肉汁を閉じ込めたローストビーフが載っている。

とは〜っ!うまいっすね〜、
これ〜っ!


酢飯と一緒にワサビ醤油で食べるローストビーフは、ピリリとしたワサビの辛味が肉の旨味を巧みに引き立てており、なんとも贅沢な味わいだ。大満足!

食後、明日の準備。明日はこの出で立ちで走ります。前半はブルーマン、後半はグリーンマン(笑)。

すべての準備が整い後は寝るだけ。小雨も完全に上がり、夕闇が迫る中、一部青空も広がってきた。明日の天気予報は晴れ、時々曇り。好天を期待してベッドにもぐりこんだのでありました。



実況中継(当日)

 前日は、19時半にはベットに入った。しかし、ナカナカ寝つけず。やはり興奮しているのだ。これは、100kウルトラマラソンが「大人の冒険」であるからに違いない。なんとなく寝て3時起床。

 ホテルから朝食のサンドイッチをもらった。一泊朝食付きのプランで宿泊しているが、今日は、朝早くてバイキングが食べられないので、サンドイッチを作って出してくれたのである。実にありがたい、感謝。しっかり朝食を食べ、スタート約1時間前の午前4時に宿を出たのでありました。

 マズは前篇をお楽しみください。

飛騨高山100Kウルトラマラソン 前編 (0〜54K) コースMAP


★コースマップを拡大する場合はクリックしてください。

午前4時、ホテルを出発。スタート会場の高山市役所を目指す。だんだんランナーの人口密度が濃くなってくる。

薄明るくなってきた頃、高山市役所に到着。

どうやら市役所の敷地内からスタートするようである。スタートゲートをくぐり、荷物預けへと向かう。

前日受付は終わっているので、やることは担いできた荷物を再度チェックし、ゴールゆきと、54k地点の着替えのできるレストゆきに分ける作業のみ。完了!

トラックに預けゆく。ゴール地点行きと54kエイドゆきに荷を預けあとはスタートするだけ。ちなみにこのレースは、受付会場、スタート会場、ゴール会場とすべて場所が違う。

スタート時刻が近づき、会場内はランナーでごった返してきた。

頑張ります!

約1.100名のランナーが集結した。スタートまであと10分。

いよいよスタート。大人も冒険の開幕!開幕!

スタートゲートから空を望むと青空が・・・。いい天気になってくれよ!

午前五時、号砲!日本一広い市:高山市で、日本屈指の山岳ウルトラマラソンが開幕した!いってきま〜す!

すでに明るくなった高山の街。町の中心を東西に貫く国分寺通りをゆく。

直進すると、宮川を渡る鍛冶橋が見えてくる。

橋を渡ると安川通り。もうすぐ古い町並みに突入だ!

右折し上三之町の古い町並みに突入!いきなりハイライト!

いや〜、いいすね〜!こんなのは初めて!

約500m弱ではあったが、高山が誇る古い町並みを独占して走り抜けさせてもらった。記憶に残るシーンであった。

町の東側の山裾に出て、細い通路をやや登りながら進む。このへんはたいそうな混雑。ゆっくり走りましょうね(笑)。

ふたたび安川通りにでて東上する。

東山遊歩道をゆく。なかなかワイルドで変化に富んだコース設定だ。

すいぶん高台に上がってきた。高山市街を見下ろすことができる。

東山の山裾を登りながら、白山神社の脇を通り過ぎて進んでゆく。これにて高山市街地とはお別れである。

158号とはすぐにお別れ、右折して138号線、いわゆる木曽街道をゆく。実にのどかな花街道。

いい感じです。

元気に7.7kのエイドに到着。ここで本日最初の「ユキチさんですか?」という声がかかった。このエイドで活躍する大会スタツフの方だった。「頑張りますね〜!」

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写真が変わります。

このエイドの先で138号とはお別れ、たぶん旧木曽街道と思われるが、昔の街道に突入してゆく。

美しい田園風景の中、快調に、しかし一定のゆっくりとしたペースで、気持ち良く進んでゆく。

いよいよ山間部に突入してゆく。約8kスギくらいかな・・・。

お〜、ゲートを通過するぞ。美女高原へと続く林道の始まりだ!

