RUNNING FOREVER 心は永遠にサブスリー 出場レース 結果報告

■2008年 レース結果報告 

3.荒川市民マラソン (東京都) 3月16日(日)

 フルマラソン 記録 2:57:33(NET2:57:21) 105位/11042人中   

 天候 晴れ  気温16.0℃  風1.0

ラップ&スプリット

5K 21:05 (ロス12秒)
10K 21:05 42:10
15K 21:05 1:03:15
20K 21:03 1:24:18 (ハーフ 1:28:50)
25K  20:26  1:44:44   
30K  20:42  2:05:26   
35K  21:10  2:26:36   
40K  21:27  2:48:03   
42.195K  9:30  2:57:33   

 

 完 走 記

プロローグ

 いよいよ2007年度のシーズンも大詰め。タイムを狙ってゆくレースの最終戦は「荒川市民マラソン」のフルマラソンである。

 11月に「つくば」で根性のサブスリー復帰!連続サブスリーを目指し走った2月の「勝田」では故障であえなく潰れた。3月、自信回復とスピードを取り戻すべく出場した「読売犬山ハーフ」は直前の風邪により、平凡なタイムにとどまってしまった。

 さあ・・・、最終戦に向けどのように調整していけばよいだろうか・・・。

 もうジタバタしても 「これ以上エンジンは大きくできん!」「スピードつけるにゃ時間がない!」「強い追い込み練習はハムストリングの故障が怖くてやれん!」と3拍子揃った状況である。

 となると・・・。かくなるうえは、残された最後の手段はただ一つ!「減量」しかない!1グラムでもファンダメンタルな体重を落とすのだ。やりたくね〜・・・。でもやるしかない!

 一般的にフルマラソンでは、体重を1k落とすと3分タイムが向上するといわれる。エンジンが同じだったら、車体を軽くすれば良いという理屈だ。まっ、1k:3分は向上しスギだが、今の自分であれば「2k落としで4分短縮」という仮説はたてられる。やるしかない!考えてみれば、67k前後のポチャポチャした身体でよくも「サブスリー」したものである。2時間40分台を連発したときのウエートは60kなので、7kもオーバーしているのダカラ・・・。

 3月に入り「減量」が始まった。要するに「食わない・飲まない」に徹するコトである。
実施したこと @ビールは厳禁!A飲み会には参加しない!(半月ガマンせい!) B食事制限(朝:ご飯2杯プラス焼き魚等→コーンフレークを少々へ  昼:サンドイッチ+甘いパン2つ→甘いパン1つへ 夕:大盛ゴハン2杯+豪快におかず→小盛ゴハン1杯+おかず少々) C間食撲滅!(お菓子類はすべて娘にあげた・・・)

 くっ、苦しい〜・・・。いっぱい食えないのがこんなに辛いとは。水を飲んで凌ぐしかない・・・。

 で、練習はというと、常に「空腹」の状態をキープし、朝練は7k走。走る間に「700×3本のインターバル」を行う。ただ決して飛ばさず、2:20〜24のゆる〜いペースで実施。足の筋肉に負担がかからない程度で行う。血糖値が下がれば十分と割り切る。夕練は、これもキロ5分のペース走。けっして速く走らないコトを条件に10〜12kを走りこんだ。週末は24〜30KのLSD、あるいはキロ5分のペース走を行った。

 果たしてその「成果」やいかに・・・。朝の定点計測で、13日(64.8k)、14日(64.5k)、15日(64.6k)と見事64k台に安定突入!ということは・・・。約2k減量に成功だ!ヤッホ〜!やったぜ!

 そして大会当日の16日、日曜日を迎えたのであ〜る。

 

 池袋より13分のJR埼京線の浮間船渡駅より歩いて約10分。荒川に架かる戸田橋のたもとが大会会場である。AM7時。ゾクゾクとランナーが土手を越えて会場入りする。

 う〜む、1年ぶり・・・である。このフィニッシュ・ラインを3時間以内で駆け抜けることができるか・・・。ラインを通過しながら強烈に「気合」が入ってきた。
 河原の野球グラウンドが会場になっている。ゲートをくぐると選手受付、荷物置き場へと続く・・・。

