09年夏の「快速登山」は天候に恵まれず、ナカナカ入山できすに早くも9月に突入。
あ〜っぁ・・・。
今年はもう入山することもなく、マラソンシーズンに突入か・・・。と思っていた。9月第1週の土、日。5日:土曜日の天気予報は「曇り、トキドキ晴れ」で入山する気が起きずに当日を迎えた・・・。
あらっ?快晴ジャン!
くそ〜っ・・・。すかさず天気予報を確認すると、明日の日曜日はさらに素晴らしい天候になるといっていた。しかも、大陸高気圧に覆われるという。こういう時は、日中でも雲が湧かず、クリアーな展望が得られる確率が非常に高い。もういてもたってもいられなくなり、急遽、明日日帰りで「快速登山」を実行すべく地図を開き検討に入った。
これだ!これしかない!
甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳の2つの百名山を夜行日帰りでやろう!
諏訪湖から高遠へ抜け伊那谷へ入り、戸台の仙流荘前からAM6時のバスに乗れば甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳の登山基地である「北沢峠」にAM7時に入れる。いうことで、日曜の深夜AM1時に車で出発!一路、伊那谷を目指して中央高速を飛ばしたのでありました。
ターゲットは甲斐駒ケ岳(2967m)、仙丈ケ岳(3033m)2つの百名山。この2つの名峰を、北沢峠よりそれぞれピストンでダブル登頂を果たそうという作戦である。
北沢峠から仙流荘への最終バスは16時。9時間以内でこの作戦をコンプリートしないと北沢峠に閉じ込められ、明日の仕事ができなくなる。コースの登山標準時間が14時間10分なのでコースタイムの63.5%で完登できないと閉じ込められるワケだ。
これは今の自分にはハッキリ言ってきびしい・・・。しかしチャレンジあるのみ! 果たしてどうなりましたことやら・・・。
昭文社:山と高原地図 標準コースタイム:14:10:00 標準タイムの63.6%で完踏
戸台口より車で5分、仙流荘前の駐車場。かなりのスペースがありますが、もう満車にちかい状況。でも河原にまだまだ余裕がありました。 午前4時30分には到着!家から3時間30分で到着。約1時間車の中で仮眠し、明るくなってきたので準備を完了し、車を後にしてバス停に向かった。 |
あれが仙流荘さんです。帰りに温泉に入る予定・・・。 |
その脇に北沢峠ゆきのバス停があります。もう大勢の登山客が集結を始めていました。 |
午前6時が始発。 北沢峠入山後、峠を基点に9時間で甲斐駒と仙丈をピークハントしないと今日中に下山できないので、1番先に出発するべく先頭に近いところに陣取る。 |
なぬ〜っ! 大勢の登山客が詰め掛けたので5時42分に1号車が入ってきた!ラッキーっ!交通情報からすると、始発は戸台口と書いてあるが、実質はココ、仙流荘前からバスが出るようである。 |
約50分で北沢峠に到着!よくぞつけたと思うほど素晴らしい林道であった。その名も「南アルプス・スーパー林道」。 |
思いがけなく6時35分到着と、予定の7時より早く着いた。 500ml×2本に水をつめ、ストレッチを行いスタート準備完了である。 |
最初は甲斐駒からピークハント。ここが甲斐駒への登山道入り口。双児山を経由するコースを選択した。 いざっ、突入! |
北沢峠からは樹林帯の中をいきなりの急登をこなす。 峠が標高2030mなので甲斐駒山頂(2967m)まで高度937m稼げば良い。こりゃ〜、男体山より楽だゼ! |
スタート時は山腹にガスがかかり視界不良であったが、頭上に青空がのぞきだす。 頼むゼ!天気が良いからこそ飛んできたんだから・・・。 |
急登をこなすと、いよいよ森林限界が近づいてきたようだ・・・。 前方上方に空が開けてきたゾ! |
スタートして約45分、遂に森林限界を抜けた! |
するとスグに双児山の山頂(2649m)に到達! おお〜っ、こっ、これは・・・。 |
眼前に巨大な山塊が現れた。前衛の山がある!あれが駒津峰か!その奥に聳えるのが甲斐駒ケ岳にちがいない・・・。 画像の上にマウスポインターを乗せると画像が切り替わります。 |
左手には鋸岳(2685m)の第一高点と思われるピークが望める・・・。 |
駒津峰(2740m)への縦走を開始! 標高差がたいしたことないのに登山標準時間が長いのが良〜くわかった。 山が深いのである。マズは、双児山と駒津峰の最低コルまで下降を開始。 |
最低コルを通過し、いよいよ駒津峰への登りにとりかかる。 |
駒津峰への登りから、入山した戸台方面を俯瞰する・・・。 |
背後に雲間から仙丈ケ岳の山頂付近が現れた。 |
うおお〜っ。駒津峰への稜線に飛び出すと甲斐駒ケ岳の勇姿が眼前に展開! |
甲斐駒ケ岳(2967m)。私が日本で一番好きな山、山頂部の花崗岩が白く輝く巨大なピラミッドである。 |
駒津峰(2740m)に到達!標準登山時間2時間50分のところ1時間28分で到達!標準登山時間の52%を達成!素晴らしい入りであった。 |
山頂にはすでに大勢の登山者が憩っていた。それにしてもすごい数である。北沢峠基点のコースは南アルプスでももっともポピュラーなルートらしい・・・ |
駒津峰からの甲斐駒ケ岳 |
右手には甲斐駒の誇る岩峰、摩利支天峰(2820m)が聳え立つ。 |
いよいよ駒津峰を出発!痩せ尾根を甲斐駒に向かう。 |