旧木曽街道らしき林道を進む。いよいよ山岳地帯に突入!気合が入ります!

すると10k。1時間7分台での通過であった。ちょっと遅いかな・・・。

いよいよ山間部に入ってきた。ナカナカのコースである。山肌には靄がかかり、このころから雨が落ちてきた。

美女高原まであと3k。傾斜もきつくなり、歩くランナーも出てきた。

あたりを見渡すと、森林の深さが一段と増してくる。

美女高原まであと少し。ガンバッ!

遂に延々と続いた登りロードが終わり、ゲートを通過すると目の前が開けてきた!美女高原だ!

この高原には、大蛇が美女に化けたという美女伝説が伝わる池:美女ヶ池がある。池が見えるか楽しみ〜・・・。

14.1kの美女高原エイドが見えてきた。大きな横断幕が元気をくれる・・・。

ここは標高約900m。スタートから高度で約400m稼いだことになる。元気に到着した。

お〜っ!トマトジュースがある!

いただきましたあっ!

エイドを後に下りに突入!今度は朝日町に向けて高度で約200m下る。残念ながら、美女ヶ池は見えなかった。

下りの途中が15k。登り中心だったのでこの5kは37分かかった。

国道361号を飛騨朝日村に向け駆け下る。もう下りが終わり、平坦なロードに変わるところ。

沿道に人影はあまりないが、時折、このような暖かい声援が。感謝。

青屋川沿いをゆく・・・。

天候は晴れたり、曇ったり、はたまた雨が降ったりと安定しない。このあたりでは少し薄日が差してきた。もうすぐ19.1kの道の駅:朝日村のエイドだ。

おおっ!朝日村の人々が総出で声援を送ってくれている!

朝日村エイド到着!ここには第一関門が設置。ここを午前8時までに通過しないとOUT。あと残り49分。

いや〜、前半から厳しい登り下りがあり結構足を使わされている感じ。マズはゆっくり一定のペースで入った。ここからが前半のハイライト、駄吉林道峠まで高度約650mを稼ぐ延々10k続く登りの開幕!頑張ります!

エイドを出て、しばらく361号を進むと左折。いよいよカクレハ高原へのロードへ突入!

マズはゆるやかに飛騨の山間部に向け登ってゆく。始まった・・・。

橋の下を覗きこむと清流が・・・。

すると20k。この10kは1時間11分を要してしまった。

いきなり急登りと思ったが、最初はのどかな水田地帯をゆるやかに登ってゆく。

おばあちゃんがひ〜おばあちゃんと一緒に応援してくれてる。感謝!

花咲く山村の走り旅・・・。

道祖神もたくさんあって、道端から見守ってくれてる・・・

いよいよ山間部に突入!

橋を渡る際、覗き込むと素晴らしい沢が。ずいぶん山深くなってきたことが実感できる。

青屋川の清流を右手に見ながらひたすら登ってゆく・・・。

すると25k。この5kは実に35分かかる。

25kを過ぎると一段と傾斜が増し、沢がすぐ右に迫ってくる。

このあたりは結構な傾斜。しかしまだ前半、皆さん歩かずに頑張っています。

ひたすら登り続けると視界が開け、明るく広い台地が広がってきた。

来た〜っ!カクレハ高原。標高約1000mくらいだろうか。ここは乗鞍山麓に広がる緑と清流の高原。豊かな森林と清流二又川が流れる自然豊かなところだ。

20k地点から高度約300mを稼いでの到着。ここは開放感があり、元気がでる。笑顔でカクレハ高原のエイドに向かう。

27kのカクレハ高原エイド。一息いれよう・・・。

お〜、パンがある。

いただきましたあ!

エイドを出てからの坂がすさまじい。3kで高度約300m稼ぐ急登りの始まり始まり〜。林道のゲートを抜けると、もはや走ることが難しいほどの坂となった。

頑張るしかない!