 今回のフルマラソン・エントリー数は、16.878人(うち女性2.532人)である。 

 その他の種目(5k、ジュニア3k、キッズラン、車椅子1k)をあわせると、ナント!19.650人がエントリーしている。

 ちょっとフルマラソンは多すぎるカモ・・・。走路が狭いところがアリ、毎年途中渋滞が発生しているからな〜・・・。

   さあっ、受付だ。ゼッケンNOはタイム申告順になっている。今回は、一般の部の234番目のゼッケンをいただいた。一般の部の先頭のゾーンからスタートできるワケだ。
   気になる天候であるが、これは最高かも・・・。気温は18度くらいまでアガル予報であるが、今は曇天で風も微風である。
   去年は寒い上に強風。帰りの21.1kがズ〜ト強い向かい風を食らった。一昨年はさらに悲惨で、やはり帰りの21.1kは突風の混じる向かい風に襲われた。今年は「微風」である。
 

 空を見上げると、雲の隙間から青空が・・・。このまま曇っていてほしいものだが・・・。 

 いずれにしても適度に暖かく、風がない最高のコンディションといえる。3年目の正直となった。ラッキーである。

 河原のスタンドに陣地を形成し、荷物を預けにGO!「荷物置場」が見えてきた。
   流石、2万人に対応できる荷物置場。広い!入り口でゼッケンを提示して入場する。

 ゼッケンの末尾の数字ゴトに荷物を預けるブースが分かれている。非常にわかりやすい仕組みだ。

 ユキチのゼッケンの末尾は「4」。ヨンのブースはット・・・。あった、ココカ・・・。

 このように荷札にゼッケンNOを記入して、ブース内の自分の好きな置いてくる。ゴール後は、そのままここに来て自分で探してピック・アップする。待ちがなく、非常にスムーズな仕組みになっている。
   トイレの数も目一杯アル!ホラ、ずら〜りと・・・。
   こちらにもズラ〜リ・・・。
   いよいよスタートが近づいてきた。スタート位置を示すプラカード隊が出陣じゃ〜!そろそろ自分も出発するか・・・。

 

実況中継

 サブスリー達成は大命題であるが、もうひとつある。

 今や、レナウンACのエースとなった間宮クン(東京で2時間52分台を記録)との勝負。今期は、越後湯沢ハーフ、手賀沼ハーフ、つくばフル、と3度対戦したが、背中を拝むこともできず完敗!昔のユキチの強さを知る同僚からは 「おい、なんとかセイヤ!お前が簡単に負けることは許されん!」 と罵声(いや声援)が飛んでいる状況である。

 サブスリー達成は勿論だが、なんとか一矢報いたい・・・。この2つに思いが、つらい「減量」をおこなう原動力となったのである。

 アップを終え、集合場所に戻ってみると、クラブの仲間が誰もイナ〜イ!ヒエ〜・・・!もうス全員スタート位置に向かったようだ・・・。ホントは間宮クンと同じ位置からスタートしたかったのだが・・・。くそ〜っ、早くも遅れをとってしまった。

 彼は陸連登録者なので一番前の登録者ゾーンからスタートする。キット最前列に近い位置についているに違いない。ユキチは一般登録なのでその後のゾーンからスタートである。その位置だと例年、35〜40秒のスタート・ロスを食らう。今回は誠に恐縮だが、ズルをして陸連登録者のゾ〜ンにコソコソと入り込んだ。そして、スタートライン後方15〜20mの位置についたのである。こうでもしないと勝負にならないワケ。許してチョ〜。


0〜5K 21:05 (ロス12秒)
 約15分前にスタート位置についた。たった約2kの減量とはいえ身体が絞られて非常に軽く感じられる。果たしてどのくらいの成果があるのか・・・。楽しみでもあるし、自分自身にも期待している。空はまだ曇っている。でもキットどこかで晴れてくるのだろうな〜、な〜んて思っているうちに・・・「ドカーン!」

 9時ジャスト号砲! スタートラインから15〜20m後方の位置をキープできたのでロスは12秒で済んだ。良かった!いいぞ〜!500mも走るとマイペースで走れる空間が手に入った。1k通過4:14!ロスを引くと4:02で通過である。いい入りだ・・・。今回はキロ4:12(5キロ:21:00)のぺースで押しまくり、あわよくば後半スパートし、2時間55分切りして間宮クンと接戦に持ち込む作戦である。

 今回も、寒くはないが保温のためビニール袋をかぶってスタートした。通常より襟元を大きく破って使用するが、2Kも走るともう暑くて脱ぎ捨てた。お〜、風が気持ちいい!さわやかな向かい風を受けながら快調に走る。河川のフラットなコースなのでペースが作りやすい。そしてやはり身体が軽い!快調に5Kをホボ予定通りに通過した。

5〜10K 21:05
 5K地点は新岩淵水門の前、土手を登った上のロードにある。 このコースはUP・DONNはこの土手の上り下りのみ。なっ、ナント、標高差は約8mしかない。しかも行きの5Kと帰りの37K地点の2箇所のみ。あとはホトンド河原を走る超フラットなコースである。天候さえ良ければ走りやすく、記録の狙えるコースといえる。

 まだ曇っていて日差しはなし。よっしゃ〜!このまま行け〜!涼しい風を受け、ONペースに乗り、相変わらず気持ちよく、足を使わず、快調に10Kを通過!