駒津峰と甲斐駒の最低コルへの下り。 |
最低コルより甲斐駒へのダイレクトルートを見上げる。 |
ダイレクトルートはやめてノーマルルートを選択。六万石を通過!その後右にトラバースしてゆく |
かなり大きくトラバースし、裾を巻くように進む。六万石があんなに遠くなった。 |
トラバースが終了し、いよいよ山頂への急登開始! |
上空は紺碧の空である・・・。 |
花崗岩の一枚岩が露出した細いトラバース・・・。 |
慎重に通過であります・・・。 |
いよいよ頂上への稜線が近づいてきた。 |
ここは摩利支天峰山頂への分岐。今日は行っている暇はない。 |
頂上稜線を山頂へと進む登山者。 |
頂上稜線に進出!山頂が確認できる。 |
頂上接近! |
登り始めて2時間24分、絶頂に到達!もうコノ上には何もない・・・。 |
甲斐駒ケ岳(2967m)。大学2年以来の登頂であった・・・。 標準登山時間の55%で登頂!予定をかなり上回るペースで到達できた。 |
山頂の一等三角点の脇には山岳信仰のシンボル、開山威力不動尊が祭られている。 |
拝礼、拝礼・・・。 |
山頂部は快晴なのだが、周囲の峰峰は雲をまとい、残念ながら展望はよろしくない・・・。 |
これから向かう仙丈ケ岳(3033m)の雲が取れ、一瞬であったが山頂部が顔を出してくれた。 画像の上にマウスポインターを乗せると画像が切り替わります。 |
時間がないので約12分でパンを食い、水を飲み、展望を楽しみ出発!同ルートを駒津峰へと下ることにした。 砂礫のルートなので走ることが可能なのである。 |
下降中、摩利支天峰のかなたに南アルプスの主峰、北岳(3193m)の山頂部を雲間からの望むことができた。 画像の上にマウスポインターを乗せると画像が切り替わります。 |
予想通り砂礫なので快調に駆け下ることができた。あっという間に摩利支天への分岐まで到達・・・。 |
ワズカ38分で駒津峰へ帰着した。駒津峰からの甲斐駒と摩利支天、これでこの勇姿も見納めである。 |
駒津峰よりの帰りルートは、仙水峠へくだり、さらに北沢峠へと下るルートを採用した。GO! |
仙水峠までは標高約500mの一気のくだり。この尾根沿いに急下降し、右下の沢沿いに下ってゆく・・・。 |
この下降では、下れば下るほど摩利支天が近づいてくる。 |
摩利支天の岩壁が正面から見える・・・。 |
仙水峠(2264m)到達!実は笑っているけど痛くて、痛くて・・・。 実は峠到達直前にアクシデント発生!左足を岩に乗せたとたん滑り転倒。骨折してまだ補強の金具が入っている左肘部を岩に強打!しばし動けず・・・。左腕がしびれてギブアップ状態。水をかけて冷やし様子を見ながら下降。どうやら骨は大丈夫らしい・・・。 |
仙水峠より摩利支天、甲斐駒を望む。ここは摩利支天の展望台といってよく、すごい迫力である。薄くガスがかかっているのが非常に残念である。 |
さあっ、北沢峠に向け出発である。痛む左肘部をもみながら慎重にスタートを切った。 |
どわ〜っ、これは凄いモレーン地帯だ! |
延々とモレーン地帯が続く。先ほどの転倒ですっかり気落ちし、スピードはまったく上がらない。しびれも取れてきて、甚大な損傷を負っていないことが分かりホッとする。 |
仙水小屋に到着。ここは完全予約制の山小屋である。 |
小屋の前の冷たい水で左肘部を入念に冷やした。もちろん冷たくて美味しい南アルプスの最高の天然水もたらふく飲んだ。 |
さらに沢沿いに下ってゆくと〜・・・。 |
北沢長衛小屋が見えてきた。もう北沢峠に着いたも同然のところである。 |
バツ!や〜めちょ! アクシデントもあり、駒津峰からここまでの下りで標準時間の74%かかってしまった。登り始めからトータルでも63.6%。この時点でギリギリ。まだ体力はゼンゼン大丈夫だが、このまま仙丈に突入してバスに間に合わなかったら、ここに閉じ込められて明日仕事にならない。残念だがここで中止。敗退確定! |
そういうわけで、ここで中止。13時のバスまで時間があるのでキャンプサイトでのんびりすることにした。 |
マズは、沢の清流で痛めた左肘部を再度入念に冷やす。多少腫れているがたいしたことがなくてよかった・・・。 |
次は木陰を探して簡易ベットを作成・・・。 |
心地よい風を感じながら、しがし仮眠。なにしろあんまし寝てないからね〜・・・。 |
仮眠後、北沢峠のバス停に向かう。 |
大きなドロノキがあった。 |
静かな南アルプス林道を進む。 |
振り返ると北岳が見えた。 |
北沢峠のバス停に戻ってきた。 |
長衛荘さん前で・・・。非常にきれいな、立派な山小屋でした。 驚いたコトが!13時のバスなんですが、乗る人がいっぱいになるや時間を待たず15分前に出発してしまいました。仙丈に突っ込んでいて仮に16時に帰着しても既にバスが出ていた可能性は非常に高かったことが判明。胸をなでおろす思いでした。 |
さあっ、下山後はお決まりの温泉! 今回は、バスを降りてスグの仙流荘さんに伺いました。 |
遠く鋸岳を望む露天風呂。無色透明でお肌つるつるになるナカナカの温泉でした。ちょっと狭かったケドね〜。(笑) |
入浴後、仙流荘さん前にて・・・。 今回も途中敗退となりましたが、天候の良い中、大好きな甲斐駒を登れたのは幸せでした。また来年頑張ります!来年こそは南アルプスの名峰の数々が踏破しますよ! (おわり) |