ひ〜い・・・。
悪いことに雨まで降りだしやがった。

厳しか〜・・・。

まだまだ〜・・・。

つづら折りの急登の連打、連打。

雨が強くなりズブ濡れ、でもまだ前半なので元気に登れてます。後方からタイガー、マリオ、ミニーちゃんのキャラクター軍団が続く。その後ろには悪代官も(笑)。しかし、もういいかげんで峠に着かないかね〜。

すると30k。この5kは45分を費やしてしまった。しかたない・・・。

お〜い、峠はまだかあ〜!
30k過ぎても依然として急坂が続く。キャラランナーたちと談笑しながら峠を目指す。もう峠は近いハズだが・・・。

30.5k、標高1269mの駄吉林道峠に到達。ここには第7エイドがある。雨が強く厳しい登りであった、一息つく。

さあっ、ここから本格的な林道、オフロードの始まり。マズは下ってゆく。

なかなか豪快な下り〜っ!

足元はドロドロ。水溜りを避けて左右に飛び跳ねながら下る。

約15分くらいオフロードを走るとやっと舗装路に出た。牛首山(1408m)の裾を巻いて飛騨高原スキー場まで続く道である。

コース最高地点、1345mの飛騨高山スキー場まで続くゆるやかだが長〜い登りが始まった。

視界が開け景色が見えると、カナリ山深いところを走っていることを実感する。

降りしきる雨の中、まだまだ元気に登っております。身体が冷えて寒いのがちと辛い(笑)。

すると35k通過。この5kは35分かかる。

林道を左折すると一気にあたりが開けてきた!スキー場だ!

36.7k、飛騨高山スキー場到達!標高1345mのコース最高地点である。それにしても前半戦が非常にキツイ。まさに野辺山に匹敵する変態コースだ(笑)。

スキー場を出発して462号線を岩滝へ向かい下る。方角としては高山市内へ戻ってゆく感じだ。そして、ここから46.6kの岩滝公民館までの高度約650mの大下降が始まった。

視界が開け、高山方面が見渡せるが、ここは高山市の山岳地帯のど真ん中であることがわかる。

急降下開始〜っ!

そりゃ〜っ!

うおりゃ〜っ!グルグル回りながら降りてゆく〜・・・。

やっと40k。実に4時間51分と5時間近い通過であった。

さらにつづら折りの急坂が続く。これはもうカナリ足にきますね(笑)。

うんざりするほどの急カーブ、急勾配の坂を駆け下り続けると、やっとカーブも傾斜もゆるやかになり里の雰囲気が出てきた・・・。

出た〜っ!

やっと山間部の急坂を抜け、里に出た。開放感感じます!

すると45k。下りオンリーのこの5kは流石に28分台でカバー。

あとは岩滝まで川沿いにゆるやかな直線をくだってゆく。雨も上がり、標高も下がり、今度は暑くなってくる。

岩滝公民館のエイドを通過すると、右手に岩盤をくりぬいた印象的なトンネルが見えてくる。

岩滝トンネルへGO!・・・っと、トンネル左上の岩斜面に何かいる!

うほほっ〜、日本カモシカだ!高山のコースならではの贈り物。

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トンネルを抜けるとそこは「坂」だった。しんどいス〜。

トンネルからは高度100mの峠越えが待っていた。

もうホトンドのランナーが歩いている。ユキチもたまらず歩く・・・。

峠を越えると一瞬開放感のあるロードに出る。50kはもうすぐと思われるが、まもなく6時間が経過する。なんとか6時間以内で通過したい。

ロードに陽が当たるとかなり暑い。暑さでカナリ参ってきた。でも頑張って進むしかない。54.4kの着替えのエイドまであと少し。頑張ろう・・。

来た〜、50k。手前で猛然と飛ばし、5:59:58とかろうじて6時間を切った。こりゃ〜、野辺山と同じくらいの通過タイム。これからの後半戦には高度400mと300mの2つの峠越えがある。はたして制限時間に間に合うだろうか・・・。かなり前半から追い込まれた感じ、疲労感がどっと出た。