10〜15K 21:05
 ハムストリングも全然OK。全て順調である。こういう時は20Kまではとにか〜く足を使わず距離のみ消化できれば良い。今日は後半勝負に決〜めた!

 北千住の常磐線・日比谷線・千代田線の鉄橋の下を通過し、堀切橋の下をくぐり抜けたところが15K。判を押したようなイーブンペースで通過する。

15〜20K 21:03
 17K付近の京成押上線の鉄橋下を通過。かなり余しギミに走れている。やはり身体が軽いのは抜群の効果を発揮しているようだ。これは行ける!今回の調整は成功であった。辛い減量ではあったがその成果を確信でき、フツフツと自信が湧いてきた。

 総武線の平井大橋の鉄橋下を通過すると20K。まさに快調に通過する。ただこの頃から遂に「日差し」が顔をだしてきた。お〜ゥ、日差しが出ると流石に暑い!楽はさせてくれないのね・・・。

20〜25K 20:26  ハーフ通過 1:28:50
 さあっ、いよいよ折り返し:ハーフ地点が近づいてきた!タイムは? そして間宮クンの位置は?差は?

 ワクワクしながら走っていると、「早川〜!・・・ガンバ〜!」と大声が・・・。 タケ・アスリート鍼灸院の院長、田中タケさんが応援に来てくれていた。ありがたい!「何分差ですか?」と聞いた。「2分〜!」。間宮クンとの差は2分、約500mである。タケさんの応援でパワーをもらい折り返しに向かう。

 折り返し接近!・・・とその時土手の上から「早川さ〜ん!」 今度は折り返した間宮クンがユキチを見つけて声を掛けてくれた。「おうっ!」と言葉を返す。流石だ・・・。今回も彼は2時間55分は切るペースで進んでいる。

 ハーフ通過、1:28:50!ナイスタイムである。久々の28分台での通過である。マッタクの余裕!

 イクゾ〜!いままで抑えて走ってきたが、すべて開放する。行きたいように身体にまかせようというワケだ。後半勝負!粘り強く間宮クンを追うのだ!彼がバテテくれればチャンスはある!

 開放された身体は自然にスピードUPを開始!日差しが照りつけ、追い風になりカナリ暑いが全然気にならない。なんて身体が軽いんだ〜!23Kのエイドで「あんぱん」を2切れいただき、さらに元気に・・・。

 25K通過、この5Kを20:26!ウソだろ〜・・・。キロ4:05にペースUPしているが嘘のように楽である。

25〜30K 20:42
 あっという間に25Kを通過。こういう調子の良い時は30Kもあっという間である。ちょっと調子が良すぎて逆に怖くなったので、キロ4:06〜08とやや抑え目に走る。(情けないけど、やはりマラソンは30Kからだからね・・・。それとまだ本当に自信がない・・・。) 

 27.7キロのエイドで今度は「オレンジ」を1切れいただく。うぱ〜っ、キクー!果実の汁がことのほか口にしみる。この大会はバナナ、パン、オレンジ等の食物が豊富に、そして早いうち(9.1キロのエイドからバナナが・・・)から置いておいてくれるので、腹減らしのユキチには最高の大会なのである。

 思ったとおりの感覚で、あっという間に30K到達!この5Kを20:42で通過!しかも余裕。こっ、これは・・・。55分台が見えてきた。間宮クンをとらえるコトができるかもしれない・・・。

30〜35K 21:10
 30.1キロのエイドで今度はバナナを、さらに33キロのエイドで「おにぎり」をいただく。小まめな給水、小まめな給食ってか?でも「おにぎり」は塩がフッテあると最高だったのにな〜・・・。

 な〜んて、33キロをスギてクレームをブツブツいいながら走っていると、あれほど快調で軽かった走りが、急に重くなり始めた。
来た〜・・・。やはりマラソンは30Kから。そして甘くはないのである。「おにぎり」を食べてからマラソンの洗礼を受け始めたのも皮肉なものである。

 日差しは照りつけて容赦なく暑い。徐々に、というよりカグンとペースが落ちそうになる。ここから粘りの走りが始まった。あと約8キロ粘ればよいのだ。やるしかない・・・。

35〜40K 21:27
 う〜む、カナリ身体が重くなってきた。だがまだバネは多少に残っている。当初計画したキロ4:12のペースが守れなくなってきた。必死に足を出すが、4:15〜20が精一杯。さすがに苦しい・・・。

 55分台が見えたが無理か・・・。そして打倒間宮クンも無理か・・・。すでにサブスリーは確信しているが、あとはタイムである。ここで走りながら自分と対話し、今のペースから目標タイムを再計算する。「良くて56分台ギリギリ。悪くて57分台スレスレ。」 最終ターゲット・タイムが決定!「57分台で今期最高記録達成!」 である。後は粘り抜くのみ!