峠を越えてゆるやかに下ってゆくと丹生川(ニュウカワ)トンネルが見えてきた。悪代官さんが前をゆく。30kの峠くらいからず〜と同じ位置を走っている。暑そうだなあ〜・・・。

トンネルの中は涼しくてオアシス。この頃は本当にバテテ、トンネルの手前から歩く有様。かなりしんどくなっていた。

トンネルを抜けると再び直射日光を浴びる。もうヘロヘロ状態。かろうじて走っている。これはおそらく「ガス欠」、つまり腹が減った時の症状にちがいない。エイドで目いっぱい食わねば・・・。

158号線に出た。昨日はこの道で松本から高山に入ってきた。左折して高山市方面へ少し行けばエイド。もうすこし・・・。

やっと着いたあ〜っ!丹生川(ニュウカワ)の着替えエイド。6時間32分での到達、よ〜し、着替えたら食うぞ!
ここは第3関門。スタートから8時間15分以内で通過が条件である。

飛騨高山100Kウルトラマラソン 後編 (54K〜100K) コースMAP


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じゃじゃ〜ん!着替え完了!暑いので嫌いな帽子もかぶらざるを得ませんね。エイドでは実によく食ったぞ。おにぎり2個、アンパン3個、そして焼きそばを5皿。も〜腹いっぱい食べました(笑)。

で元気に出発したのだが、走り出して300mくらいで急に腹に強烈な差し込みが・・・。スグに引き返してトイレに直行、強烈な下痢に見舞われた。一気に食い過ぎたかな(苦笑)。厳しい、厳しい再スタートとなりました。

エイドをでるとスグに55k。7時間15分で通過。この5kは、エイド休憩、しかもトイレ駆け込みのロスも加わり1時間15分を要してしまった。残り45kを6時間45分でカバーしないといけない。追い込まれた・・・。

しばらく行くと100kコースと72kコースの分岐。100kは右折し、再びUPDOUNの厳しい山間部に突入し、またここに戻ってくる。体調は最悪。72kのコースがうらやましい・・・。

約68kまで延々と続く、高度で約400m稼ぐ登りが始まった。
やめて〜!
走りたくない、走れない。

あまりの体調の悪さにやめたくなった。しかし、追い込まれているので歩くわけにもいかず、ひたすら路面を見つめてコツコツ足を出す。「そのうち回復するさ」と自分を信じて・・・。この頃が一番きつかった。

写真を撮る気力もなくひたすら足を出していると60k。7時間56分で通過。この5kも41分もかかる。残り40kを6時間4分、この状態ではたして間に合うのか・・・、体力的にも精神的にも追い込まれしんどい・・・。

89号線を恵比寿峠へ向けひたすら登ってゆく。粘りに粘って走り続けているとダンダン体調が回復して、腹に、そして体に力が入るようになってきた。さっき思い切り食ったのが効いてきたのかも・・・。

直線的になだらかに登ってゆく。この斜度であれば走れる。追い込まれているので傾斜の甘いところの「歩き」は禁物だ。
頑張れ!頑張れ!

恵比寿橋通過。恵比寿様のご加護か、体調は回復、気力も蘇ってきた。

軽い峠を越えると視界が開け、折敷地の集落が見えてきた・・・。

気力も戻り、元気に集落に降りてきた。天候は「晴れ」に完全に変わった。

恵比寿の湯のところで89号線とお別れ、十二ケ岳(1327m)の裾を進む林道へと入る。ここから急坂開始、68kまで約3k強で高度約250m登る坂。もはや歩くしかない。

すると65k。この5kは実に44分かかる。70kまで行けば下りだ、そこまでは辛抱。通過時に大阪から参戦のヒロコさんに「ユキチさんですか?」と声をかけてもらった。

65kすぎからマスマス急坂になってくる。峠まで歩きぬくしかない。

さきほど声をかけてもらったヒロコさん、同じクラブから参戦のチハルさん。たいへん元気なお二人で、皆でお話ししながら峠を目指しました。

68.2kのエイドまであと500m。もうすぐ峠、坂も終わる。

68.2kのエイドでは通過チェックがある。

このようにマーカーを入れるのだ。

エイドを過ぎると下り!やったっ〜。

と思いきや、軽く下ってもう一丁登り。69kくらいで本当に峠越えが終わった。

本格的な下りに入って1kほどで70k。9時間28分で通過。この10kは1時間31分を要した。残り30kを4時間32分、ここからはおおむね下りなのでいけそうだ。

72kまでで一気に高度300m下る大下りに突入。急な坂を下りきるとのどかな水田地帯に出てきた。

沢沿いにくだってゆく。十分に足は残っており、快調に駆け下る。

伊太祁曽神社のところで左折。459号線を小八賀川沿いに上流に向かい走る。ここはゆるやかな登りなのだが、下りでバカになった足では走るのがしんどい。

すると75k。この5kは、ほぼ下りオンリー。しかし33分もかかってしまった。もう足にバネがないのだ。

そしてしばらく行くと158号線にぶち当たる。ちょうど小八賀川に橋がかかるあたりだ。右折し、54.4kで大休止した丹生川エイドを再びめざし緩やかに下ってゆく。

ここから約10kに渡り、ゆるやかな下りで楽だ。ゆっくりだがきっちり走れている。沿道の花などを観賞しながら、直線が続く道を延々と下ってゆく。

途中で旧道へ入った。158は松本〜高山を繋ぐ幹線道路。車の通行量が多いので旧道に入るのは助かる。

まさに旧道。日陰もあるしいいね・・・。

のどかなロードを快調に進む。もう体調も回復した。60kから70kは本当にしんどかった・・・。

旧道から158号線に復帰したところが80k。10時間39分で通過。残り20kを3時間21分で走ればよい。この時点で完走は確信!

やった〜っ!飲みたかったコーラをGET!
うめ〜っ!
とにかく山の中ばかりで自動販売機が全くないのだ。冷たいコーラを飲んでさらに元気になった。レースではコーラを買うために300円持って走っている(笑)。

丹生川エイドに到達。2回目は82.5k地点である。ここは第4関門、スタートより11時間30分で閉鎖。あと33分、けっこうギリギリだ・・・。

早々にエイドをスタートする。午後4時を回り、陽が傾いて田園風景もノスタルジックな雰囲気になってくる。

72kと100kの分岐まで戻ってきた。約30k山の中を一周して戻ってきたが、戻ってきた今ほうが元気だ。ウルトラは諦めなければなんとかなるもんだ。

気持ち良く左に走路を取る。
行くぞ〜っ、ゴールまで!

広い水田地帯の中のロードを緩やかに下ってゆく。千光寺の入り口までおおむね下り。

すると85k。この5kはそれでも42分かかる。

85kから少し進むと千光寺に入口。右折して突入!

どど〜ん!
最後の難関、千光寺への急坂が立ちふさがる。

よろしくお願いします。入口の祠でご挨拶。

きつ〜・・・。
強烈な坂。2k強で高度300m登るコースでも屈指の急坂だ。 もはや歩くしかない。

あっという間に高度が上り、丹生川の村を見渡せるようになってくる。

ひたすら歩くだけ・・・。

ひたすら歩き続けて約25分、すぐ近くの上の方で「ガンバレー」という声やら鐘の音やらが響き、もうすぐ山頂のお寺が近いことがわかる。もう少しだ。

おおっ!
ナント最後は石段!

こんなコースは初めてだ(苦笑)。

おりゃ〜!突入!しかし、ここを走って登るヤツいるんかいな。でもここがコースの売り(ハイライト)であることは間違いない(笑)。

結構長いぞ・・・。

到着〜!千光寺の大下住職さんが応援してくれていて、本堂前でツーショットしてもらいました。(笑)。

千光寺は1600年前の仁徳天皇の時代に、乗鞍山麓に住んでいた両面宿儺が開山した霊山で、飛騨国一の古刹。

仏教の寺院としては、平安時代に嵯峨天皇の皇子で弘法大師の十大弟子の一人、真如親王が当山に登山し袈裟山千光寺と名づけ自ら開基になった。それ以来高野山の末寺となり、「飛騨の高野山」とも呼ばれているお寺。立派だ。