40K〜ゴール 9:30
 遠くに戸田橋の鉄橋が見えてきた。ゴールはあの先だ!視界が利くほどにゴールがナカナカ近づいてこないものである。もう前方をルックアップすることができない。歯を食いしばり、ひたすら4〜5m先の路面を見つめて走り、少し経っては前方をルックアップすることの繰り返しである。

 戸田橋を超えると、やっとフィニッシュラインが見えてくる。あと約250m。タイムは?・・・。もう57分台は間違いない! 

 約1分後、サブスリー達成の栄冠と今期最高記録達成という2つの至福の達成感を胸に、ゴールを駆け抜けたのであった。
 あ〜、終わった・・・。

 

エピローグ

 自信復活!  レース後の第一声はまさにこの一言である。

 減量はことのほか効果を表した。「ウエートが重すぎ」ということが立証されたレースといえるであろう。

 2時間40分台で走っていた時代は、60キロ前後で出走していた。重いときでも62キロだったから随分重くなってしまったワケダ。「練習でいっぱい走って、気持ちよくいっぱい食べる」がポリシーだったのだが、どうやら食べすぎていたらしい。

 朝は、ゴハン2杯に味噌汁、焼き魚、納豆等。 昼は、サンドイッチに菓子パン2つ。 夜は、ビール750ml(350と500を一本づつ)に、ゴハン大盛2杯におかずたくさん。 飲み会に行けば、ビール・焼酎を無限に飲み続け、ツマミは追加しまくり食べつくす。このことを告白したら「お前、食べすぎだよ!」と友達にあきれられたが、皆さんもそう思いますよね・・・。これじゃ〜、いくら走っても体重が落ちないのは当たり前だったワ。

 で、根性で2キロ減量し、65キロ前半で出走したらこんなレースが出来た。復活が見えたゼ!
来シーズンの完全復活に向けやることは「節制」である。つまり普通に食べるコト。すでに半月間ガマンしたので食事制限のペースはつかめた。通常63〜4キロのウエートにし、レース前には62キロ台に絞り出走する。これが出来れば再びコンスタントに2時間50分台前半の記録が出せるであろう。今年の秋にはいよいよ50歳に到達。50〜60歳代の部で表彰台に上がり、メダル・トロフィー・盾をGETしまくってやるゼ!
辛い「減量」を初めて実施してみて改めて気がついた。マラソンは、「日常生活の節制の積重ね」という人間形成を土台にしたうえに、さらに練習を積んで成り立つスポーツであるというコト。このことを再認識できたことが今回の1番の収穫であった。

 マラソンよ、ありがとう!また来シーズン挑ませていただきます。

 

 あっ、間宮クンとの対決の結果はど〜なったかって? 

 コレが驚き!ユキチがゴールするとスグ彼がいた。「アラッ・・・?」 聞けばユキチのゴールのワズカ11秒前にゴールしたそうな。実は、大接戦だったのである。中間点で500mの差をゴールでは約40mまで詰めたワケ。惜しかった! 

 暑さにやられて後半バテタらしい。しかし、潰れてもこのタイム。素晴らしい。あんたがチャンピオンだ!硬い握手を交わし、健闘をたたえあった。

 その後、ツギツギと後続のランナーがゴールしてくる。制限時間が7時間なので、あと4時間程このゴールシーンが延々と続くわけだ。
 

 ゴール後は、皆さんこのように芝生の広場の上に座り込む。お疲れ様〜・・・。 

 ゴール直後は苦しそうな顔をされているが、10分も経てば満面の笑みへと変わってゆく。この大会の完走率は95%を超えているという。エイド対応も素晴らしく「初フルマラソン」には最適の大会である。

 

 さあっ、待ちに待った宴会開始〜!クラブの面々が集まりマラソン談義に花が咲く!速かろうが遅かろうが苦しさは一緒なのがマラソン!お疲れ様でした〜!

 久しぶりに飲むビールのおいしいコト!今日バカリは無制限にビールを飲み続け、ツマミを食べまくったユキチでした。めでたし!めでたし!

 

2008年レース結果報告に戻る

RUNNING TOP