87kの千光寺内の第13エイドで小休止したのち出発、正門から退寺した。

千光寺からは丹生川町柏原の里まで約3kで高度300mくだる下相原林道をゆく。マズは少し登り。

軽い峠を登り切り、下りが始まった。もう登りは一切ない。ゴールまで約13k、下りオンリーである。ここがラスト10kが上りの野辺山のコースと違うところ。制限時間が迫ってもなんとかなる。

それにしてもこの下りもナカナカすさまじい。この坂も、グルグル回りながら降りてゆく。

大下りの途中で90k。12時間17分で通過。千光寺への登りのおかげでこの5kは実に55分かかったが、残り10kを1時間43分、しかもすべて下りなので完走は楽勝だ。

棚田に広がる水田のなかのロードを抜けてゆく。

降りてきたぞ〜っ!

林道の終点にある第14エイド。余裕も出てきたので、ここでちょっと休憩。 アイシングなど行う。至れり尽くせり、ありがとうございます!

さあっ、ゴールをめざしスタート!
この473号線で飛騨国府のゴールまで突き進むのだ!荒城川が夕日に照らされ輝き始めていた・・・。

午後5時をすぎて、柔らかく暖かい夕陽を真正面から受け、至福のゴールをめざし最後のランを行う。もう少しだ・・・。

95k通過。この5kは37分台、キロ7分半までペースがあがる。

川幅の広くなった荒城川を渡る・・・。

上流を眺めると、降りてきた山間部に夕陽が当たり山肌が輝いていた。

午後6時をすぎて夕照が水田を照らす。至福の瞬間はもうすぐだ・・・。

いよいよあたりは開け、ゴールが近いことが感じられる。スピードはキロ6分のペースまで上がってきた。最後のガンバリである。おかしいのは「残り4、3,2,1」カウトダウンの距離表示がでてこないこと。変だと思っているうちに歓声が聞こえてきた。ゴールは近い・・・。

ゴ〜〜〜ル!

やった!
終わったあっ!

ちなみに、残り5k以降のカウントダウン距離表示は業者が設置を忘れたそうです。次回は大丈夫でしょう。

ゴール後、完走メダルをかけてもらった。

ゴールで活動していたユキチのHPファンの大会関係者の人からも祝福を受け、ゴールする選手に声援を送っていた大会会長でもある國島高山市長さんを紹介してもらい、ツーショット!市長、素晴らしい大会ありがとう!この完走記が大会告知に役立つなら使ってくださいネ!日本屈指の人気大会になることを祈っておりますヨ!

エピローグ(大会翌日)

 いや〜 疲れた〜、なんとかゴールできました。

 やはり聞きしに勝るタフなコース。特に前半が厳しいので時間がかかり、かなり追い込まれながらのレース展開になることは必至。早いとこ出場しておいてよかった(笑)

 それにしても、流石高山市。その面積は東京都と同じというが90%は山という。コースもほとんど山の中だったぞ。その山の中まで熱心にサポートしていただいた大会関係者、ボランティアの皆さん、本当にありがとうございました!本大会がより一層の発展をし、日本屈指の人気大会になることを祈念します。このリポートがそのための一助となれば幸いです。

 今回初チャレンジした「おバカ」な企画 「飛騨高山を駆けるカッコイイお姉さん!」
 スタイル抜群のカッチョイイお姉さんランナーの後ろ姿を撮影してみました(笑)。撮るの結構大変(ストーカーのように背後1mまで接近し急ストップ、止まってすぐさまシャッターを切る)で50kまでで5名は撮影したんですが、その後は疲れて無理でした(笑)。いっぱいいましたよ!カッコイイお姉さん(喜)

最後に、大会前パンフとともに送ってもらった応援メツセージ。
国府小学校2年生の下畑クン、
ありがとう!

そしてシルバーに輝く完走メダル。
大会関係者の皆さん、ありがとうございました!そしてこの報告を見て感動したかたは是非「飛騨高山100k」チャレンジしてみてください



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